●知的障がい者を描いた映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

知的障がい者を描いた映画 ベスト10

 

繊細なテーマですが、映画でも時折扱われる題材です。

 

1 I am Sam アイ・アム・サム

最初からスクリーンに釘付け。ショーン・ペンの演技も自然でし、嫌味がありません。それ以上に子役のダコタ・ファニングの愛らしさ。これだけの愛を示されれば誰でも手放したくはないだろうという納得の演技。ともすると現実離れした設定に辟易してすることも考えられましたが、そんなことを気にさせないくらい打算のない純粋な気持ちに、さすがに心が動かされます。知的障がい者を一見差別的に描いているようでもありますが、一途に父親を愛する子供の前ではそんな穿った観方が恥ずかしくもなってくるのです。

 アイアムサム

 

2 Laundry ランドリー

リアリティを問われれば、それはほとんどないと答えるしかないですが、そうであっても充分心に浸透してくるものがありました。現代のおとぎ話といったところであろうか。自分勝手で「ありがとう」さえろくに言えない傷心の疲れ切った小雪演じる女性が、次第に表情が解きほぐれていく、それも少しずつ、迷いながら。それが伝わってきて、ほっとするようなラストシーン。窪塚の演技はやや過度に純粋に見せようという部分が見えてしまう部分もあって、必ずしも手放しで賞賛できるようなものではないですし、ストーリー的にもあまりにもリアリズムが不足している。このような欠点があるにも関わらず、ラストシーンには素直に感動を覚えてしまうのは、この作品が持っている力なのだと思います。

 ランドリー

 

3 くちづけ

知的障がい者の方々、或いはそのご家族の方々に対し、社会としてどんなケアが必要なのか、映像として感覚的に問題提起をしてくれたという意味では、大きな意義のある作品だと思います。作品として暗く沈みっぱなしにならないよう、ユーモアをあちらこちらに散りばめることで、健常者の生活同様に彼らのいる生活にも笑いも涙もあるんだよというところを示していたようにも感じました。ただ、あまりにもやるせない結末。他を捨てても一生面倒を見ていくと覚悟を決めたとしても、その自分が先に居なくなった時にどうすればいいか。結局のところ根本的な解決策を示すことができないままになってしまったのは、それが現実を反映されているということかもしれません。

くちづけ

 

4 マラソン

もっとくさい涙涙の泣かせものだと想像していましたが、思ったよりくすぐりどころもあって、爽やかな作品になっていました。確かに重い部分も多いのだが、我感知せずでひょうひょうとマイペースで生きている障害を持つ主人公がどこか可笑しくて、知らず知らずにスクリーンに引き込まれていく。とぼけた持ち味のコーチ役もいいアクセントになっていて、母親や弟たちが抱える重たい空気を和らげてくれています。それでいて物語としても面白みがあって、主人公や母親だけでなく、弟、コーチまでが主人公の存在のおかげで成長していく様子が描かれていて、こういう周りに対する役割こそが障害者の存在する意義ではなかろうかとも考えさせられました。

 

 

5 さくらんぼ 母ときた道

知的障がい者という映画にはありがちな泣かせパターンでどうかと思いましたが、まっすぐな血のつながらない娘への愛情が、やがては家族の心を動かしていく様子に強くひきつけられました。少女が成長し医大へと進学していくラストには拍手。

 

 

6 スリング・ブレイド

殺人を犯して入院していた知的障がい者が退院、少年との交流を深める中で,また殺人を犯すのではという緊張感を持たせてラストに流れる展開。抑えた雰囲気にも漂うスリル感はなかなかでした。ビリー・ボブ・ソーントンが熱演。

 スリングブレイド

 

7 奇跡の海

濃い、実に濃い。なんといってもエミリー・ワトソンの狂気と紙一重の演技は注目に値します。どこまでが愛で善意であり、どこまでが常軌を逸した行動なのか、その判断は実は観るものに委ねられていて、映画の中ではそれぞれの解釈があるだけで、明快な答はないです。宗教的な側面も色濃く出しながら、あまりに強い愛ゆえに招いてしまった悲劇の痛さを感じさせる作品。とにかくドキュメンタリーとも間違うようなリアルな生々しさで、痛烈な世界へ惹き込んまれていきました。

奇跡の海 

 

8 八日目

ダウン症の青年と、やむを得ず同行することになった主人公との間に友情が芽生えていく過程は自然に描かれていますし、観ている側もアリーになった気持ちでジョルジュに入れ込んでいくことができました。温かい気持ちになれる作品です。

 

 

9 僕はラジオ

キューバ・グッディングJr.演じる知的障がい者に愛嬌があり、人間ドラマなんだけれども、どこか微笑ましい暖かな作品になっています。次第に周りの人々が彼に引かれていくのも納得。実話ということで、説得力あります。

僕はラジオ 

 

10 神さまがくれた娘

インド版「アイ・アム・サム」的な作品。しかしそこはインド映画、ミュージカルシーンは欠かしませんし、立場の違う敵方があの手この手で妨害を入れてくるのもお馴染みのスタイル。そしてお決まりの形でハッピーエンディングかと思いきや、もうひとひねりしたラスト。最後に現実的な落としどころというものを加えてくるところに、めでたしめでたしチャンチャンだけで終わらない、作り手側の責任感のようなものも感じ取ることが出来ました。