●年の差カップルの映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

年の差カップルの映画 ベスト10

 

年の離れたカップルの映画の特集。

20歳差以上を目安に探してみました。

 

 

1 お父さんと伊藤さん

リリー・フランキー演じる伊藤さんが実にいい味を出しています。一見頼りなさそうで、アルバイトを転々としているだけに見えるのですが、ここぞというときにはっきりしない親子を叱咤したり、頭を下げたりしながらも、いい方向へと導き、また困ったときには謎のつてを利用して、家出したお父さんの居場所を見つけ出したり。最後にお父さんが自分で老人ホームを見つけて出ていく下りは、あれだけ我儘を言い続けた父親であっても、やはりほろりとしてしまうシーンでした。カップル役のリリー・フランキーと上野樹里の実年齢差は23歳差。

 

 

2 恋と花火と観覧者

松嶋菜々子と長塚京三という、一見不釣合いで現実的でないような組み合わせですが、中年男から見れば自信に繋がってくるのかもしれないようなラブ・コメディ。ちょっと息を抜いてほっとしたいときに観るに適した映画でもありますが、やはりお父さんたちがちょっとした夢を見られるようにというための映画だともいえそう。実際の二人の年齢差は28歳ほど。

 

 

3 雪の轍

年の離れた夫婦を中心とした静かな人間ドラマ。3時間を超える長尺でしたが、出てくる人物みんなが何かしらの不満を周囲に対し抱え、そんな状態での会話劇は、カッパドキアの厳しい自然環境とあいまって、常に緊張感の漂う空気に包まれていました。裕福なものと貧しい者、それぞれ自分の事情を分かってもらえないことに鬱屈した思いを抱え、なんとか言葉で説得理解させようとしているのですが話は平行線のまま。特に歳の差のある主人公夫婦の間に流れる空気には独特のものがあり、今にも糸が切れてしまいそうな繊細なムードが、観ていて息が詰まるようでもありました。

 

4 ロリータ

これは純愛なのか偏執愛なのか。少女というには少し大人びたロリータに心を奪われた男の、その愛ゆえに起こしてしまった悲劇。そこまでに至る長い年月を描いた心理ドラマといえるかもしれません。そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、或いは都合のいい部分だけ利用していたのかもしれません。いやただ無邪気なだけか。とにかく振り回されて挙句別の男にさらわれ、見つけた時にはまた別の男と結婚。それでも彼女を憎むことはできない…。もしかしたらロリータを目の前にすれば、男なら誰にでもはまる可能性がある出来事だったのかもしれません。演じた二人の実年齢差は37歳差。

 

5 娚の一生

祖母と付き合って、そして孫とも…。親子ならともかく、実際にどんな年齢差なんだろうといろいろ考えてしまいますが、榮倉奈々と豊川悦司(実年齢26歳差)だから成立するというのはあるでしょう。話題になった足の指へのキスのシーンは官能的であるかどうかギリギリの線だったとは思いますが、榮倉の切なげな表情がなんともいえませんでした。子供を預かったり、台風の中隣の老婦人を助けたり、はたまた東京の親友が訪ねてきたりと、エピソードを交えながらも、これもまたひとつの恋愛の形であると、特に中年男には勇気を与える恋愛映画になったのではないでしょうか。

娚の一生

 

6 人生万歳!

ウディ・アレンの映画にはしばしば年の差のカップルが出てきますが、こちらは物理学者と世間知らずの田舎娘とのカップル。演じる二人の実年齢差は40歳差。作品を観ていればすぐにウディ・アレンの作品と分かるような、彼特有のユーモアとペーソスと皮肉の込められた会話劇です。従来のファンであれば安心して観られる映画ではないでしょうか。もう何年か前であれば、ボリスの役はウデイ・アレン本人が演じていたのではないでしょうかね。年の差の娘カップル、その父親と母親の夫婦、この2組のカップルが終わるころにはあらまぁびっくり。

 人生万歳

 

7 早春物語

アイドル映画としてはよくあった年上の男性へあこがれる背伸びの恋を描いたオーソドックスなストーリー。ただ年上側の年齢になって初めて観たことで、年下側から見るのとはまたちょっと違った思いで観ることができたかもしれません。恋に恋する、そして憧れと恋が分からなくなる…。そんな揺れる心が平凡な中からも伝わってきました。原田知世と林隆三、実年齢差は24歳。

 

 

8 昼下りの情事

クーパーとヘプバーンの年令差がありすぎて、普通のラブ・コメディとしてはどうも不自然な気がしてしまうのですが、でもこれがハリウッドなんですよね。二人の実年齢差は28歳。ただ設定もあまりリアリティがないので、これはこれで映画の世界としてはいいのかも。

 

 

9 エレジー

30歳も離れた男女の恋愛、男目線でいうと、ある意味羨ましい話ではありますが、ハリウッドの映画の中では昔からさほど珍しくない話。初老の大スターが若手女優となんとなく恋仲になるなんて、普通にありますからね。ベン・キングズレー、こういった役はぴったりですね。変に紳士然としたロマンスグレーの俳優よりは、精力絶倫風のキングガレーの容貌のほうが、若い子相手の恋愛にも案外説得力があったかもしれません。それからペネロペ・クルス、今作でもペロリとサービスしてくれています。

 

 

10 ラスト・ラブ

田村正和が田村正和を演じる田村正和ファンのための映画という本質を受け入れられれば、それはそれで面白いのではないでしょうか。普通の俳優が演じたリアリティある恋愛映画を期待すれば、突っ込みどころ満載の、浮きまくりの作品に感じてしまうでしょう。しかし、これは俳優田村正和を楽しむための映画だと割り切れば、十分に田村正和を楽しむことができます。相手役は伊東美咲。実年齢差は34歳差。

 

 

そのほか『白いカラス』ニコール・キッドマンとアンソニー・ホプキンスの30歳差、『オータム・イン・ニューヨーク』のリチャード・ギアとウィノナ・ライダー22歳差あたりが思い浮かびます。女性の方が上というパターンでは『愛を読むひと』で設定での差が21歳差。ほかにも数多くありそうです。

 

20歳差未満にまで広げると、さらに作品の数は格段に増えますので、いくつか列挙しようとしましたが、キリがないので、ここまでにしておきます。