温泉地の映画 ベスト10
温泉地を舞台にした映画を10本。
1 千と千尋の神隠し
アニメですが、これも温泉をメインの舞台にしています。千尋が迷い込んだ温泉町で、魔女の経営するお風呂屋さんで働きだすのですが、そこで出くわす個性的な面々が印象的。あたかも観ているほうもテーマパークの中に紛れ込んでしまったような気持ちになってしまうような作品でした。
2 天国の駅 HEAVEN STATION
運命に翻弄されて波乱万丈の半生を送る主人公を吉永小百合が熱演し、冒頭からストーリーに惹きこまれる見ごたえのある映画です。温泉地で織物の店を営む彼女でしたが、そこに集まる男どもは彼女をほっておかず、振り回されていく運命が物悲しく描かれています。
3 XX(エクスクロス) 魔境伝説
意外なところにも温泉地を舞台にした作品は転がっていまして、こちらはホラー・コメディ。人里離れた不気味な温泉村にやってきた若い女性たちの恐怖を描いています。破天荒な設定も、バラバラな脚本も、怪演も、いらっとするテクニックも、すべて狙ったものだと受け止め「際物」映画と割り切れば、なかなか面白いですよ。
4 秋津温泉
山奥の秘湯を舞台に数年おきにやってくる男と彼が思いを寄せる女性との長年にわたる愛憎を描いた作品です。年代と共に環境も生活も関係も変わる中、秘湯の寂れた雰囲気が悲しい愛の物語に昭和臭がプンプンと漂ってくるようなじめじめ感が、今観るといい味になっています。
5 山のあなた 徳市の恋
昔ながらの温泉地を舞台に目の不自由な按摩と、温泉地の人々との交流、そして恋を描いたまさに温泉地映画。冒頭の新緑の山道のシーンが観ている者を山奥の静かな温泉地へ誘(いざな)ってくれるような雰囲気を作り出してくれます。新緑に囲まれたのどかな山や川の自然、人生のほんのひと時だけ時間を共有することになった人々の束の間の触れ合い、そんなものに癒された94分間でした。
6 雪国
いうまでもなく名作文学を元にした作品。名もなき温泉場で出会った芸者にいれこんでしまった画家が、結ばれぬ恋だと知りながらも燃え上がり、逢瀬を重ねます。原作がきちんとしているだけにメロドラマとして、そして周囲の人物も含めた人間ドラマとして、見応えあるものになっている。岸恵子演じるヒロインの子供っぽさは好き嫌いが分かれそう。
7 男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく
全国旅を続ける寅さんだけに、シリーズではちょくちょく温泉地が登場します。今作では肥後温泉を舞台にして、武田鉄矢演じる若者との出会いの場となっています。寅次郎恋やつれ、フーテンの寅、花も嵐も寅次郎などでも温泉地が出てきて、よく住み込みで働いていたりしました。
8 卓球温泉
温泉と言えば卓球、というイメージを利用したコメディ映画です。松坂慶子が卓球を通じて温泉街を活気づけようと奮闘する主人公を熱演。気楽に楽しめる作品になっています。
9 リアリズムの宿
初期の山下敦弘監督を象徴するようなシュールな作品。ほんとにこんな宿があったらすごいだろうと思うような安温泉宿や旅館などが登場。独特の感性についつい引き込まれてしまいます。
10 伊豆の踊子
かつては定番の文芸ものの代表的作品でした。温泉地を渡り歩く旅芸人の一行の中の踊子と高校生との淡い恋物語ということで、若手アイドル女優にはぴったり。1930~70年代にかけて6度も映画化されています。