●二宮和也 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

二宮和也 出演映画 ベスト10

 

嵐の中でも俳優としての評価の高いニノです。

 

1 検察側の罪人

確かにラストにはもやもや感は残るものの、作品全体としては見ごたえがあり、ぐいぐいと最初から最後まで引き付けられっぱなしでした。理想や正義も長く同じ組織にいるうちに、自分の中で形を変えてしまうということが、警察・検察の犯罪に繋がっているということを、若手や潜入記者の目を通して、いったい何が正義なのか、改めて問うています。法の下において犯罪を罰すという正義が、いつの間にか別の事件で罰しきれなかった犯人への無念さを晴らすための手段にすり替えられていくことに、長く組織に属してきた本人にはもう気づかなくなっている怖さ。木村拓哉と二宮和也との会話のやりとりには緊張感があり、その正義とは何かという応酬も、作品を大いに盛り立てていました。松倉を演じた酒向芳がまた本当に気味悪い容貌・言動で存在感が抜群。面白かったです。ただ最後だけは、やはり犯した罪の償いも何も明確にならずじまいということで、敢えての後味の悪さがなんともいえなかったです。

 

 

2 ラストレシピ 麒麟の舌の記憶

戦中の満州国と現在を行き来しながら、国のためにレシピを開発しよう使命に燃えていたはずが、隠された陰謀から何もかも失ってしまった祖父と、両親を失い施設で育った、ともに天才料理人の数奇な運命を描いているドラマです。結果として自分のルーツを訪ね歩く形で、天才料理人の末期を追うストーリーは、ミステリー仕立てで、最後まで目が離せませんでした。そしてそこに差し込まれる、独創性の強く、しかも最高の食材でつくられた料理の数々。目の前でおあずけを食らっているようで、結構苦しかったです。ドラマは数奇な運命のつながりを見せる形で、絡まった糸がほどけていくような心地よささえ感じるラストで、映画として面白く観られました。二宮君の料理シーンがもっとあれば、より説得力はあったかも。

 

 

3 硫黄島からの手紙

確かに日本人ではこの映画は作れなかったと思います。敗戦したわが国がその負け戦を描くとすると、どうしても叙情的になるか、言い訳がましくなるか。いずれにせよ、と兵士たちの戦いぶりをやや距離を置いた目線で淡々描くような映し方は、なかなか日本人が日本人を描くときにはできないのではないでしょうか。それでいて、当時の日本で「美しい」とされていた生き様、死に様をきちんと敬意を持って描いていることに感心します。「お国のために」「天皇のために」自らの命を差し出して戦う姿は、現代人、それも外国人からすれば滑稽にさえ見えるのではないかと思うのですが、そんな感じが一切ありません。イーストウッド自身が、国のために戦って散っていった異国人の彼らに、尊敬の念を持ってこの映画に取り組んでいたのであろうことがひしひしと伝わってきます。おそらく、国を守ろうとした兵士たちへのそうした敬意こそが、この映画で最も描きたかったことではないでしょうか。その意味では、イーストウッドはわれわれ以上に日本の兵士たちの気持ちを理解していたのかもしれません。二宮和也も日本兵の一人として出演。

 

 

4 黄色い涙

嵐全員で出演した、今となっては貴重な映画です。高度経済成長時代のムードとメンバーの現代的な容貌とで違和感はあるものの、全体としては好感の持てる懐かしい感じの作品に仕上がっています。彼らの人間性のようなものがじんわりとにじみ出てきていて、ほのぼの感がいい感じに味付けされていました。貧しくても夢に支えられて毎日明るく生きる彼ら、そして夢をあきらめる時。青春っていつの時代もいいものです。

 黄色い涙

 

5 青の炎

二宮和也は好演、鈴木杏はさすがにうまい。松浦亜弥はちょっとつたない演技ながらも全体的に冷たい作品の中に溶け込んでいて違和感はありません。いわゆるアイドル映画ですが、それだけにしたくないという意思は感じました。ただ悲劇を扱っているにも関わらず、いまひとつ青春の痛みというものが突き刺さってきません。全体的にまとまっていて悪くはないのですが、どこか現実感という点でいま一つ響いてこないのは、あまりに冷えたムードに終始しているという点に加え、秀一の車庫をかえた部屋・パソコンやテレビなどの贅沢な道具・万単位の買物を次々にしてしまう金銭感覚・教室内の冷めた会話など、やや首を傾げてしまうような小道具・舞台にあるように思いました。

青の炎 

 

6  GANTZ

7 GANTZ PERFECT ANSWER

続編の中盤まではスピード感ある展開にワクワクしながら観ていたのですが、後半に来て大失速。だらだらと時間稼ぎのシーンが続き、長い長いと思いながらの鑑賞に変わってしまったのは残念でした。長く見せるシーンとさらりと流すシーンのメリハリをもう少しつけないと、どこが山場なのか感じ取りにくくなってしまいます。2時間20分強という上映時間はやや長過ぎでしょ。そもそもがじっくり見せるタイプの作品ではなく、奇想天外なストーリーをテンポよく見せていくのが使命の作品。欲張りすぎた気がしました。

 

 

8 母と暮せば

ユーモアを取り込むことが得意な山田洋次監督としては、サービス精神を極力排除し、母と亡くなった息子(二宮和也)の会話にとにかく集中し芯をそらさないようにと作られた印象です。会話そのものには軽妙さはあるものの、母と息子のドラマとしては至ってまじめそのもの。話の展開も起伏があるわけではなく、至って簡単なので、悪く言えば面白味に欠ける映画といえるかもしれません。思いは伝わりますけれどね。

 

 

9 大奥

展開として観ていて退屈することはないですし、衣装を見る楽しみもあるので、それなりに面白がってみることはできますが、内容そのものは薄い作品です。もっとどろどろした野望や陰謀が渦巻く世界を想像していたのですが、意外にあっけらかんとした感じなのですよね。どうせばかばかしくてあり得ない設定なのですから、とことんまで突き詰めてこれ以上ないというほど独特の世界観を創り上げて欲しかったですね。思ったよりあっさりとした無味な描写で、緊張感が少なかったかな。玉木宏や佐々木蔵之介らとの絡み方をもう少し深掘りしてみたら面白そうだったですね。ただ柴咲コウの凛とした雰囲気が作品に芯を作り、結構「女将軍」の雰囲気は出ていましたね。ぎりぎりのところで作品を救ったのではないでしょうか。

 

 

10 プラチナデータ

完全に中だるみで、時間以上に長く感じてしまいましたが、とにかく演出が下手くそ。だらだらと無駄なシーンを引っ張ったかと思えば、不自然極まりない「ため」を作ったり、或いは神楽の逃亡先に職場にと神出鬼没の杏の不思議ぶり。豊川演じる刑事の自由気ままな捜査ぶりもどうなのでしょうか。この映画になにもリアリティなど求めてはいませんが、それでも最低限の説得力は必要です。キャストと途中の出演度合を考えれば、自ら怪しい人物も見えてきますし、そういった点ではテレビの2時間サスペンスドラマ的でもあります。私にはつまらない映画でした。