ライアン・フィリップ 出演映画 ベスト10
若手として台頭してきたときは期待されましたがやや伸び悩み。
一人で作品を背負うほどの存在までにはなれていません。
リース・ウィザスプーンと結婚したころには格差婚と言われ間もなく離婚。
それでもコンスタントに作品には出演を続けています。
1 クラッシュ
アカデミー作品賞を獲得した人種問題をテーマにした群像ドラマです。普段人種差別していた者が、いざという時に人種関係なく「人間」を助ける、或いは「人間」のありがたみが分かる、逆に人種差別はいけないと理想を持って生きている者が、いざというときに差別的先入観が顔を出してしまい取り返しのつかない行動に出る、はたまた自分は黒人の中でエリートでいることに誇りを持って生きていたはずが、いつの間にか白人志向が強くなりそれ以外の人種を見下した言動に変わっていた。一人の個人に置いても複雑な心理構造が浮き彫りにされます。ライアン・フィリップ演じる警官が最後にとる行動がまさにその典型なのです。
2 クルーエル・インテンションズ
高校を舞台にしながらどろどろぐじゅぐじゅのえげつない男と女の駆け引きを描いた心理ドラマです。どうしようもない義理の姉弟の弟を演じるライアン・フィリップは、賭けのために生真面目な少女(リース・ウィザスプーン!)を毒牙にかけるという輩なのです。しかしながら本気になってしまったから大変。皮肉たっぷりのオチがまたなんともいえません。
3 カオス
銀行強盗が何も取らずに逃げてしまった謎から始まり、次々に関係者が殺されていく過程の、犯人側と警察側の駆け引き。しかしこの映画はそんな単純なものではなく、次々に明らかになる真実によって、より事件の構造が複雑に絡み合ってくるのです。こいつが犯人だったのか、なるほどと思わせながら、実は…と裏切られることが2度、3度。ライアン・フィリップは新人刑事の役。
4 リンカーン弁護士
全編の半分が法廷シーンという、なかなか本格的な法廷ものですが、法廷での戦術をスマートに見せてくれ、面白かったです。軽い方の罪を無罪にしておいて、別の重い罪を暴き出そうとする敏腕弁護士の手口は、必ずしも正義の善人ではない設定だけに、より弁護士としての意地を感じる力技と感じました。殺人未遂の罪で告発された御曹司を演じるのがライアン・フィリップ。
5 ラストサマー
当時流行りの学園ホラーに期待の若手を揃えて作られた1997年当時のトレンド的な作品。宴の帰り道にひき逃げをしてしまったことから若者たちが殺人鬼に狙われるというパターンで続編も作られました。そんな若者の一人としてライアン・フィリップも出ています。
6 ゴスフォード・パーク
ロバート・アルトマンらしくウィットに富んだ会話で組み立てられた群像ミステリーです。登場人物が多く関係が複雑なのが難ですが、見応えのある知的な作品に仕上がっています。不審な従者としてライアン・フィリップは出ています。キャストが豪華!
7 父親たちの星条旗
戦時中、軍資金集めのために英雄に祭り上げられた3人の葛藤を繊細に描くこの映画は、随所にイーストウッドらしさが現れた意義深い作品になっています。戦争というものが生み出す常軌を逸した行為を、どこか冷めた目線で描いているイーストウッドの描き方は、不必要に感情を煽るようなことをせず、ただただクールですが、それがより戦争が与える虚無感をクローズアップしているようです。ライアン・フィリップは主人公の兵士。
8 アメリカを売った男
ライアン・フィリップ演じるFBI訓練捜査官の心の揺れが手に取るように伝わり、心理サスペンスとして面白く観ることができました。クリス・クーパー演じる上司の下で働くように命じられた彼は、実はその上司の長年にわたる国家への裏切り行為の証拠を引き出す任務を裏で与えられるわけです。こそこそと上司の身辺を探る中、ばれるばれない、信じる信じない、上司との心理的な駆け引きの様子がピリピリとした緊張感を持って伝わってきました。
9 ミッシング・デイ
ごくごく普通の子供を絡めたサスペンス劇ですが、大人しそうなルックスのジョン・キューザックが完全な悪役を演じているところがみそでしょうか。養子をあっせんして金を取り、もらったところで子供ごと引き取る。しかしそれだけで物語が収まることもなく、戦いへと突入。娘が忽然と姿を消してしまうその父親を演じるのがライアン・フィリップ。
10 クリムゾン・タイド
潜水艦からのミサイル発射を巡る艦長と次官の緊張感あるやりとりの顛末。限られた空間なので広がりは薄いのですが,互いにプライドの高い二人のやりとりが高い緊迫感を生んでいます。無名のライアン・フィリップは二等兵役。