●ダニエル・オートゥイユ 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

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まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

ダニエル・オートゥイユ 出演映画 ベスト10

 

フランスを代表するベテラン俳優です。

 

1 メルシィ!人生

長さも長くなく、小気味いいテンポでフレンチ・コメディらしい作品になっています。なんといってもオートゥイユの演技。個性的な役をいかにもそれらしく演じています。敵対する役のジェラール・ドパルデューとのやりあいが小気味よく楽しいです。そういうことで面白いには違いないけれど、ちょっと不自然な感じもあるのは、コメディならではということでしょうか。女部長はまたまじめな顔してなかなかおいしい役どころ。おもわず吹き出したくなるようなシーンの連続で、終始にやけながら見てしまう。多少の破綻は気にしなければ、軽く楽しく観られます。

 メルシィ人生

 

2 あるいは裏切りという名の犬 

野望と嫉妬と復讐心がうごめく男くさいバイオレンス・サスペンス映画。特にドパルデューとオートゥイユの対決は、緊張感がみなぎるひと時も目を離せない展開です。やや間延びしてしまう部分もあるにはあるのですが、邦題もセンス良く、熱いドラマに萌え。

あるいは裏切りという名の犬

 

3 マルセイユの決着(おとしまえ) 

リメイク版ということで、オリジナルのほうは知りませんが、60年代の雰囲気を表しながらも、現代的なエッセンスも入れ込んだフィルム・ノワールになっていたと思います。敵が仲間に、仲間が敵に、さらには刑事の意地も絡み合って、緊張感ある展開からは目が離せず、そして最後は日本の任侠の世界にも通じる、ギャングの世界ならではの「決着」のつけ方に圧倒されました。紅一点のモニカ・ベルッチがまた美しいこと。それほど好きな女優さんではないのですが、今作ではどんよりした空気の中、一点だけキリッとした華やかさを放っていて、作品のよいアクセントになっていました。主人公の大物ギャングを演じるのがダニエル・オートゥイユ。

 マルセイユの決着

 

4 そして、デブノーの森へ

なんといってアナ・ムグラリスの大人の色気と美しさ。一見清楚で、ところが大胆な官能シーンがなんとも作品そのものに妖艶な雰囲気をつけています。もちろん主演のダニエル・オートゥイユの男の色気もあるのですが。肝心のサスペンスとしてはわりと平凡ですが、雰囲気でラブ・サスペンスを楽しめます。

そしてデブノーの森へ 

 

5 フランスの女

長期で海外へ離れてしまう夫(オートゥイユ)に満足できず不倫を繰り返す人妻の話を、フランス映画っぽく、芸術的な雰囲気で正当化されてしまうような感じで描いています。決して明るい映画ではないですが、エマニュアル・ベアールの魅力もあって、飽きずに観られました。ちなみにベアールとは元夫婦。

 

 

6 見憶えのある他人 

前半はだらだらと退屈ですが、後半は一気に動き出して、皮肉な結末が待っています。精神科医とその患者達のやりとりがメインとなるだけに、どこか鬱屈したようなムードはありますが、ほとんど出ずっぱりのダニエル・オートゥイユが人間くさい医者を演じていました。悪役の丸刈り男が実に不気味で、終始異様な雰囲気を醸し出していて、スリラーの要素を盛り上げています。

 

 

7 世界にひとつの金メダル 

日本ではあまりなじみの薄い馬術競技をテーマにした作品ということで、オリンピックの馬術選手の挫折と成長を描いた正統派のスポーツドラマとなっています。選手本人と彼を支える家族や馬、馬主などとの秘めた思いや確執も含めて、いろいろな思いが交錯する中で、男として、選手として変わっていく姿が丁寧に映し出されていました。主人公に馬術を教える父親をオートゥイエが演じています。

 

 

8 八日目

どんなに演技派といわれる俳優が障害者を演じても、本物には叶わないというのが感想。そしてこれが演技でやっていることを知ると、ダウン症に対する偏見もかわってくるようなもの。やむを得ず同行することになった主人公との間に友情が芽生えていく過程は自然に描かれていますし、観ている側もアリーになった気持ちでジョルジュに入れ込んでいくことができます。温かい気持ちになれる作品でした。

 

 

9 隠された記憶

音楽が使われない演出で乾いた雰囲気が全編にわたって感じられます。不審なビデオを送り続けてくる見えない犯人と、不安と恐怖で亀裂が生じていく家族の、いわば心理合戦が、その乾いた雰囲気の中で強烈な緊張感となって伝わってきます。夫を責めて罵るジュリエット・ビノシュ演じる妻の苛立ちに、観ているこちらまでうんざりしてくるほどです。ところが、この作品では真犯人の答えは明かしません。それどころかヒントさえ出しません。おそらく答えは用意されていないのでしょう。スリラー作品としては、答えが明かされないのはどうにも気持ちが悪く、作り手側の意図だとしても、中途半端な気はしました。主人公の人気キャスターを演じるのがオートゥイエ。

 隠された記憶

 

10 橋の上の娘

ナイフ投げノ曲芸師(ダニエル・オートゥイユ)と出会って別れるまでの過程はなかなかいいのですが、最後の再会の場面はどうにも納得いきません。フランス映画らしい雰囲気とモノクロームによる効果が良かっただけに残念。