名取裕子 出演映画 ベスト10
貫禄のあるベテラン女優さんをとりあげます。
来月で還暦とは驚きです。
1 吉原炎上
今はまずこの手の本格的遊郭映画をまともに撮ることはできないでしょう。主演の名取裕子をはじめ、かたせ梨乃、西川峰子ら女優陣が文字通り体を張って挑んでいます。まさに女優としての意地とか意欲とかプライドとかプロ意識とか、そんなものがギラギラに飛び散ってくるよう。とにかく女優魂を見せつけられました。
2 肉体の門
『吉原炎上』と同じ五社英雄監督による娼婦もの、そして共演がかたせ梨乃、西川峰子ということで、まるで続編みたいな雰囲気。戦時下特有の事情と時代の雰囲気が色濃く表れた作品。
3 異人たちとの夏
オカルト的な要素も含みながらも、亡くなった両親との再会を幻想的に描いた大林得意のファンタジー映画になっています。鶴太郎と秋吉の温かい両親がノスタルジーを誘い、一方で名取裕子演じる謎の女のおどろおどろしさが対照的。ここでも体を張っています。
4 序の舞
名取裕子主演により、明治初期の女流画家の生き方を描いた伝記映画。この時代に男に裏切られながらも子供を育て、絵で生計を立てながら自立する女性は、世間からはやはり冷たい目で見られたことであるでしょう。シングルマザーのまさにさきがけ的な存在の女性を熱演しています。
5 櫂
五社英雄監督との仕事が多い名取裕子。こちらは芸者ものです。まさに古いタイプの勝手気ままな男と耐え忍ぶ女、しかしその耐え忍ぶことに我慢できなくなり、精神的に自立していく様子はなかなかかっこいいとは思います。とはいえ、まだまだ周囲はなんでも耐え受け入れることが女の美とされる時代、一人闘う姿は印象的でした。
6 ボクが病気になった理由(わけ)
病院を舞台にしたオムニバスによるコメディ映画。2作目に登場する名取さんは、糖尿病の為婚約破棄されたキャスター役。まったく本人のイメージにない役だっただけに、それが新鮮でありました。作品的には気楽に観る分にはいいですが、敢えて映画にしなくてもというところもありました。
7 関白宣言
最初から展開が分かっているベタなラブ・コメディですが、主役がぎこちなくて華がない。なんといってもさだまさしの実弟が主演ですから、仕方ないところ。それにも関わらず退屈しないで最後までテンポ良く見られるのは、脇役陣がきちんとしめているおかげか。特に佐良直美がいい味を出している。名取さんはヒロイン役ですが、こんな普通の役が今としては珍しい印象です。
8 マークスの山
猟奇スリラー的な要素も含んだサスペンス。そもそも映画の時間内に納めるというのが無理だったのかもしれないですが、どぎつい場面ばかり見せたって、骨組が雑なので、せっかくの原作も消化不良。看護師役の名取さん、萩原聖人相手に激しいシーンを演じています。
9 釣りバカ日誌7
人気シリーズのゲストで出演。女性にうつつを抜かしているスーさん、女性とのデートのためなら浜ちゃんをも裏切ってしまうということで、それが元での仲違いを中心に描いたのが今作。いつもの掛け合いが始まりますが、大人気なくすねてみたり、困ってみたり。互いに仲直りしたいのに素直になれない感じが、まるで中学生同士みたい。安定の一作。
10 女帝 春日局
我が子を将軍家の跡継ぎの身代わりとなることを受け入れた後の強さといったら恐れ入ります。一度作り上げた嘘は本当の事として最後まで通し、表には出せないながらも我が子を将軍の跡継ぎへと仕立ててしまう強かさ。嫉妬うずまく大奥の中で強い意志を持って立ち回り、結果的に勝利を収めることになった女帝。作品としては分かりやすいものになっていたと思います。それにしても女性たちの怖さは、やはり江戸時代にはすでに確立されていたということですね。名取裕子は民部卿の局役。
11 クイール
12 226
13 チームバチスタFINAL ケルベロスの肖像
14 しあわせ家族計画
15 彩り河
16 必殺!主水死す
17 首都消失
18 ドン松五郎の生活
19 夢千代日記
20 忠臣蔵 四谷怪談