竹野内豊 出演映画 ベスト10
反町隆史とともに、人気トップのイケメン俳優だった時代も
遥か過去に…
1 彼女がその名を知らない鳥たち
ダメな男、ゲスな男、それに対して男に振り回され振り回ししている女と、欠陥だらけの男女が織りなすどろどろの人間ドラマかと思いきや、警察が表れたところから、ミステリーの要素を強めていきます。そしてさらにそれが意外な展開になり、最後まで筋が読めませんでした。別れた好きな男(竹野内豊)を断ち切れず、一方で自分を好きな男の金で暮らし続け、それでいながら、さらに別のイメケンと情事を重ねる日々。相手によって態度を変え、好感を持ちにくい主人公を蒼井優が熱演しています。登場人物がみんな濃いキャラクターですので、ドラマ自体も濃密なものとして展開。見ごたえある作品でした。
2 孤狼の血
警察やくざの間の微妙なバランスの中での綱渡りの攻防。命を削り、法的に一線を超えながらも、堅気の人間が巻き込まれないようにということを第一に、無用な抗争を阻止しようとするベテラン刑事。その刑事の常軌を逸した行動に、スパイとして送り込まれた大卒の若手刑事の正義感との間での葛藤。やくざ同士の抗争だけでなく、警察内部での護身のための駆け引きや、警察とやくざの間でのギリギリの交渉。緊張感のある中でさまざまなドラマが織り込まれ、見どころの多い作品となっています。面白かったです。
3 ラストレシピ 麒麟の舌の記憶
戦中の満州国と現在を行き来しながら、国のためにレシピを開発しよう使命に燃えていたはずが、隠された陰謀から何もかも失ってしまった祖父と、両親を失い施設で育った、ともに天才料理人の数奇な運命を描いているドラマです。結果として自分のルーツを訪ね歩く形で、天才料理人の末期を追うストーリーは、ミステリー仕立てで、最後まで目が離せませんでした。そしてそこに差し込まれる、独創性の強く、しかも最高の食材でつくられた料理の数々。目の前でおあずけを食らっているようで、結構苦しかったです。ドラマは数奇な運命のつながりをを見せる形で、絡まった糸がほどけていくような心地よささえ感じるラストで、映画として面白く観られました。竹野内豊はひどい命令をする中尉役。
4 シン・ゴジラ
日本映画としてはスケール感もあるし、カメオ的出演まで含めて、登場するキャストもかなりのボリューム。力の入れようがヒシヒシと伝わってきました。ゴジラの顔がいまひとつコミカルだったりとか、大杉漣演じる総理大臣がまったく自分の意志がなく頼りなかったりとか、どこか抜けているような部分もありましたし、放射能をレーザービームのように発するゴジラの姿は、どこか機械的で生物感を感じられなかったりと、必ずしも期待どおりなことばかりではなかったですが、それでも常に緊迫感のある中で奮闘する若き政治家たちの姿は、それなりにワクワクさせられるものはありました。竹野内豊は首相補佐官役。
5 ニシノユキヒコの恋と冒険
ニシノユキヒコ(竹野内豊)の持つ力の抜けた感じを、セリフだけでなく映像全体で表現していて、リラックスして観ることができました。原作以上に脱力感を感じるものになり、疲れているときに観る映画としては、結構心地よかったです。猫がただただ体を舐める様子をじーっと捉えたり、何気なく一緒にいるところからいちゃいちゃが始まるまでを見つめたりと、長回しによって映画の中の余白のようなものを作り出している表現が面白かったですね。ともすると眠らせてしまう可能性がある手法なのですが、不思議と睡魔は襲ってこなかったです。それにしても年齢を問わないどころか、女性を好きな女性までも磁石のように惹きつけてしまうニシノ氏の魅力。だいぶうらやましいです。
6 人生の約束
竹野内豊主演作。オープニングの傲慢な態度でいきなりかまされましたが、友の死によって傲慢モードがいっきにヒートダウン。何年も自分を省みずに親友を解雇までしてしまう傲慢ぶりが、ちょっとの時間で、自己反省をし、部下への態度も180度変えてしまうような豹変ぶりはいささかとまどいも覚えましたが、この手のドラマとしては全体的には至ってノーマルな展開。家族もなく仕事にまい進してきた主人公と、それぞれいろいろなものを抱えて生きている人々。家族や職を失い病気を抱えあてどなく戻ってきた親友。まさに劇中にあったような「人生の踊り場」で過去と未来を同時に見渡して、さとこれからどうしようかと考える時間を作ってくれるような作品でした。
7 謝罪の神様
クドカン、確かに上手いです。それぞれ別々のエピソードのようで、時間も空間も場面場面で重なってきて、そのつなぎ方は絶妙。あー、こういうわけね、と時間の経過とともに少しずつ種明かしされていく脚本は、さすがクドカン、なのです。ただギャグがだいぶ子供っぽいし、ふざけ方がくどいし品がない、のです。大人が観るコメディとしてはどうなんだろうと思ってしまいます。巧みな構成力を見せながらも、幼稚な笑いでそれをかき消してしまうようなプラスマイナスの要素が、この映画ではうまく調和しなかったようです。竹野内豊は国際弁護士を演じています。
8 at home アットホーム
泥棒だったり詐欺だったり偽造だったりとそれぞれが犯罪行為で生業を立てているような犯罪家族かと思いきや、過去に傷を抱えた他人同士が偶然にも出会って家族の体で暮らしているという5人。本当の家族とは何か、家族に大事な者は何かということを考えさせられる作品になっています。夫のＤＶ、両親との不仲、性的虐待、前科…法律上は家族でも心の通っていない関係より、よほど家族らしい関係が築かれていた彼ら。擬似の母親でも誘拐され虐待されるのを見ると、黙ってはいられない…。一風変わったホームドラマではありますが、その実は結構奥深いものがありました。一家の父親が竹野内豊。
9 太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男
大場大尉(竹野内豊)の冷静な判断力と統率力、そして周囲の人々だけでなく敵方までも惹きつけてし
まう人間的な魅力、そういったものはきちんと伝わってきました。ただし、作品としては山場もなく、最初から最後まで単調。ただでさえみんな同じ格好に黒い顔で見分けがつきにくいのに、大尉以外のキャラクターの個性が弱いために、作品全体としての魅力が薄いのです。普通の戦争映画とは違い、敵との対立関係も弱いため、追い詰められている緊迫感もいまいちで、演出面でも物足りなさも感じます。結果として、せっかくの伝えたい主人公の偉大さも、凡庸な作品の中で弱まってしまい、惜しい出来栄えとなってしまいました。
10 さまよう刃
脚本、演出ともに難が多い作品に私は思えました。捜査の過程があまりにお粗末。警察が寺尾聰演じる主人公長峰の後追いをするような形で、都合のよい展開にしたかったのだろうと思いますが、携帯電話というものが日常的に使われている時代、真っ先にそこから捜査に手をつけていくというのが普通なのではないでしょうか。、まともに見せればものすごく深いテーマで、いろいろ考える機会を与えてくれる良い機会になったはずなのに、ほんとうに残念です。作り直して欲しいぐらいです。竹野内豊は刑事役。
