クロエ・セヴィニー 出演映画 ベスト10
どこかけだるくやる気のなさそうな感じがしてしまうクロエ・セヴイニー。
それがこの女優さんの個性なのでしょう。
1990年代後半には印象の強い作品に出ながら、
映画賞の助演賞にもノミネートされたりしたのですが、
『ブラウン・バニー』でミソをつけたのか、
その後は地味めなキャリアが続いているのは残念です。
1 ゾディアック
実在の事件を基にした知的なサスペンス・ミステリーです。謎解きの面白さと、それに関わる人々の苦悩をクローズアップしながらも、犯行のシーンや狙われる恐怖を見せるシーンでは、巧みに緊張感を演出し、スリリングな場面もきちんと押さえています。ジェイク・ギレンホール演じる主人公の2番目の妻役でクロエ・セヴイニーは出演。
2 ボーイズ・ドント・クライ
ヒラリー・スワンク演じる性同一障害の主人公が恋に落ちる相手がクロセ・セヴイニーということで、2人の対照的なキャラクターが印象的で、クロエ自身も複数の映画賞でノミネートされた代表作です。けなげに主人公を愛する姿には心打たれるものがありました。ただし結末は衝撃的です。
3 ドッグヴィル
とにかく、床と線と小道具だけで3時間という長さを感じさせない作品にしてしまうトリアーの力強さには感服しました。かなり実験性の高い作品ではありますが、その中でのどろどろとした人間関係と衝撃的な結末。そして何より主人公の女性を徹底的に苛め抜く「S」的な演出。すべてがトリアー色満開。クロエ・セヴィニーは村を出ることを夢見る工場の娘役。
4 ニュースの天才
特ダネを狙うばかりに記事の捏造を繰り返した若き記者の暴走と失墜を描いた社会派ドラマ。自分の犯した間違いを認めることを恐れ、なんとか浅はかな知恵で最小限の犠牲で逃れようとする歪んだ態度をヘイデン・クリステンセンが熱演。クロエ・セヴイニーはその同僚役。
5 マンダレイ
3と同じくラース・フォン・トリアーによる床と線と小道具だけで見せる映画。黒人差別という明確なテーマを前面に打ち出し、人種差別に絡む複雑な構図がストーリーの中で露わにされ、興味深い映画ではありました。クロエは農場の女性役。
6 ラヴレース
悲運の出会いが持ち込んだ屈辱の日々から脱却して幸せな生活を掴んだ女性の半生を描いた映画。全米を熱狂させたことのあるヒロインが自ら語ったことに基づいているということで、これを見て似たような辛い状況からでも抜け出そうとする勇気を持ってくれる女性がいればという、この自伝を出したときのヒロインの思いというものは、この映画からも感じ取ることはできました。クロエ・セヴィニーはジャーナリスト役。
7 ブロークン・フラワーズ
手紙をきっかけに、息子がいることを知り、かつての恋人達を訪ね歩くというストーリー。ビル・マーレイならではのとぼけた味わいで、彼でなければなかなか出せない雰囲気は見所ですし、豪華な女優陣もなかなかなもの。単なる受付にクロエ・セヴィニーを使っているところなどは贅沢そのもの。
8 メリンダとメリンダ
ウディ・アレンらしい軽妙なコメディですが、喜劇と悲劇の2つのストーリーが同時進行していく面白い形をとっています。2つに話が分散されてしまった分、それぞれの展開はだいぶ端折った形になってしまったようで、そこがマイナス。まあ、とにかく、出てくる人物は好き勝手やっています。売れない役者の妻のうちの一人をクロエが務めています。
9 実験室 KR-13
密室に閉じ込められて恐怖の実験に参加することとなった4人。与えられたシチュエーションはかなりの衝撃的なもので、いったい実験の目的は?彼らの運命は?とワクワクさせはしたものの、やや尻すぼみ。いまいちスリリングさも不足気味。クロエ・セヴィニーは実験を見る側の心理学者役。
10 アメリカン・サイコ
クリスチャン・ベールの自己陶酔的なキャラクターが良くも悪くも生かされた作品。エリートであるはずの主人公の隠された性癖は殺人への衝動。ただこの設定の割には話に動きがなく、盛り上がりに欠けるのが難。クロエもその毒牙にかかりそうになる秘書役。