ショーン・ペン 出演映画 ベスト10
ストイックな演技派、一方で私生活は波乱万丈。
監督も何作かしていますね。
1 ミスティック・リバー
暗いどんよりとした気分になってしまうドラマですが、映画としては見応えのある作品になっています。ミステリーの形をとりながらも、家族の愛・友情がどのような形で壊れ、または絆を深めて行くのか、様々な形でじっくり見せてくれます。何が正しくて何が誤りか、善が必ずしも幸せではないというところが、どんよりとしたものの原因があるのだろうが、なんともやるせない結末です。さらに演技派を集めたキャスティングも豪華で、その中でショーン・ペンは娘を事件で失う父親を繊細に演じています。クリンイ・イーストウッド監督の傑作です。
2 I am Sam アイ・アム・サム
またショーン・ペンのくさい演技を見せつけられるのだろうという斜に構えて観に行ったらこれがとんでもない。最初からスクリーンに釘付け。ショーン・ペンの演技も自然でし、嫌味がありません。それ以上に子役のダコタ・ファニングの愛らしさ。これだけの愛を示されれば誰でも手放したくはないだろうという納得の演技。今後が楽しみな新人だと、当時は思ったものです。ともすると現実離れした設定に辟易してすることも考えられましたが、そんなことを気にさせないくらい打算のない純粋な気持ちに、さすがに心が動かされます。知的障がい者を一見差別的に描いているようでもありますが、一途に父親を愛する子供の前ではそんな穿った観方が恥ずかしくもなってくるのです。
3 カジュアリティーズ
デ・パルマ作品にしては強いメッセージを込めた真面目な作品。とはいっても、エリックソンが狙われるシーンでは、彼特有の長回しとなめる様なカメラワークで、サスペンス感を盛り上げているなど、らしさも垣間見られます。狂気の中で理性を保ち続ける主人公を演じるマイケル・J・フォックスと、狂気へはまりこんでいく軍曹を演じるショーン・ペンの対照的な演技がやはり見所。そして戦争の中で人間らしさを失っていく人物の極をペン、失わない極をフォックス、そして残りの3人を間に挟んで、グラデーションのようにその度合いを変えてキャラクター付けしているところがまた心憎い。
4 21グラム
時間軸を時々わざとずらし、未来の様子をところどころ挟み込む凝ったつなぎ方をしているが、それほど混乱することなく観られました。終始重い空気が流れる心理ドラマが展開されますが、3人の熱演により、飽きさせることなく最後まで物語の行方に引き付けられます。もっとも最後の終わり方は、わざと続きを観ている者に想像させるような形に持って行っていますが、ややすっきりしない物足りなさが残ってしまったのは残念。とはいいつつ3者それぞれが別の形で家族と別れていくのだが、その対比の描き方が興味深い作品でした。心臓移植を受けた数学者という設定の主人公をショーン・ペンが演じています。
5 ステート・オブ・グレース
最初から最後まで緊張感を保ち、ギャング映画としての命綱を確保。主演のショーン・ペンをはじめとする曲者ぞろいの男優陣の演技合戦もその緊張感をさらに増長させています。気を衒ったストーリーでなくても、見応えあるオリジナリティの感じられる作品に仕上がっていました。結末は途中からだいたい予想はつきますし、実際その通りになるわけですが、それがマイナス効果になることもなく、渦巻く人間関係を丁寧に描き切っていて最後まで引き付けられました。
6 L.A.ギャングストーリー
ショーン・ペンはギャング映画が似合いますね、やっぱり。さてこの作品はギャング映画としてはわりと構図がシンプルで、「正義感あふれる刑事たち」対「カリスマボスに率いられた強力ギャング団」という形で終始展開していくので、この手のものとしては非常に分かりやすかったです。その分個性的で濃い面々が刑事側を演じることで、繰り広げられる男臭いドラマを堪能することはできました。内容的にはギャング映画によく出てくるプロットばかりなので、新鮮味とか衝撃性などという部分は薄いものの、正統派ギャング映画としての醍醐味は味わうことができます。深みはないけれど、あまり考えずに単純に楽しめる、そんな位置づけのギャング映画ということですね。
7 フェア・ゲーム
ショーン・ペンとナオミ・ワッツの糸が張りつめたような夫婦間の演技合戦に、観ている方にもピリピリした空気が伝わってくるようでした。実話に基づいているということで、映画的な演出や脚色は最低限にし、リアリティを重視した編集になっていた分、展開が大きく動き出すまではやや単調な印象もありました。しかしながら後半からはぐいぐいと惹きつけられていくように、二人の演技に引きずり込まれました。それとともに、国のために命がけで働いても、ちょっと不都合なことがあればすぐに見捨てられ、国は何も守ってくれない、そんなところを見ていると、いろいろ考えてしまうことも多かったです。
8 ギター弾きの恋
ショーン・ペン演じるギター弾きと、サマンサ・モートン演じる口のきけない娘とのせつなくもやるせない恋を描いたウディ・アレン映画です。不器用で破天荒、破滅的な生活から抜け出せない主人公と、彼を献身的な愛で包む娘、しかしその終わりはあっけなく訪れます。サマンサ・モートンの演技が光る作品でした。
9 カリートの道
アル・パチーノのギャングものといえば当然ゴッドファーザーを思い浮かべるわけで、それに真っ向から勝負しようとしたのかどうかはともかく、ブライアン・デ・パルマの意気は感じました。ただ結果としてはややスケール感に欠けるものになってしまった印象です。とはいうものの、ゴッドファーザーとは異なり、より人間的なギャングという設定は、ゴッドファーザーの冷たい怖さを持つパチーノとは全く違うキャラクター。愛する女もただ一人で、しかも友情も大事にし、自ら裏切ることはしません。そういった点で、ギャングものではあっても、より温かみを感じる映画になっているのであります。またショーン・ペンが言われなければ気づかないような変身ぶりで、コカイン塗れの弁護士を演じていることには驚かされました。
10 デッドマン・ウォーキング
死刑制度について意義を問おうする重いテーマを含んだヒューマン・ドラマです。改心するきっかけをつかめたときには、既に死刑執行直前。少しずつですが、シスターに心を開いて行く死刑囚の様子、心のやりとりがドラマの主軸として描かれています。死刑旬のショーン・ペン、彼を支えるスーザン・差ランドン、二人の演技にも見るべきところがあります。けっして楽しい映画ではないが、いろいろな取り方ができる作品でもあります。
11 ザ・インタープリター
12 ゲーム
13 ミルク
14 シーズ・ソー・ラブリー
15 タップス
16 シン・レッド・ライン
17 オール・ザ・キングス・メン
18 ツリー・オブ・ライフ
19 リチャード・ニクソン暗殺を企てた男
20 LIFE!