●いじめを扱った映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

いじめを扱った映画 ベスト10




なかなか無くならない「いじめ」を取り扱った映画を10本。




1 リリィ・シュシュのすべて

 映像、音楽、文字をふんだんに使って、岩井独特の世界を作り上げながら、リアルな思春期の内面を映し上げています。いじめ、レイプ、自殺、殺人と次々に起こる出来事は、1つのクラスで起きた出来事だとすると、衝撃的な内容。そこにネットの世界を絡ませた手法も見事で、まさに今SNSなどがいじめの温床になっていることを考えると、決して映画の中の世界のことと言い切れない怖さを感じます。


リリィシュシュのすべて



2 明日、君がいない

この作品もラストが衝撃的。冒頭に誰かが血を流して死んでいるシーンを見せてから、その日の朝に遡って、ある高校の生徒たちの出来事を追います。主要6人がそれぞれに悩みを抱え、恋愛、妊娠、同性愛などある中、特に体の奇形からいじめを受けている男子生徒には強い衝撃を受けます。彼が自殺したのだろうかとも思うわけですが、しかしながら事実はもっと深いのです。どうしたらこういった悲劇から救えるのか、考えさせられます。


明日君がいない



3 問題のない私たち

いじめをする側とされる側、ちょっとしたことで突然入れ変わってしまうクラスという狭い世界。作品は前半後半と分かれていて、陰湿ないじめゲームの連鎖、それが終わってすっかり仲良くなってしまう後半の敵は先生ということで、テンポもいいし、構図がはっきりしています。重いテーマでありながらもどこか斜に構えて笑っているようなおかしさもある作品。沢尻エリカがいじめられます。


問題のない私たち



4 ソロモンの偽証

前篇・後篇に分かれた大作ですが、見応えは充分。中学生による校内裁判の中で明かされていく数々のいじめ、暴力。さまざまにものを背負いながらもどこでそれと折り合いをつけて生きていくか、生と死、因果応報について考えさせられる一方で、人が人を裁くという意味についても考えさせられるずしりと重いボリューム感ある作品でした。


ソロモンの偽証

5 未来を生きる君たちへ

少年二人の演技、特に表情が素晴らしく、それぞれのキャラクターの繊細な部分まできちんと描かれ、ひきつけられる作品になっていました。学校で執拗ないじめにあう子供から始まり、暴力に対して暴力で抵抗してもさらに暴力が繰り返されるだけという、一つのテーマが芯に一本通っているため、ストーリーがぶれず、観ていて非常に考えさせられることが多かったです。


未来を生きる君たちへ



6 絶叫学級

オカルトホラーの形態をとってはいるものの、基本的には女子高での耐えることのないいじめの連鎖を描いた映画です。いじめの対象がいなくなると、それは別の対象に向けられるだけ。そのいじめの程度はかなり悪質かつ強烈で、犯罪そのもの。そこにいかにも頼りない教師が1人2人出てくるだけ。まさにいじめ天国、なんでもござれ。


絶叫学級



7 青い鳥

いじめで自殺未遂の末に転向したクラスメートの席を残し続ける吃音の教師が最後に伝えたこと、自分たちの行為に対する責任のとり方を示す、非常に共感できる言葉でした。腫れ物に触るかのように残された生徒たちを扱う他の教師たち、それは先生や親たちそして文部科学省まで含めた今の日本の教育を象徴するかのようで、そんなものに対するひとつの問題提起をしているかのようでありました。


青い鳥



8 キャリー

冴えない容姿とおどおどした態度でいじめられていたキャリー。そしてそのいじめが最高潮に達した時、いじめにそれまで絶えていたキャリーから恐ろしい力が発せられ、あたり一面血の海に…。続編やリメイクなども制作されたいいじめ映画の古典的な作品といえるかもしれません。


キャリー



9 river

それぞれに心に病みを抱えた同級生4人が織り成す心理模様とサスペンスを描く映画ですが、ブルーのフィルターをかけたような映像を多用し、どんよりとした重たい雰囲気を作り出しています。小学生時代のいじめと大人になった今の病みを交錯させることで、謎めいた展開に期待はさせられましたが、まとめきれなかったのが残念。


river



10 さよなら、僕らの夏

同級生同士のいじめが招いた悲劇がとにかく強烈。「悪いことしたら正直に言いなさいよ」とかそんな悠長なことではないでしょうが、作り手の意図が分かりにくい作品です。中途半端な終わり方で、後味の悪さばかりが残りますが、むしろ自分たちの犯したことをどう受け止めて、その後の人生に生かしていくか、或いは狂わせて行くのか、この後こそが大事な部分ですし、興味を注がれるところ。ノスタルジーを想像させるような邦題に騙されてはいけません。

さよなら僕らの夏