ジャン=ポール・ベルモンド 出演映画 ベスト10
今回は古い俳優さん(といっても存命ですが)を取り上げます。
1960~70年代を中心に活躍したフランスの俳優。
2000年以降は作品にはほとんど出ていませんが、
若い頃の映像はかっこよくて存在感たっぷり。
1 暗くなるまでこの恋を
身元を隠した謎の女にどんどんと惹きこまれていく男(ベルモンド)の一途さ、命を投げ出してもいいというまでの思いが、最後には女の心をも変えていくという、ある意味で究極の愛ともいえるものを描いていますが、作品としてはミステリアスでサスペンスフル。フランス映画の独特な雰囲気もあって、なかなか魅力的なラブ・サスペンス。
2 勝負〈かた〉をつけろ
無実の罪に問われた友人を刑務所から救うために自ら刑務所に入ったジャン=ポール・ベルモンド演じる主人公。その友人の妹と恋に落ち、出獄後3人で暮らすも悲しい結末を迎えるというサスペンス映画。展開の速さの中でもベルモンドのひょうひょうとした感じで強くて賢いかっこよさが光る作品です。
3 パリの大泥棒
出てくる人物誰も彼も泥棒だらけという犯罪映画なのですが、サスペンスやアクションを売りにするものではなく、優雅な泥棒稼業にどっぷりとはまっていくベルモンド演じる主人公と、彼を取り囲む女性たちとの関係をコミカルに描いたおしゃれな泥棒映画になっています。仲間が死んだり、引退したりする中、偽遺言により大金を手に入れてもまだ泥棒をやめられない。お金のためでない、まさに泥棒中毒というべき主人公に拍手を送りたくなりました。
4 気狂いピエロ
ゴダール特有のとっつきにくい雰囲気はあるものの、常に強い光を当てているような独特の映像の美しさには目を奪われます。ファッションや小物の色彩も鮮やかで、妻子がいながら別の女と愛し合い強盗行脚に出る主人公(ベルモンド)のカッコよさをまた引き立てます。
5 いぬ
モノクロの映像と全体的に抑えた感じの演出が渋くかっこいい映画。ギャングの世界、裏切り者は徹底的に見つけ出して冷酷な制裁を下す、一旦信用できる相手と分かれば、窮地の相手を命がけで助けに行く。極悪非道な世界に思えても、そこには日本の任侠の世界に似た厚い「情」がまた存在するのです。
6 ビアンカ
ベルモンドの純愛ぶりもなかなかですが、中でもクラウディア・カルディナーレの美しさが際立つ恋愛映画。気が強く素直でない娼婦と貧しい青年との噛み合わない悲恋が、財産相続でもめる親族という暗い背景の上に重なって、より悲しく過酷な印象を強くしています。
7 オー!
この時代に相次いで作られたフィルム・ノワールの一作。軽快な音楽といい、オープンカーのツーショットといい「俺たちに明日はない」との共通点も感じました。決して犯罪のプロとはいえないベルモンド演じる主人公が調子に乗って犯した犯罪の数々を描いています。
8 コニャックの男
とにかく波乱万丈二転三転の展開はベルモンドのひょうひょうとしたキャラクターを生かした娯楽時代活劇。思わぬことから騒動に巻き込まれていく中であっちにふらふらこっちにふらふらと世渡りしていく主人公が楽しくていいですね。
9 勝手にしやがれ
ジャン=ポール・ベルモンドの代表作。殺人も強盗もなんのためらいもなく、あっけらかんと実行してしまう若者と、彼と付き合う女。付き合いながらも警察に売り、売りながらも逃げることを促す不思議な胸のうち。最後はなんともいえない表情のアップで終わります。ヒロインのジーン・セバーグもまた強烈な印象を残します。
10 ボルサリーノ
アラン・ドロンとの共演によるギャング映画です。ギャング映画なので、当然のように人もたくさん殺されるのですが、軽妙な音楽とベルモンドの飄々とした雰囲気で、どこか暢気なムードに仕上がっているのが不思議な魅力となっています。
11 ダンケルク
12 カトマンズの男
13 雨のしのび逢い
14 墓場なき野郎ども
15 ラ・スクムーン
16 ベルモンドの怪盗二十面相
17 パリ警視J
18 薔薇のスタビスキー
19 恐怖に襲われた街
20 百一夜