●寺尾聰 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

寺尾聰 出演映画 ベスト10

 

ミュージシャンとしても大ヒット曲を残し、

俳優としても確実に作品を残し続けるベテランです。

 

 

1 同胞 はらから

まさに昭和の農村の映画という感じで、ネットの発達していない当時は、都会の文化が直接こうした田舎に入ってくることもなく、それがどんなことかも知らないで多くの人々が過ごしていたはず。そんな田舎の村で、広い村の住民全部を集めて観劇会を行うというのは、当時の若者にとっては大きな冒険だったことでしょう。なにせ見たことすらないのですから。そんな若者たちが、なんとか公演を成功するために、何度も何度も話し合い、仕事の間に時間を見つけて一生懸命やる姿、そして初めて観る都会の演劇に喜ぶ村の人々の姿を見ると、やはり感激せずにはいられません。寺尾聰は農村の青年の一人として、公演の誘致に奔走するメインの役どころ。

 

 

2 黒部の太陽

映画の内容としては黒部ダム工事の中のトンネル工事に関わる苦労を描いたシンプルなものですが、3時間を超える上映時間のボリュームとリアリティ満点のセット、そして大勢のキャストやエキストラと、とにかくスケール感のある作品に仕上がっています。なかなか思うように進まない工事の中で、家族や恋人にも会えず、先の見えない任務にあたる人々の苦悩。さらには娘の死にも立ち会えない辛さ。そこに隠された人間ドラマのごく一部にもスポットを当てることで、重厚なドラマになっています。作業員の一人として寺尾聰も出演。

 

 

3 サトラレ

自分の心が喋らずとも周りの人々に“悟られ"てしまうという青年と、周りの人々との交流を描いた作品です。中盤までのくすぐりどころ、終盤の泣かせどころと、適当に散りばめられ,なかなかの佳作に仕上がっています。やや泣かせの場面で「これでもか」というところが鼻につくが、でも最後は感動的。寺尾聰は外科の部長役。

 

 

4 亡国のイージス

豪華キャストはなかなかの壮観。それぞれ別の立場に立った人間たちが任務を全うするために、ぎりぎりの選択を緊張感の中で何をどうしていくべきか、戦っている様子が熱く伝わってきます。最後は日本的な人情がらみの展開にじれったさを感じないではなかったですが、スケール感も含めてがんぱっていたと思います。寺尾聰は副長役。

 

 

5 日本の黒い夏 冤罪

松本サリン事件を社会派ドラマを得意とする熊井啓が映画化した作品。マスコミ、警察それぞれの立場をはっきりさせながら描く表現方法には、ただ真面目にテーマを語るだけでなく、最後まで飽きさせない力があります。犯人と疑われ、マスコミから追われる第一発見者を寺尾聰が演じています。

 

 

6 阿弥陀堂だより

北林谷栄の当時90歳を超えての抜群のユーモアセンスが引き立ちます。いかにも寺尾らしい穏かな主人公と樋口可南子演じるその妻、これも出来すぎと思えるほど仲の良い夫婦の中、抜群の存在感。田村高廣演じる胃がんの主人公の恩師や若い女性の難病との闘い=死と、96歳で生き続ける老婆、新しく宿る夫婦の子=生を対照させ、人間の生き方について語っています。簡単に言ってしまえばのんびり流れのままに生きていくのが一番だと。

 

 

7 博士の愛した数式

数学というものに対し興味を持ってくれるように丁寧に描いているのは好感が持てます。寺尾聰・深津絵里・吉岡秀隆・浅丘ルリ子…。キャスティングどおりの、まじめでしっとりと落ち着いた作品。終盤、道ならぬ関係だった義理の姉弟との感情的な展開がありますが、やや描写不測の印象も。

 博士の愛した数式

 

8 東京マリーゴールド

全体としては、あたかも田中麗奈のプロモーションビデオを観ているような感じ。イメージを大切にし、動きも穏かで,緩やか。ただただゆっくり主人公の思いの深まりを追っているような作品です。最後の別れの部分は、その情緒的なプロモーションビデオ的作りが、返って感傷を誘い,主人公にも、相手の男にも共感してしまいました。寺尾聰はその叔父さん役。

 

9 男はつらいよ 寅次郎の休日

前作に続いて、いやそれ以上に吉岡秀隆演じる満男をフューチャーした回になっており、寅さんはもう脇役で若い二人を応援する側に回っています。これもやはり年齢的なことがあるのでしょう。後藤久美子演じる満男のガールフレンドの両親との関係が軸となったストーリー展開で、シリーズの変化を感じる部分も大きかったです。その後藤久美子の父親を寺尾聰が演じています。

 

 

10 半落ち

法廷ドラマの形をとりながらも、中心は謎解きでなくそこに渦巻く人間ドラマ。脇役まで豪華キャストは魅力ですが、そこに込められた介護とその辛さという大きな問題を問い掛けていました。少なくてもこの映画では、苦しさから逃れる「死」については否定的で、厳しい判決を下しています。気になるのは検事も記者も弁護士も皆が最初は野心で行動しながらも、寺尾聡演じる主人公の心情を理解するとともに、世間に真実を暴くことを諦めて行くところ。その中で唯一情に流されない行動を見せた吉岡演じる若判事の厳しい判決が印象的。

半落ち