小池栄子 出演映画 ベスト10
今やすっかり演技派女優さんです。
1 八日目の蝉
親子の繋がりとはいったい何なのだろうか、そんなことを改めて考えさせられる作品でした。血の繋がりがあっても母親らしいことを何もしてあげられない女、自分の産んだ子供でなくてもそれ以上に深い愛情を全力で注いだ女、そしてそんな二人の母親の想いを売れながらいざ自分が母親として何をしてあげられるのか分からない女。しかしその背景にある不幸な出来事がより構図を複雑化しているわけで、いったい誰が加害者で誰が被害者なのか、それぞれの胸の内を思うとせつなくてとてもやりきれなくなりました。映画として、観ている者の心を揺さぶる力の強さを感じました。良い出来だったと思います。キャストについても、華がありながらもきちんと演技のできる俳優を配してあり、そのあたりにも作り手の姿勢を感じ取ることが出来ました。中でも小池栄子の演技が素晴らしく、彼女の作品の中でも出色の出来。
2 空飛ぶタイヤ
登場人物が多く、キャストもなかなかの豪華メンバーにもかかわらず、きっちりと分かりやすい構成で、すんなりついていくことができます。架空の話ではありながらも、実際に起きた事件でないかと思われるリアリティもあり、ぐいぐいと引き込まれていきました。遺族、銀行、従業員、家族と責められる中、一瞬お金に揺らぎながらも、結局は最後まで信念を通し続け、巨大な力に抗い続けた主人公の姿は実にかっこいい。社長に最後までついていくと言って転職を断った若者たちの姿もまた感動もの。そこに内部から告発しようと左遷されたり不当な扱いをされながらも尽力した少数の社員、安易に融資を行わなかったグループ銀行の担当職員の意思も加わって、リコール隠しを続けたきた巨大な力が倒れ始めたことは、観ていてそう快感さえ持ちました。小池栄子は週刊誌記者の役。
3 下妻物語
当ブログでも多数取り上げてきましたが、色使いやファッションで表現した独特の世界観と深田恭子&土屋アンナのキャスティングが見事にはまった作品です。その中に女性の友情を盛り込んで、単なるコメディでない感情にも訴えるストーリーに仕立て上げたことで、佳作に仕上がりました。小池栄子はレディース暴走族の頭を演じています。
4 北のカナリアたち
北の厳しい環境を生かした「濃い」人間ドラマが手堅く描かれていて、それなりに見応えあるものにはなっていました。特に生徒6人のキャスティングには力が入っていましたね。これから邦画界を背負っていくと当時思われていた実力派の主役級若手俳優6人が一堂に会するシーンはなかなかのもの。6人の共演だけでも観る価値はあるかもしれません。阪本順治と吉永小百合が組むとこんな映画になるのでしょうね。不倫に苦しむ人妻を小池栄子が演じています。
5 ライアー・ゲーム-再生-
登勢ラマに続き映画でも2作目ということで多少新鮮味が欠けてくるのは仕方ないところですが、また新しいゲームを仕掛けてきてくれるので、今作についても面白く鑑賞することができました。1作を通じて同じゲームをしながらも、1回1回全く狙いも優劣状況も変わってくるので全然飽きませんし、秋山が負けないことは分かっていても、どういう形で決着がつくのか展開も読めず、まったく目を離せません。ゲーム参加者のキャラクター付けについては、もう少し工夫の仕方があったようには思いますが、オーバーな表現も含めて、この作品の世界に求めるものは大部分満たしてくれていたと思います。参加者の一人として小池栄子も出演。
6 許されざる者
日本の時代劇が西部劇にアレンジされたように、西部劇を時代劇に「置換」されても、違和感はありませんでした。しかし、プラスアルファを生み出すことにはならず、結果として秀作をただ日本風に置き換えただけで終わってしまったのは、監督、キャストのメンツを考えると残念です。オリジナルのストーリー自体は大きく変えていませんので、それなりの物語としては観ることはできます。けっしてつまらないということもないですし、演技も安定感があります。ただ逆に言うと、オリジナルに縛られてしまうということもあったのでしょう、冒険心とか思い切りとか大胆さに欠けてしまい、無難、手堅いといった域を出ることができなかった印象なのです。小池栄子は女郎役。
7 SUNNY 強い気持ち・強い愛
ドラマそのものよりも、90年代という時代感を表現することに力を入れた印象が強く、音楽や流行のファッションや言葉をふんだんに入れ込んだあたりは、ややあざとさも感じてしまいました。そして同じ場所で同じ時代を過ごした仲間たちも、月日の経過とともにそれぞれいろんな人生を送っている姿を見せることで、それぞれが別々の道を歩き出した時間の長さ、そして過ぎ去りし青春の日々の楽しさ、そんなものを叙情的に訴えるようなところも、かなり狙ってきたなと思わさぜるを得なかったです。とにかく女子高生が良くも悪くももてはやされ、流行文化の中心にいた時代、今のおとなしい女子高生たちと比べながら、そんな時代を懐かしむにはいい映画でしょう。豊胸手術した仲間の一人役で小池栄子は出演。
8 恋愛寫眞 Collage of Our Life
監督が堤では真正面からのラブ・ストーリーを作るはずがなかったですね。宣伝に騙されてしまいましたが、小池の怪演がロマンチックな雰囲気を壊してしまって、思わず苦笑いしてしまったほど。もちろん小池のせいではなく、映像でもいらないテクニックでムードを壊してしまうようなことを平気でする監督の責任なのではあるが。それさえなければ、松田龍平も悪くないし、広末涼子は完璧。男が振りまわされるのもよく分かるし、演技も上手い。それだけに100%正攻法のラブ・ストーリーに仕上げてもらいたかった思いはあります。ただ小池栄子にとっては、演技におけるひとつのきっかけになった作品ではなかったでしょうか。
9 グッモーエビアン!
中学三年生というデリケートな時期、血の繋がらない母親の恋人との関わりを通して、成長していく姿と、新しい家族が出来ていく様子を、笑いあり涙ありで描いた、好感の持てる家族映画になっています。好き勝手奔放に生きている姿、一方で家族思いで人情味あふれる温かさにも魅力を感じ始め、素直に彼を受け入れることのできない揺れる気持ちがストレートに表現。両親が離婚し転校することを言いだせなかった親友との別れのシーンは、ちょっとほろりと来たりもします。ひょうひょうとした大泉のキャラクターを生かし、ちょっと素敵な映画として観ることが出来ました。子供の担任役で小池栄子は出演。
10 接吻
小池栄子が主演を務め、主演女優賞を獲得したりと、女優としての評価を高めた作品です。ごく平凡なOLが獄中の殺人犯に興味を持ち、彼の生い立ちを知る中で惹かれていくという独特のストーリーではあり、なかなか主人公に共感するのが難しい作品ではありましたが、特異な世界観の中に見事はまる演技を見せてくれました。
11 20世紀少年-第2章-最後の希望/-最終章-ぼくらの旗
12 人生の約束
13 テラフォーマーズ
14 パーマネント野ばら
15 2LDK
16 ちょっと今から仕事やめてくる
17 RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ
18 人の砂漠
19 乱暴と待機
20 犬猫