●スター誕生映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

スター誕生映画 ベスト10

 

普通の人から大スターへ。

スターが生まれていく過程を描いた映画の特集です。

 

1 ドリームガールズ

音楽音楽で観終わってお腹いっぱいの満足感を味わえる、そんなミュージカル映画です。舞台となっているのは皆が憧れる華やかな音楽界。ミュージカル映画を楽しむにはこのようなゴージャスな夢の世界がぴったりです。栄光と挫折、出会いと別れ、友情と仲間割れ、嫉妬に裏切り…様々な思惑や野望がうごめくショービジネス界のドラマを、迫力ある音楽に乗せて映し出すことで、2時間あまりの間、夢の中に引き込んでくれます。展開されているドラマそのものは決して目新しいものでもないですし、描かれ方もそれほど繊細なものでもないのですが、ドラマと素晴らしい音楽、そしてキャストの熱演の相乗効果によって、見事なハーモニーを示し、一級のエンターテイメントに仕上げてくれました。

 ドリームガールズ

 

2 イヴの総て

アン・バクスター演じるイヴの変わりようは恐ろしく、芸の世界の凄まじさというものを感じさせられた印象的な作品です。ハリウッドが描いた演劇界の内幕ということで、清楚で賢く気が利く女性の腹の中は最初から真っ黒で、利用できるものは欺いてまでもすべて利用するという世渡りにはゾッとするものさえ感じさせられます。そしてくたびれた感じのデイヴィスがまたいい味を出しています。一見性悪に見えた女優だが、実は一番自分に素直であったということですね。テーマからすると邪道ですけど。

 イヴの総て

 

3 スタア誕生

美しき夫婦愛を華やかな栄光とその対極にある挫折の対比によって描き出す、ミュージカル性の強いドラマです。夢見る娘が映画スターに見出されて看板女優にまで上り詰めて行く前半、そのスターと結婚するが上り詰めた妻とは逆に落ちぶれていく後半、まったく逆のカーブを描く夫と妻を見事な対比で描いています。しかしその中でも、自分を引き上げてくれた夫に対し、どんなに落ちぶれ醜態をさらしても愛で支え続けるけなげな姿が共感を呼びます。最後は悲劇的な結末が待っているのですが、気丈に人前に出て行く姿にまた感動を覚えます。ハリウッドの光と影をメインに打ち出してはいますが、その中で何があっても揺るがない夫への感謝と愛情を描くことで、ハリウッドらしい豪華絢爛なミュージカルとドラマが融合した作品に仕上がっていました。

 スタア誕生

 

4 キネマの天地

いろんな映画を見た後に松竹の撮影所を舞台にしたこの映画を観ると、映画に対する大きな愛が感じられてくるのです。特に渥美清演じる主人公有森也実(これがまた初々しい!)の父親の気持ちがとっても優しい!戦前当時に娘を女優にするということは、たいへんな思いのはずなのですが、それを健気に一生懸命心配し応援している姿は、可愛らしいとさえ思えてきます。そのほか監督から裏方から映画館主から皆が皆映画が好きで仕方ないという愛に満ち溢れ、さすが当時の松竹が全力を注ぎ込んだだけのことはあります。キャストも凄いですね。当時はまったく気づきませんでした。まだ演技では拙い有森ですが、周りにこれでもかというほどの芸達者を集め、映画の中でも実際でも新人の彼女を支えているのです。この映画、こんないい映画だったのかと、今回観て初めて認識されました。

 キネマの天地

 

5 カバーガール

ナイトクラブのコーラスガールがブロードウェイのスターに。スターへと上り詰めていくサクセスストーリーとともに、ロマンスもふんだんに盛り込んだミュージカルムービーです。ところどころ笑いも挟みながらも、華やかで娯楽性豊かな夢と憧れあふれる映画になっています。この設定では定番ともいえる愛と出世との狭間でゆれる男女を軸にストーリーは進んでいきますが、映像も鮮やかでメールを見張るものがありました。

カバーガール 

 

6 バーレスク

圧倒的なクリスティーナ・アギレラの歌唱力がすべて。映画も歌うシーンは全部ステージ上でのパフォーマンスで正攻法に彼女の唄を聴かせることで、この映画で何を見せたいのかというのを明確にしています。とにかく彼女の存在感を立たせることが第一。ストーリーはそれこそとってつけたようなどうでもいい展開なのですが、中途半端にこねくり回すよりも、その分ステージをきちんと見せた方が得策ということで、その方向は成功したと思います。さらにストーリーの中でも、結局は彼女の好感度を上げるばかりで、まさにおいしいことばかり。案外演技の方もそつなくこなしていましたしね。その意味では、アギレラのための壮大なプロモーションビデオといってもいいぐらいでしょう。絶大な人気を誇る歌手の多くが、一度は映画の話に乗って作品を制作するということがままあるのですが、しらけてしまったり、他のキャストに食われてしまったりということがわりとあります。しかし今作についてはそれもなく、まずは成功したといえるのではないでしょうか。

バーレスク 

 

7 アーティスト

昇り詰める女と堕ちていく男、サイレントからトーキーへの移行期の映画界を舞台に、その対比を描いた作品です。改めて映画の魅力を伝えるという意味でも意義のある作品だと思います。俳優陣も魅力的で、ストーリーも入り込みやすく、ラストもなかなか素敵。ただプラスアルファの感動とか感心とかにまでは残念ながら結びつかなかったです。

アーティスト 

 

8 TINA ティナ

伝記映画なので実際にあったことを映画にしているのであろうから、よくある展開に文句をつけてもしかたのないところですがが、それにしてもありがちな展開。音楽好きにとっては音楽がふんだんに使われていて、たまらないのかもしれないですが。全体的には平凡な可も不可もない映画といった印象に収まってしまっているのが残念でした。ただし、アンジェラ・バセットのなりきり演技はたいしたもの。迫力あるステージのシーンなど、まさに熱演でありました。

 TINAティナ

 

9 アリー スター誕生

この手の作品で実際のスター歌手が主演を務めるということもままあるのですが、今作はレディ・ガガが主演しています。何回か映画化されている『スター誕生』の焼き直しということで、ハードルは高かったかもしれませんが、敢えて肝心なところを説明せず、スキップして、前後のシーンで観る側に推測させる、ある意味不親切な編集が、正直なところ邪魔でした。そのせいで頭で考えてしまい、気持ちが入っていかないのです。ブラッドリー・クーパーが自分の才を世の中に知らせしめたいという、気負いを感じてしまいました。それでもレデイ・ガガの歌唱は十分に楽しめました。

 

 

10 グリッター きらめきの向こうに

まさに、マライア・キャリーのために書かれたといっていい脚本であります。主人公には能力の面で一切否定したり、壁にぶつかったりすることなしに、とんとん拍子で成功への階段を駆け上がっていく様子は、すでにスターとなってしまった「女優」が演じているだけに、否定しようがないのです。