●シドニー・ルメット 監督映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。



シドニー・ルメット 監督映画 ベスト10



色んなタイプの作品を監督し、且つ多作な監督さんです。

テーマのある社会派に娯楽性を盛り込んだ作品群が得意ではありますが、

遊び心のある力の抜けた作品もあり、

引き出しの広さもまたこの監督の凄いところ。

そんな中からの10作です。




1 十二人の怒れる男

動きの少ない密室劇ではありますが、会話だけで最後まで緊迫感を保ち続け、見るものを飽きさせない脚本はたいしたものです。有罪無罪の討論している中で、証言や証拠の疑わしさを一つずつ潰していき、有罪無罪がひっくり返っていく様子はなかなか圧巻。


十二人の怒れる男たち


2 Q&A

警察内部の闇の部分を、正義感で行動する新米検事補と、私腹をこやすことと保身を第一に動く刑事たちの対比で暴き出している社会派サスペンス。淡々とした中にも、隠れた社会の病理を描きだし、それぞれに微妙に立場や考え方の違うキャラクターたちをぶつけ合うことで、独特の緊張感を生み出しています。結局最後は自分が一番かわいいというところなのでしょうか。正義が必ずしも勝つわけではないというやるせない結末。


Q&A


3 セルピコ

汚職のはびこる警察内部にて、周りから奇異な目で見られながらも、ただ一人潔癖を貫こうとしたアル・パチーノ演じる警官の孤独な戦いを描いた社会派刑事ドラマです。アル・パチーノ特有の熱さと哀愁を同時に引き出すことに成功。


セルピコ


4 評決

ポール・ニューマン演じる飲んだくれの転落弁護士が医療ミス事件を受け持ったことから心機一転、裁判に勝つために立ち向かっていく様を描いた法廷ドラマです。ちょっとくたびれた感じのニューマンがまたかっこ良かったりするものです。


評決


5 その土曜日、758

フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、アルバート・フィニー、マリサ・トメイ…演技派俳優が集い、宝石店への強盗事件をめぐる顛末を時間を遡って見せていく心理サスペンス映画です。緊張感がみなぎり、目が離せない構成に工夫がみられます。

その土曜日7時58分


6デストラップ・死の罠  

ほとんどが劇作家の家の中での密室劇ですが、攻守がくるくる変わる二転三転の展開はかなり凝っています。限られた登場人物ながら、最後まで目の離せない趣向を凝らした脚本は見事です。ラストの捉え方は含みがありそうですが、やはり漁夫の利ととらえるのが、この作品らしい皮肉がこめられていいのではないでしょうか。


デストラップ死の罠


7 ネットワーク

どぎつい視聴率競争の裏側をいささか大袈裟気味ではありますが、作り手側の意欲とメッセージを感じる力強い作品になっています。なんといってもフェイ・ダナウェイの視聴率に取り付かれ我を失って行く女性ディレクターの演技が秀逸。オスカーをとっただけの存在感ある演技をみせていました。また狂気にとりつかれたようなキャスターを演じるピーター・フィンチも、これまたオスカーを獲得しただけある抜群の存在感を見せてくれています。


ネットワーク


8 ファミリー・ビジネス

3代にわたる犯罪一家を描いたファミリー・ドラマです。泥棒を試みるも孫が逃げ遅れて逮捕。そこからは関係がぎくしゃくするのですが、最後は和解。一種の家族再生物語といったところでしょうか。


ファミリービジネス


9 旅立ちの時

家族の為に犠牲を強いられつづける17才の多感な時期の少年役をリヴァー・フェニックスが好演。少年の成長過程と独り立ちまでの家族の葛藤を丹念に描いていて、好感の持てる作品に仕上がっています。決して派手な題材ではないものの、彼を見守る温かな視線が、母親やガールフレンド、先生からも感じられ、荒れた現代のハイスクールを扱った他の学園青春ものとは一線を画しているように感じました。


旅立ちの時


10 オリエント急行殺人事件

オールスターキャストが密室となる客車の中に集まり、殺人事件の犯人を探偵ポワロが探していくという、近年はあまり作られていないようなベタな犯人捜しミステリーです。事態は思ってもいない形での結末へ。

オリエント急行殺人事件