古田新太 出演映画 ベスト10
貫禄十分の個性派俳優をとりあげます。
1 解夏
主人公が教え子からの手紙を読み聞かせられ、助けて上げられない無力さにむせび泣くシーンはこの映画のクライマックスであるといえるでしょうが、最も涙を誘うシーンであります。作品自体泣かせの映画なので、終始その方向へ持って行こうという演出に、やはり最後ははまってしまいました。すごく良心的な映画なのですが、ただ登場人物すべてが物分かりの良い達観した人物なのがちょっと出来すぎ感も。主人公の幼なじみの医師役で古田新太は登場。
2 毎日かあさん
「アル中」や「がん」を扱った作品にありがちな、観客の感情をむやみに煽るような過剰演出を極力避け、自然体の人間を見せることを主体にした方法には好感を持てました。小泉今日子は影のある役よりは、こういったあけっぴろげの役の方がはまるような気がします。自然に見せる演技が冴えていました。それと子供たちの素直で健気な演技も魅かれるものがありました。妙に上手すぎるということもなく、とにかくお父さんもお母さんも大好き!という気持ちがいっぱいにあふれていて、非常に好感の持てるものでした。けっして派手な内容ではありませんが、この家族の繋がりが素敵で、余韻の残る作品だったと思います。古田新太は友人の編集者役。
3 花よりもなほ
戦もない時代、貧乏ながらものんびりと和気藹々とした雰囲気の中で暮らす長屋の人々の笑いと涙で綴られています。大きなテーマは仇討ちの意味。その行為にどんな意味があるのか、この映画の中では終始盛んに問い続け、結局は周りの家族や仲間を不幸に陥れる連鎖に主人公は気付いていきます。対照的なあまりに有名な赤穂浪士の討ち入りのエピソードを入れ込むことで、主人公のとった行動の意義はより明確にされています。しかしこう書くとすごく重い映画のようにも感じられますが、実際にはかなり喜劇の要素が多い作品ではあります。なかなか豪華なキャストですが、木村祐一、上島竜平、トミーズ雅などお笑い芸人も多数出演しています。一方で芸達者で映画の主役級の俳優まで脇役で使う贅沢ぶりで、長屋の猥雑感も充分。古田もその一人。長屋仲間として出演。
4 東京ゾンビ
漫画が原作らしいナンセンスでシュール、それでいて愛のいっぱいつまった面白い映画です。一旦だれる箇所もあるのですが、きちんとしたオチもついて、ゆるいだけでなくしまりのある作品になっています。力の抜けた浅野忠信がなかなか良く、哀川とのコンビネーションも絶妙。東京がゾンビだらけになって、一部の金持ちだけが塀の中で暮らし、ゾンビと人間との対決を見て楽しんでいる未来図は、下手なゾンビ映画よりよっぽど面白いです。古田新太は主人公の連れでゾンビファイトの管理者役。
5 トキワ荘の青春
いかにも市川準監督らしく叙情的でストーリーよりも雰囲気を重視した作品になっています。古き良き時代、生活は苦しくても、同じ夢に向かって日々を切磋琢磨して生きていく姿を、懐かしさ漂う映像で観る者に訴えかけてくるようです。当時無名のキャストながら、その後映画で活躍するメンバーが揃い、そんな意味でも興味深い作品です。古田新太はトキワ荘に住む漫画家の卵の一人森安直哉を演じます。
6 シン・ゴジラ
日本映画としてはスケール感もあるし、カメオ的出演まで含めて、登場するキャストもかなりのボリューム。力の入れようがヒシヒシと伝わってきました。ゴジラの顔がいまひとつコミカルだったりとか、大杉漣演じる総理大臣がまったく自分の意志がなく頼りなかったりとか、どこか抜けているような部分もありましたし、放射能をレーザービームのように発するゴジラの姿は、どこか機械的で生物感を感じられなかったりと、必ずしも期待どおりなことばかりではなかったですが、それでも常に緊迫感のある中で奮闘する若き政治家たちの姿は、それなりにワクワクさせられるものはありました。警察庁長官官房長を演じたのが古田新太。
7 十三人の刺客
まさに三池節ですね。この監督がノーマルな時代劇などとるはずもなく、随所に持ち味を見せ付けてきました。ただしそのことは、逆に言えば好き嫌いが分かれそうな要素になるわけで、本格的で伝統的な時代劇を望む観客にとっては、邪道と感じてしまうかもしれません。エロ・グロ・ギャグもきっちり盛り込んで、現代劇のにおいはぷんぷんと漂ってきました。決闘のシーンに時間をかけ、ボリューム感としては十分あったのですが、最後のほうはやや単調になってしまった気はします。13人の刺客にこれだけのキャストを集めながら、それぞれの個性があまり発揮できなかったのもちょっと惜しい気がします。脚本面でも映像面でも美術的な面でも、もう少しキャラクターを生かせるような展開も欲しかったです。古田新太は槍の名手の浪人役。
8 20世紀少年－第2章－最後の希望
2作目ということですし、ちょうど真ん中の存在ということで、前回ほどの衝撃はなかったものの、次に続けるという意味では、まずまず楽しめるものにはなっていた。そして最終章がますます楽しみになってきました。キャストでは小池栄子の怪演が光ります。古田新太は春波夫役。
9 クリスマス・クリスマス
「ファンタジー保存協会」なる怪しい組織をメインに、中盤まではゆるゆるのコメディかと思いきや、次第に病気の少年を救うハートフルな物語へ展開し行き、最後は心温まるファンタジックな作品になっていました。設定としてはばかばかしくても、中身は意外に人情もので、ホロリとさせてくれました。倦怠期を迎えた同棲カップルが主人公なのですが、その女性側を演じる伊藤歩がとにかくチャーミング。少女役から大人の役へと移行する中で、いろいろ模索が続いている彼女ですが、今作では等身大の役柄で、とっても可愛らしく演じています。サンタクロースの姿には、思わずキュンとなってしまいました。
10 小森生活向上クラブ
貴重な古田新太主演作は風刺の効いたブラックコメディです。社会のダニを退治すべく集まった面々による制裁行為がエスカレートしていく様を描いています。原作の小説にはいまひとつ及ばなかった印象です。
11 DESTINY 鎌倉ものがたり
12 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS
13 20世紀少年－最終章－ぼくらの旗
14 サイドカーに犬
15 土竜の唄 香港狂騒曲
16 スープ ～生まれ変わりの物語～
17 エイプリルフールズ
18 信長協奏曲 (ノブナガコンツェルト)
19 1303号室
20 高速！参勤交代 リターンズ