●愛する人との再会映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

愛する人との再会映画 ベスト10

 

恋人堂だったり、愛し合いながらも結ばれなかったり、

そんな相手との再会を描いた作品の特集。

ハッピーな再会もあればせつない再会もあったり…、

再会から始まる作品もあれば、再会で終わる作品もあったり。

 

1 ラヴソング

中国大陸から香港で一旗上げるために同じ列車でやってきた男女。お互いに惹かれ合いながらも、別のパートナーがいたり、距離が離れたりとすれ違いを繰り返したうえでの、ニューヨークでの再会シーン。こてこてのメロドラマなのですが、とにかく切なくて切なくて仕方ないのです。香港という舞台の特殊性が余計に二人の秘めた恋心をドラマティックにしています。素朴な田舎者をレオン・ライが好演しているのはもちろん、香港人になりきろうと突っ張る女性、愛しながらも表面上は友人をとりつくらざるを得ない女性、その揺れる心を、場面場面で表情ひとつで演じ切っているマギー・チャンが文句なく素晴らしい。クラクションをならしてしまったことから波を打ったようになだれこんでゆく二人の場面が印象的。またパーティで食べ物を食べるだけのシーンでは、エロティックとさえいえる口の動きで感傷的にさせる演技。完璧です。またミッキーマウスやウィリアムホールデンなど、ちょっとしたエピソードの使い方も上手で、さらに音楽も申し分ありません。これぞ珠玉のラブ・ストーリー。

 ラヴソング

 

2 好きだ、

17年越しの再会。タイトルの一言を告げるためにどれだけの時間を費やし、回り道をしてきたのか。見ている側からは切ないほどその気持ちが伝わってくるのに、二人にはなかなか言えなかった言葉が聞けたとき、つっかえているものが一気にとれたような感覚を覚えました。セリフがかなり少なく最小限に抑えられていますが、その分セリフとセリフの「間()」が雄弁に二人の気持ちを語ってくれます。言葉に出していることよりも、言葉にしていない部分の方がより本当の気持ちを語っているといってもよいでしょう。非常に「間」を効果的に使い、さらに主人公が弾くギター以外の音楽も控えることで、言葉に出せない二人の男女の気持ちを静寂が絶妙に表現しているのには恐れ入りました。

 好きだ

 

3 私の少女時代 Our Times-

コミカルな序盤を観ると、軽い感じのラブ・コメディになるかと思ったのですが、次第に彼、彼女の言葉に出来ないせつない思いがじわじわと伝わってきて、心に染み入る展開に。最初は別の相手を好きだった同士が、やがて好きなことに気づき始めるのですが、それを言い出せず、突然の別れがやってくるのです。観ていてもどかしさを感じますが、そのもどかしさこそが青春時代の本当の恋する気持ちだと思うと、ほんとうに切ない気持ちにさせられます。観ている方も、二人が今どんな気持ちの状態なのか、セリフはなくても、態度や表情から推し量る部分もあって、キュンキュンしました。そしてそれがラストの再会シーンに繋がり、心地よい印象で終わることになるのです。

 

 

4 建築学概論

実はお互いに好きだったけどいえないまま疎遠になり、再会してお互いの気持ちを知ったときにはそれぞれの人生が進んでいて、時間を取り戻すことはできない…。そんなせつない恋を現在と過去を交差させながら描いたラブストーリーは心の琴線に触れる作品に仕上がっています。平凡で恋にも奥手な主人公が、イケメンで恋愛に積極的な先輩と好きな彼女が二人でいるところを目撃し、誤解から自ら会うことを絶ってしまったという青春時代の別れ。あの時、もし、自分の気持ちを伝えていたら…と後悔しても、今の人生は変えられない。いろいろ経験を積んだ今もし出会っていたら…。そんな公開もまた青春の苦い思い出なんですね。ただ必ずしも幸せな人生にはなっていない相手を思うと、やはりほろ苦さの方が強くなってしまいます。

 

 

5  So Young 過ぎ去りし青春に捧ぐ

同じ場所で同じ屋根の下生活をしていた仲間たちも、それぞれに別の人生を歩む姿…。社会の中でのせわしない現実を思えば思うほど、夢を追って共に過ごした青春時代が、まるで遠い幻想であったかのように感じられてくるのです。無邪気に好きな仲間と語り合ったりぶつかり合ったり助け合ったり、そんな時代がせつなくそしてノスタルジックに響いてきました。特に大学時代には無邪気で感情のままに生きていたウェイが、別れを機にすっかり冷静で落ち着いた女性に変貌していた様子には、青春時代は既に過去のものとなった現実を強く思わずにはいられません。個性的なキャラクターにより、過ぎ去りし良き時代を懐かしく思わせるような青春映画をヴィッキー・チャオ監督が撮りあげました。

So Young過ぎ去りし青春に捧ぐ 

 

6 ホワイト・ライズ

凝っていて、時折視点軸と時間軸の境目が分からなくなるのは難点ですが、全体としては斬新なラブ・ミステリーに仕上がっていて面白かったです。根底には恋愛ストーリーがあるのですが、展開の主軸は恋人の失踪を追う謎解きミステリー。それらが次第に融合していき、ラストシーンは感動さえ覚えます。最後までお人よしの友人役のマシュー・リラードの存在も、恋する想いから嘘を重ねながらも最後は自分の罪を白状してしまうアレックス役のローズ・バーンも、それぞれが切ない。だからこそ人を愛する思いが伝わってきて、単なる謎解きだけに終わらないラブ・ストーリーに酔ってしまうのでありました。意外な拾い物。

 ホワイトライズ

 

7 きみに微笑む雨

鑑賞している間は忘れていたのですが、エンドロールの時に「これ、そういえばホ・ジノだったんだよな」と思い出し、妙に納得してしまいました。ホ・ジノ監督はやっぱり上手ですね、こういった内に何かを秘めた男女の静かな恋愛ドラマを描くのは。この作品も含めて、彼の作品の男女は、自分の思いの丈や過去のトラウマを感情に任せて思いっきり爆発させるということがなく、微妙な沈黙や目線で複雑な思いを表現するのですよね。その描写により、切なさがどんどん募っていって、いつの間にか観ている者も感情移入してしまうのです。そして決して心から発せられるものではない意味深な笑顔。そんなところでも、他のホ・ジノの作品に通じるものが感じられました。そして監督の演出力に加え、ヒロインのカオ・ユアンユアンの美しいこと。清楚な雰囲気の彼女が突然我を忘れたかのように唇をむさぼったかと思うと、すぐにまた理性を取り戻して冷静になる変化に、すっかり惹きつけられてしまいました。チョン・ウソンとの雰囲気のバランスがすごくよくて、二人の作り出す空気感が素晴らしかったです。話自体は単純なラブ・ストーリーではあるのですが、私はかなりはまってしまいました。そしてラストシーンがまたホ・ジノらしく、ズバッと描かないで、得意の前後の状況の描写でほのめかすカット。満喫できました。

 きみに微笑む雨

 

8 ばかもの

金子監督らしく、単純な恋愛ものに終わらなかったですね。中盤はいつの間にかアル中映画になっていて、それがまた最後に恋愛映画に戻ってくるという構成。その間の時間の経緯の中で、二人の関係性が変わっているのを、演技の中で見せる二人にも注目でした。音楽がなかなか素敵だったです。

 ばかもの

 

9 玻璃〈ガラス〉の城

大晦日、交通事故、学生運動、結ばれぬ恋、再会、革命運動、香港返還、親の過去…。音楽が効果的に使われ、過去と現在を交錯するラブ・ストーリーのムードを盛り上げている。歳の取り方に不満が残るが、恋愛映画としての雰囲気作りには成功していました。

 玻璃の城

 

10 故郷の香り

故郷に戻ってきた青年が初恋の相手を前に、過去を交錯しながら思い出を振り返っていく様子が描かれるノスタルジックな感傷を誘う作品になっています。交錯させる過去を少しずつ小出しにしていくことで、観ている側にも飽きさせない構成にしていながら、少しずつ思い出していく過程をも表現しようとしていました。主人公の現在があまり触れられていないのは意識的かどうか、妻子や仕事も忘れて故郷の数日間で心を癒しながらも、それを断ち切るように再び都会に帰っていく「癒し」を田舎の景色が感じさせてくれます。

 

 

11 僕等がいた 後篇

12 砂時計

13 ジュリエットからの手紙

14 隣の女

15 私たちが好きだったこと

16 予告された殺人の記憶

17 春の惑い

18 ラブ・ジョーンズ

19 男と女、モントーク岬で

20 愛の果てに