自転車映画 ベスト10
自動車や飛行機、汽車や船など乗り物の映画も多いですが、
今回は自転車にスポットが当たるような映画を特集します。
1 メッセンジャー
ホイチョイプロが1999年に制作した「自転車便」で働くメンバーたちの心意気を描いたコメディです。きちんとその時代を捉えるところはホイチョイプロならでは。自転車で東京のど真ん中を走り回る様子はテンポが良く、観ていて清々しさを覚えます。エンドロールでキャストたちが楽しそうに歌い踊る映像も印象に残ります。草なぎ剛。飯島直子にナイナイの矢部裕之、そして若大将加山雄三と個性的なキャストも賑やか。
2 ヤング・ゼネレーション
自転車のロードレースに挑む若者たちの恋と友情、挑戦と挫折を描いた王道の青春スポーツドラマです。この手のスポーツもので期待される展開のど真ん中を突き進む、その堂々とした正攻法ぶりが感動を誘います。
3 自転車泥棒
ポスター貼りの仕事に必要な自転車を盗まれた父親。警察に行っても相手にされない。貧しいことの悲しさ、辛さというものがしみじみと語られており、せつなくてやるせない話です。自転車泥棒の犯人は捕まらず、間がさして同じ行為をした主人公は息子の前でつかまってしまいます。そこで許され見逃されてしまうのがさらに悲しいですし、父親の心を分かっている息子の表情がまた切ない…
4 少女は自転車に乗って
珍しいサウジアラビアの映画。戒律を重んじる女子高で問題児扱いの10歳の女の子は、自転車が欲しくてたまらない。買うお金をためるために、コーラン暗唱コンテストに立候補し、見事優勝賞金をゲット!しかし自転車を買うと話すと、校長は怒って無理に寄付をさせるのです。しかし家に帰るとそこには自転車が…。楽しそうな表情の少女が清々しい思いを残す素敵な作品です。親や先生、そして社会から様々な形で制限を受けながらも、自分がやりたいと思ったことに対しては、どんな手段をとっても達成させようとする逞しさにはすっかり感心してしまいました。
5 ロッタちゃんと赤いじてんしゃ
誕生日を迎えた幼いロッタちゃんは自転車をママにおねだりするけれども、聞き入れてもらえない。大人の自転車を持ち出すと怪我をし、それならば大人になるしかないと、養分いっぱいの牛のフンの山に入りこんで大騒ぎ。結局パパに自転車を買ってもらってごきげんに。ロッタちゃんの可愛さ満載のほのぼの映画です。
6 茄子 アンダルシアの夏
自転車レースのスタートからゴールまでを追った異色のアニメの中篇映画です。観客もやはり大人が中心。爽やかな印象が残る作品に仕上がっています。特に深い心理描写があるわけではないですが、単調にならないように家族の結婚式シーンも織り交ぜ、独特の雰囲気が味わえます。
7 少年と自転車
少年の見事な演技が印象的でした。親に対する愛情を求めながらも、それを返してもらうことも叶わず、常に苛立っているような少年が、心身ともに落ち着く場所を見つけかけた矢先に起こる事件。しかしそんなことが、血の繋がりもなければ、何の義理もない女性との絆を強めていく様子に、子供にとって大人の愛情というものがいかに大事なものかがしみじみと響いている思いです。冒頭の荒っぽく落ち着きのない所作が、最後に二人で自転車を乗ったりサンドイッチを食べたりして過ごす時の穏やかで明るい少年の表情に変わるその変化が肝。
8 シャカリキ!
高校の自転車部を描いてスポーツ青春ムービーは、王道をいく無難なストーリーになっています。演出や構成に少々荒っぽさは目立ちますが、さわやかで気持ちは良いです。
9 ポストマン・ブルース
とにかく自転車で走り続ける3人。郵便配達員、ヤクザ、そして殺し屋。初期のサブ監督らしい勢いのある作品です。勘違いからとんでもない方向に展開しだすストーリーはナンセンスかつブラック。ラストがまたなんとも言い難い気分にさせます。
10 グレートデイズ！ 夢に挑んだ父と子
障害を持つ息子と父が二人で挑む自転車レース。困難に打ち勝って目標を達成するという王道パターンに、ぎくしゃくしていた父子関係の修復と言う要素を盛り込んだ分かり易い作品です。主人公の熱意が周りを動かしていく様子を観ていると、障害の有無に関係なく、周りの人を動かし人生を開いていくのはまずは本人の熱意だということをつくづく感じました。
