●松たか子 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

松たか子 出演映画 ベスト10

 

映画に舞台に音楽にと幅広く活躍し、

もはや大物女優の風格が漂っている松たか子さんをとりあげます。

 

1 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

多少怠けぐせはあっても優しい息子と、息子第一で自分の生活を捧げてきたオカン、その二人の関係が心に染み入ってくるような優しい映画です。息子に対し思いっきり愛情を注いで頑張ってきたオカンが年を取り次第に弱っていく中、それでも息子が活躍姿に喜び、息子のしてくれたことに嬉しがる姿。最後の方で、慕ってくれる皆のために苦しい治療を受けようとしたオカンが、あまりの苦しさに治療をやめたいと言います。その時初めて、息子とため、夫のため、みんなのために生きてきたオカンが自分のために自分から決断したことのように感じ、とても切なくなりました。主人公の新しい彼女役で松たか子は出演。

 

 

2 THE 有頂天ホテル

次から次へと出てくるキャラクターが登場し、シーンが目まぐるしく動いていくので2時間16分があっという間です。複雑にからみあった人間関係がうまくまとまっていて、三谷の脚本はさすがという感じです。豪華キャストももちろん魅力ですし、それぞれがそれぞれの役割を果たしています。人を選ばず老若男女楽しめる娯楽作品でしょう。松たか子は議員の元愛人であるホテルの客室係を演じています。

 

 

3 告白

もともと評価の高い原作だけに、ストーリーはお墨付き。あとは演出と演技ということになるだけに、癖の強い中島監督がどう処理するかというところが大きな興味でしたが、ぐいぐいひっぱっていく前半から中盤までの流れは見事で、完全にオリジナリティあふれる世界を構築していましたね。松さんとしては当時珍しい役どころですが、思った以上にはまっていて、冷静さの中にも強い意志をしっかり表せていたかと思います。圧巻でした。

告白 

 

4 マスカレード・ホテル

原作が東野圭吾ということで、その点でまず安心。映画化の実績が多く、いずれもちゃんとしたものになっているからです。そして今作も、殺人事件捜査を主軸にしながらも、単なるサスペンスやミステリーとして終わるのではなく、事件の捜査とは関係ない客とのエピソードを挟むことで、ホテルマンとしてのプロ意識と矜持を浮き彫りにする人間ドラマとしてもきちんと見せてくれるのです。キャストも豪華。ちょっとだけしか登場しないお客様役も含め、ホテル側、刑事側もそうそうたる面々。その中でも松たか子の老婆の変装姿も、1回目に登場した時にはわかりませんでした。原作の魅力を損なわずに、よくまとめたし思います。

 

 

5 小さいおうち

戦中当時としては比較的裕福でモダンな家族の中の秘められた恋。その秘密を一生背負って生きた一人の女中。いわゆる山田洋次的な世界とはやや趣きの違う印象で、新鮮な印象を受けました。もちろんお得意のある「家族」を舞台に描いてはいるのですが、家族の繋がりとか絆とかよりもそことはずれた箇所が物語の軸になっているというところに因るものかもしれません。松たか子演じる時子さんの行動は、当時としてはかなり「進んだ」女性だったのでしょう。彼女の葛藤のような部分の描写がいまひとつ伝わらなかったところはありますが、でもメインはやはりタキさんのとった行動。彼女の行動が違っていたら、また違う結末になっていたのでしょうか、それは分かりませんが、少なくとも彼女自身の人生は変わっていたかもしれないと、そんなことに思いを巡らしたくなるような最後でした。

 

 

6  K-20 怪人二十面相・伝

面白くまとまっていたように思います。架空の街を舞台にしていて、時代も古いのか新しいのか、観る者の想像に任せるような設定、華族を中心とした明治時代から戦前のような雰囲気を持たせながら、SF映画に出てくるような装置が出てきたり、そのあたりの感覚は興味深かったです。飛んだり走ったりと金城武もアクションに頑張っていまし、その一方で全体的にコミカルな味付けでところどころに笑いも散りばめられており、娯楽作として充分に楽しめるものにはなっていたでしょう。特に松たか子のお嬢様ぶり、おそらく意識的にぎこちない感じを出していたのだと思いますが、言葉遣いにしろ、仕草にしろ、わざとらしさが笑いを誘いました。

 

 

7 隠し剣 鬼の爪

山田洋次・藤沢周平3部作の中では一番時代劇らしいメリハリのある作品になっています。武士としてのプライドを描いている部分は同じですが、ストイックなところはやや薄く、正義感の強い正統派ヒーローを永瀬正敏が好演しています。そこに松たか子演じる百姓の娘との恋愛劇も織り交ぜて、娯楽作らしい正攻法の時代劇として楽しめました。

 

 

8 泣き虫しょったんの奇跡

当時はマスコミにもいろいろと扱われた、30代でのプロ棋士挑戦の物語を、将棋ブームに乗じて、この機会に再びこんなことがあったと世に知らしめようといったところでしょうか。大まかなストーリーは有名なので、知識をなぞっているだけのようなところはありましたが、それぞれの時代のエピソードについては興味深く観ることができました。その時代、その時代で瀬川氏を支える人たちがいたことが、最終的にプロになれたというところに繋がってきたのかもしれませんし、それを得たのは彼自身の純粋さ、人間性に因るものともいえるかもしれません。松たか子は担任教師役。

 

 

9 四月物語

岩井俊二らしい映像で、どうということのない上京した新大学生(松たか子)の生活を切り取っているだけなのですが、見せ方が非常に上手で、どこか懐かしく思わせる雰囲気を持っています。これから始まるであろう東京での新しい生活をどう送っていくのか、想像を膨らませられます。

 四月物語

 

10 ジヌよさらば かむろば村へ

松尾スズキ特有の理論的でないシュールさは出てはいたものの、いつもに比べるとどこか中途半端。お金恐怖症だとか、指名手配されているのに村長になって目立ってしまうとか、真犯人が身近にいながら突然自首したり、ほかにも多々よくもこんな状態で平穏に人間関係を保っているなということばかりで、とにかく嘘くさいのです。しかもその嘘があまり笑いに繋がっていないのが、脚本のセンスの悪さを感じます。個性的な面々が楽しそうに演じているので、会話を楽しむという意味では十分なのですが、全体の流れとしては破たんしている感じでした。村長の妻役で松たか子は出演。