●石原裕次郎 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

石原裕次郎 出演映画 ベスト10



観た出演作もある程度の数になってきましたので、

今回は日本映画界に偉大な功績を残した裕次郎氏を取り上げてみます。



①黒部の太陽

映画の内容としては黒部ダム工事の中のトンネル工事に関わる苦労を描いたシンプルなものですが、3時間を超える上映時間のボリュームとリアリティ満点のセット、そして大勢のキャストやエキストラと、とにかくスケール感のある作品に仕上がっています。なかなか思うように進まない工事の中で、家族や恋人にも会えず、先の見えない任務にあたる人々の苦悩。さらには娘の死にも立ち会えない辛さ。そこに隠された人間ドラマのごく一部にもスポットを当てることで、重厚なドラマになっています。


黒部の太陽


②陽のあたる坂道

3時間半に及ぶドラマは、けっしてドラマティックな出来事が起こるわけではないのですが、親子、兄弟、恋愛など身近な人間関係を盛り込んだ見応えのあるドラマになっています。北原三枝の凛とした美しさと芦川いづみの可憐さが目を引く青春映画でもあります。異母兄弟が対面し、意地の張り合いから和解していく様子が良かったです。裕次郎は奔放な次男役。


陽のあたる坂道


③若い川の流れ

50年近く前の作品だけに、当然恋愛観も現代とは違うので、随分可愛らしい印象は受けるものの、爽やかでコミカルでキュートな青春ラブ・コメディとして楽しく観られる映画です。石原裕次郎が好感の持てる明るく大らかで豪快な青年を演じています。一方北原三枝は気が強くはっきりしていながらも、好きな相手には素直になれない同僚の女性役がぴったりとはまっています。原作は石坂洋次郎ということでいかにもという雰囲気ですが、近代的なオフィス、テラスのあるしゃれた邸宅、テニスに興じる若者たちなど、昭和の30年代としては新しいムードが伝わってきます。すれていない当時の青年たちの陽気な恋愛劇に、どこか癒されるような気持ちにさえなりました。


若い川の流れ


④あいつと私

重いテーマを含みつつも、カラッとした雰囲気で明るい青春ラブ・コメディになっています。なんといっても裕次郎の魅力につきるのですが、相手役の芦川いづみもまだ世間を知らないお嬢さんを好演。前半は主に大学の仲間との関係を、そして後半は家族との関係を中心に描いていて、やや特殊な環境ではありますが、この時代の青春期の生活観が出ている感じがしました。車で通学したり、軽井沢の別荘で過ごしたりと、庶民に近い部分でも贅沢な要素が入り始めた時代を映し出しています。


あいつと私


⑤狂った果実

衝撃的な結末に驚きを隠せなかったが、それ以上に北原三枝の美しさと小悪魔ぶりには脱帽。まじめに愛するふりをして二人の男を手玉にてり結果的に騙すことになってしまう、内面と外面とのギャップ。騙されても仕方ない妖艶な魅力もあり、嫉妬に駆られた弟の心情も推し量るべし。セリフ回しが裕次郎しか言わないだろうという言葉遣いが多く、デビュー時にしてそこに真似できない雰囲気と言うものも感じました。


狂った果実


⑥嵐を呼ぶ男

その後もリメイクされるなど、映画の完成度としては高いです。母親、暴れん坊の弟との関係に陰謀、ロマンス、そしてアクションをからませ、ワクワクする展開。ライバルの存在もあることで、裕次郎演じる主人公のキャラクターが引き立ち、ドラマティックに。


嵐を呼ぶ男


⑦幕末太陽傳

フランキー堺の調子の良さが全面に出て、作品そのものの調子よさに繋がっています。幕末の遊郭にいついた男の、生きていくための要領が抜群で、生命力を感じました。裕次郎は高杉晋作役です。


幕末太陽傳


⑧太陽の季節

当時の若者たちの倫理観や風俗像を浮き彫りにし、当時としてはおそらくそれまでにはなかったタイプの映画であったのでしょう。50年以上も前の作品にもかかわらず、それほど古さを感じない、ある意味今日にも通じるような研がれた感覚を受けました。彼らの奔放さ、そして体面に内面がついてこないちぐはぐな幼さが、観ていて辛くなりました。


太陽の季節


⑨赤いハンカチ

麻薬ルートを追う刑事を裕次郎氏が熱演。元同僚の成功の陰に自分への裏切りがあったことに気づいた男の復讐劇です。ストーリーもしっかりしていて、浅丘ルリ子もまだ若く初々しい魅力を放っています。


赤いハンカチ


⑩銀座の恋の物語

有名なデュエット曲と同じタイトルのメロドラマ。貧しい絵描きを演じ、苦しい時代を助けあったピアノ弾きの友人や、記憶喪失になった愛する女性との関係を中心に、ドラマティックに展開。抑えめの演技がシブく光ります。

銀座の恋の物語