ジュリー・クリスティ 出演映画 ベスト10
超ベテラン女優をとりあげます。
1 ドクトル・ジバゴ
ロシアを舞台に妻と愛人との二人への愛を中心に、革命戦争の激動の時代を生きる医師かつ詩人の一生を追う壮大なストーリーはスケール感のあるドラマです。3時間を超える見応え十分のボリューミーな作品ですが、ジュリー・クリスティは愛に翻弄されるヒロインを熱演しています。
2 赤い影
霊感のある目の不自由な老女に「命が危ない」と言われ続ける中で、その運命から逃れられずに、悲劇へと進んでいく夫。ベニスの街並みと水を効果的に映像に使い、迫りくる運命、逃れられない運命への恐怖を、本人以上にその妻、そして観ている者へと煽るような作品となっています。一方で夫婦の営みのシーンでも有名なこの作品、リアルなベッドシーンは、このホラー作品の中においては、温かみが差し込むシーンでもあります。他方で娘の死に際すシーンを水と赤い色で何回もフラッシュバックさせることで、強く印象づけ、特に赤の色は強烈なインパクトを残します。映像で硬軟とりまぜて、個性的な作品になっていました。ジュリー・クリスティは主人公である人妻役。
3 ネバーランド
話としてはいい話に間違いないでしょう。映画としても良い映画といえると思います。ただちょっと偽善的過ぎる感じもして、今一歩のところで話に入り込めなかったのも事実。ジョニー・デップが善人の主人公というのも、ある意味珍しい感じもしますが、家族みんなで見ることができ、誰にも薦めることが出来るという点では文句のない映画でした。ジュリー・クリスティは社交界の名士の夫人役。
4 天国から来たチャンピオン
5 ランナウェイ/逃亡者
キャストは豪華。ベテラン陣が集まってかつての過激派を演じるというストーリーは、どこか同窓会のようでもあります。しかし特にレッドフォードのふけ具合は年月を感じさせます。邦題は無個性でどうかと思いますが、若手も絡んで、そこそこ面白く観られる作品にはなっていました。ジュリー・クリスティはテログループのメンバー役。
6 遥か群衆を離れて
ジュリー・クリスティ主演。3人の男との間で巡り巡ってようやく本当の愛にたどり着いたという一人の女性。壮大な農場に壮大なラブストーリーが重なって、なんともスケール感のある愛の物語になっています。観ている方にとっては、「その男じゃないでしょ」という相手とばかり結ばれていくヒロインにやきもきし通し。最後にようやく落ち着くところに落ち着いてほっとしました。
7 トロイ
スケール感は充分。だがやや長い。城を中心とする戦いがほとんどで、場面にあまり動きがないので、単純な決闘が繰り返されるだけの単調な印象も残ります。とはいいながら親子愛、夫婦愛、恋愛に名誉欲、恨みと様々な人間模様を折り込んで、あまりに有名な歴史物語を娯楽対策大作として仕上げた力は認めることができます。特に女性キャストに有名どころを使わず望んだ意欲も悪くないですし。特にダイアン・クルーガーの美貌は、スパルタからトロイへ連れ帰ってしまう理由として充分説得力がありました。ジュリー・クリスティは海の女神テティス。
8 ナッシュビル
有名な野外フェスティバルを舞台に、当時の社会、風俗、文化が如実に表れていて、その意味では今観ると面白い部分はあります。一方でアルトマン独特の群像ドラマにどこかついていけない部分があり、また肌でこの時代のアメリカの文化に触れていないこともあって、いまひとつ感覚的にピンと来ない部分はありました。人物も多すぎて、それぞれを把握することも難しかったです。ジュリー・クリスティは本人役で出演。
9 華氏451
異様な雰囲気の映画。SFと呼んで良いかどうか分からないですが、近未来の世界を描いたには違いないです。シュールな雰囲気もあって、うまくメッセージが伝わってきませんが、意欲は伝わってきます。本を焼く世界、いってみれば馬鹿馬鹿しいといえるのかもしれないのですが、マジメさは感じます。ただジュリー・クリスティのニ役はちょっと分かりづらかったかな。
10 アフターグロウ
交差する形での不倫劇です。ブラック・ユーモア的要素も含めて、奇妙な四角関係を観ている側は、本人たちが知らないことを知っているわけで、そんなところでも可笑しくも切ない物語。B級映画女優である人妻役でジュリー・クリスティは出演。
アカデミー主演女優賞を獲得した『ダーリング』はどうも作品として好きになれず、ランク外となりました。