精神科医・精神分析医の映画 ベスト10
心理描写を描くことの多い映画では、
精神科医、精神分析医も多く登場します。
そんな精神科医が主人公やヒロインの映画特集です。
1 サイド・エフェクト
謎が謎を生み出す展開は最後まで目が離せませんでしたし、仕事熱心でしたことから窮地に陥った精神科医がその窮地からどう逆転していくかという復讐劇としても見応えがありました。精神的に追い詰められた悲劇の未亡人とみていたヒロインが、一転してその裏の顔が明らかになると、ルーニー・マーラの見え方も違ってくるから不思議なもので、彼女も病的で繊細、闇を持った女性のイメージがはまりつつありますね。
2 フォーチュン・クッキー
使い古された「入れ替わり」コメディなのですが、これがなかなか面白い。精神科医で真面目な母親ととんでる娘が入れ替わったことによるギャップが上手に処理されていて、笑いどころも豊富。加えて家族の温かさにも触れていて、家族で観るにも適したさわやかな物語になっています。
3 薔薇の素顔
ミステリアスな少女の患者に翻弄されるブルース・ウィリス演じる精神分析医。医者としてこれはどうかとは思いながらも、ついつい引き込まれていく独特の世界。彗星のように現れて、あっという間に消えてしまったジェーン・マーチがとにかく印象的。
4 インベージョン
スペースシャトルの爆発を機に広がった謎のウイルスへの感染から逃れ、息子とともに逃げ回る精神科医をニコール・キッドマンが熱演しています。相変わらず美しいですし。感染すると感情をなくし、とにかく無表情に非感染者を仲間に引きずり込もうと追っかけ回した上に、ゲロにも似た液体を口から吐きかけるという、不気味な様子がスリラーを盛り上げ、ゾッとさせられる寒気を覚えました。
5 愛という名の疑惑
後半になって二転三転するストーリーは緊張感が持続していて、スリラーとしては必要条件を満たしています。特にキム・ベイシンガーはこうしたエキセントリックな病んだ女を演じさせるとピッタリしはまる。一方感情をあまり表に出さない精神科医をクールに演じるリチャード・ギアが対照的。前半は傲慢な夫にいいようにされる病気の妻に感情移入させておいて、後半は実は病気を装い計画的な犯行を仕組んだとんでもない女性だったと、この転換の演出が心憎い。
6 殺しのドレス
ブライアン・デ・パルマとしてはわりとノーマルなサスペンスといった感じの印象。当時としては性倒錯、或いは二重人格的なものは珍しかったかもしれませんが、今となってはそれもごくごく観られる仕掛け。精神分析医のマイケル・ケインの女装はこの作品で癖になったのでしょうか?この後時々女装を映画の中で見せています。
7 見憶えのある他人
精神科医とその患者達のやりとりがメインとなるだけに、どこか鬱屈したようなムードはありますが、ほとんど出ずっぱりのダニエル・オートゥイエが人間くさい医者を演じていました。悪役の丸刈り男が実に不気味で、終始異様な雰囲気を醸し出していて、スリラーの要素を盛り上げています。
8 心のままに
躁鬱病患者をギアが演じ、嫌味の無いい芝居をしていました。精神科医役のレナ・オリンの気持ちはちょっと複雑でわかりにくい部分もありますが、医者と患者の関係を越えた結びつきを描いています。
9 息子の部屋
大袈裟な表現はなく、家族の死というものを淡々と描いていますが、その中に普通の家族を襲った哀しみというものが強く表現されていました。精神科医の父親とその妻が崩れそうになるところを、息子のガールフレンドのおかげで癒されていき、最後に光が射してくるまでを丁寧に追っている。
10 アナライズ・ミー
精神科医とマフィアのやりとりを描いたコメディ映画で、ロバート・デ・ニーロとビリー・クリスタルのとにかく会話を楽しむ映画です。結構笑えるシーンも多かったり、どこか切なかったり、さすがの芸達者です。