忍成修吾 出演映画 ベスト10
中性的な色気が大人びて見せたり、
逆に幼く見せたり、
個性的なムードで活躍する若手俳優。
だと思っていたら、いつの間にか30歳を超えていました。
どこかで大きくブレイクするかなとも思ったのですが、
わりとマイペースでキャリアを重ねている印象です。
いずれにせよ、作品に顔を出しているだけで
気になる存在ではあります。
①リリイ・シュシュのすべて
忍成君自身の存在を強烈に印象づけた岩井俊二の繊細な青春映画です。夏休みを境にまったく見かけも言動も変わってしまう中学生を演じ、さらには最後にまた強烈な殺され方で強い印象を残します。 映像、音楽、文字をふんだんに使って、岩井独特の世界を作り上げながら、リアルな思春期の内面を映していきます。いじめ、レイプ、自殺、殺人と次々に起こる出来事は確実に衝撃的な内容でした。市原隼人、蒼井優、伊藤歩などが出演し、その後の日本映画界に残した影響も小さくない作品です。
②人のセックスを笑うな
松山ケンイチ、永作博美、蒼井優(①に続き共演)、そして忍成修吾と、俳優陣の演技のアンサンブルを観るための映画といえるでしょう。その中での忍成修吾ですが、めがねをかけて、いつもとは違う感じの役立ったのですが、他のキャストとの距離感が絶妙で、もちろん演出の力もあったかとは思いますが、出すぎず引きすぎずで、味のある演技だったと思います。最後に「やっぱりそうだったんだなぁ」と思わせるまでの抑えた芝居、とてもかっこよかったです。作品としても、毎日を生きている彼らの生々しさが伝わってくるキュートな恋模様は、観ていて楽しかったし、自然に笑みもこぼれてくるような感じで、私は結構好きでした。
③北の零年
壮大な人間ドラマ。3時間近い長さなのですが飽きることなく観ることもできます。この俳優陣であるからまじめなドラマというのは想像に難くないですが、時代の変化とともに人々の考え方や生活までも変わっていく様子が、時代の波についていっている要領のいい者たちと、乗り遅れてしまっている者たちとの差がはっきりと描き分けられています。忍成修吾は殿の役で登場してきます。
④青い春
高校のワル仲間の鬱屈した毎日を描いた青春映画。学校の敷地と校門の前意外の場所は全く出てこない、実に閉塞されて学校という世界の中だけの出来事、それもごくわずか数人の周りだけで起こる出来事を描く形をとっていて、青春映画にありがちな家族関係がまったく出てこないという意味では特異な作品ともいえます。松田龍平、新井浩文、高岡蒼佑らの層々たるメンバーの仲間の中での使いっぱの役を忍成君が演じます。
⑤笑う警官
人気よりも実力重視のキャスティングにより、かなり乱暴な組み立ても許せるような、重厚感のある作品になっていたと思います。警察の腐敗というテーマは映画や小説でも多く取り上げられるテーマであり、話としてのオリジナリティを出すには、ある程度の強引な展開も仕方ないのかなと思いました。色んな世代の刑事が、それぞれの信念や立場・経験を通して、ひとつのことに対しても色んな見方をしてくるのが非常に興味深かったです。若手刑事役で忍成修吾君は出演。
⑥ラブ★コン
たわいのないラブ・コメディなのですが、なかなかキュートな可愛らしい映画です。片思いの切なさというものがひしひしと伝わってきて、キュンとなってしまいます。男の子の方が女の子より背が低いことにとらわれ、なかなか思いを伝えられないやきもき感が青春ですね。コンプレックスをいかに克服していくか、その過程も恋の成り行きとともにひとつの大きなテーマとして描かれ、なんとなく昔が懐かしくなってしまいます。小池徹平君の愛らしさと男らしさの同居するキャラクターが、この映画を支えている爽やかな映画でした。忍成君は藤澤恵麻演じるヒロインの先輩役。
⑦小森生活向上クラブ
正義のための征伐を実行するために集まったメンバーたちの社会のダニ退治が、次第にエスカレートして狂気に転じていく様子をブラックに描いたコメディです。小説の面白さを表現しきれなかったのは残念ですが、彼らの暴走ぶりが現代社会を皮肉っているようでもあり、興味深い作品でした。会社の新人役で忍成修吾は出てきます。
⑧雷桜
綺麗に映し出された森の中の映像、今では珍しくなくなりましたが時代劇にかぶせた現代音楽、そんなところからすると、時代劇というよりもラブ・ストーリーという部分を前面に打ち出したかったのだろうという意図は十分に伝わりました。出会いの場面のお互いが強く惹かれあう描写がやや弱く感じられましたが、その後は無難に二人のせつない結ばれぬ運命をメロドラマティックにまとめていたと思います。侍役で忍成修吾は出演。
⑨ヘヴンズ ストーリー
4時間38分の長い作品。復讐はさらに復讐を産み、出口のない迷宮にはまり込んでその中を堂々巡り。力のある作品ではありますが、もう少しコンパクトにまとめて欲しかったというのが本音。忍成君は服役中の男の役。最後に血まみれの対決を見せてくれます。
⑩アキハバラ@DEEP
弱者が傲慢な強者に力づくで抑えられ、その復讐に乗り出すという、映画やドラマの中でもとよくある形。、5人の出会ったきっかけがネットであったということもあってか、チームワークは良いものの、1対1の関係の描かれ方が希薄に感じられますが、それもまたアキバの若者か。この手のものにしては珍しく、恋愛的なものも一切排除し、全体的にややドライな感覚なのが意外でした。生身の女性が苦手なフィギュア好きの若者役を忍成君が演じます。