六平直政 出演映画 ベスト10
ちょこっと出るだけで圧倒的な個性で存在感を見せつける
日本映画を代表するバイプレイヤーのひとり。
ヤクザやチンピラから人のいいおじさんまで、
そんな対照的な役にもぴったりはまってしまうのはこの人ならでは。
あまたの出演作から10本。
1 シコふんじゃった。
周防正行監督が一躍脚光を浴びることになった作品。大学相撲というマイナーな世界にスポットを当て、典型的二枚目の本木雅弘と、強烈な個性を持った脇役を組み合わせて、老若男女が楽しめる青春スポーツコメディに仕上げています。相撲部のOB役で六平氏は登場。
2 ミンボーの女
伊丹十三監督による風刺コメディ。暴力団対策としてホテルに乗り込んだ女弁護士の活躍ぶりを描き、撃退されるヤクザの面々を見てスカッ。爽快な気分で観終わることが出来ました。六平さんは当然ながら、ヤクザの役です。
3 引き出しの中のラブレター
常盤貴子演じるラジオのパーソナリティーを主人公に、リスナーやその周囲の人々との心の交流を描いた作品です。群像劇としてはバランスも良いですし、それぞれのつなげ方も巧妙でスムーズに繋げており、その点においては良く出来た映画になっています。キャストも豪華で、若手から超ベテラン、色物までバラエティに富んでいて楽しかったです。主人公の父親を六平直政が演じています。
4 築地魚河岸三代目
松竹が釣りバカに代わる新たなシリーズ化を狙って作られた作品ですが、興行的にコケて、その後音沙汰なし。ただ作品的には悪くはありません。二組のカップルの愛情を軸に、親子愛、兄妹愛、そして賑やかな仲間たちとの結束を描き、人々の繋がりを巧みに見せることに成功していたと思います。当初主人公が身を置いていた企業社会をやや極端な描き方をすることによって、活気が漲る築地市場をより心の通った魅力的な舞台として演出することもうまくできたようです。六平氏は水産会社の社長役。
5 極道の妻たち 情炎
特にラストのシーンはあまりに馬鹿馬鹿しくて賞賛を送りたいです。高島礼子と杉本彩の女二人で総勢たるやくざ軍団をなぎ倒していく様は、まさに娯楽映画ならではの世界。このシーンのために、高島にそれまでまったくアクションをさせず、上品に描き続けて、最後に本性を見せるという心憎い演出。この手はこの手の映画の王道の手段ではありますが、時折まぜるあまり意味のないお色気シーンとともに盛り上げてくれました。六平さんはこのシリーズにもちょくちょく顔を出しています。
6 嗤う伊右衛門
時代劇でありながら、音楽は洋楽器であったり、エンドのシーンで現代の東京の街の映像に切り替えたりと、現代劇のような感覚で観られるところが新鮮。不思議な愛の形を、かなりきつい映像を使いながら、興味を離れさせないようにうまく繋いでいたと思います。怪談話と言うよりは究極の恋愛物語といった印象です。六平直政さんは乞食坊主の役。
7 怪談
ずばりど真ん中直球のタイトルなので、よくある日本古来の典型的な幽霊話であろうと思っていましたところ、確かにそれはそれで間違いないのですが、それプラス、エンターテイメントとしてなかなかしっかり作られた作品になっていました。オカルトホラー映画にラブストーリー、スリラー、サスペンス、アクション的要素まで入れこまれ、最後まで飽きさせないのがいいです。六平直政氏は金貸しの役。
8 スーパーの女
2と同じ伊丹監督の作品。伊丹さんの作品の中では特に身近なテーマをとりあげ、ダメダメスーパーをよみがえらせる過程を笑いと風刺で描いています。スーパーで働く人にとっても、買い物に利用する人にとってもためになる作品では?六平さんは精肉担当のチーフ役。
9 一枚のハガキ
人が生きることに対するエネルギーが伝わる作品で、とても100歳間近の監督が作ったものだとは思えない力強さでした。それぞれ違う形ではありますが、戦争によって家族を失った二人が、紆余曲折はあっても、それでも前を向いていこうという人の生の執念に、監督の思いが込められているように感じました。しかもただただ重いだけの映画ではなく、ユーモアがふんだんにちりばめられていて、そのあたりにも過酷な状況の中でも失わない人間らしさを垣間見ました。フィリピンへ赴任した中年兵役で六平氏は出てきます。
10 旭山動物園 ペンギンが空をとぶ
実話に基づくということでまじめなNHK的映画ですが、その分素直に見ることはできました。結局のところ肝は金をいかに引き出すかということだったのですね。飼育係の一人として六平氏は出ています。