いまや日本映画界を代表する女優の一人になっている感もあるあおいさん。
子役の頃から映画に出演し、毎年コンスタントに出演作を増やし続けています。
基本姿勢として映画を主戦場に活躍してくれているというのも、
映画ファンにとっては嬉しいこと。
年代的にはライバルの多い世代ではありますが、
一緒になって邦画を盛り上げていってほしいものです。
では、あおいさんのベスト10、 プラス10
①ただ、君を愛してる
個人的には宮崎あおいのベスト・ワークだと思っている作品で、キャンパスを舞台にした可愛らしくもせつないラブストーリーです。病気ゆえに好きな相手に対しても「女性」を見せられないヒロイン、そのヒロインが最後に見せた「女性」の部分。とにかく彼女の演技が意地らしくて意地らしくて、キュンキュンの連続でした。
②好きだ、
「好きだ」の一言を言うために費やした二人の年月。気持ちをいえない二人に対するじれったさが、なんともいえない気持ちにさせてくれる恋愛映画です。せりふとせりふの「間」が、言葉以上に雄弁に語ってくれました。学生時代のヒロインを宮崎あおいが可愛らしく演じ、大人の部分の永作博美に引き継ぐわけで、①と同様に胸をキュンとさせてくれる素敵な作品でした。
③闇の子供たち
こちらはタイを舞台に、子供たちの売買をテーマにして社会派ドラマです。衝撃的な展開が最後まで続き、なんともいえない虚脱感に襲われる重い作品。宮崎さんはボランティアの若い世間知らずの女性を演じるのですが、彼女としては珍しく「うざい」役どころでもあります。作品の重さといい、宮崎あおいの出演作の中では異色作といえるかもしれません。
④ラヴァーズ・キス
平山綾(当時)、成宮寛貴、市川実日子など、2002年当時売り出し中の若手俳優たちが出演した、コミックが原作の学園ラブストーリー。同じ出来事を視点を変えて見せる構成で、なかなか面白い映画です。出演者の演技のレベルにやや差があった中で、やはりあおいさんは抜けていましたね。
⑤東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
この作品に関してはゲスト出演的な扱いで、DJ役としてちょこっと顔を出しています。ただそれなのに不思議と印象に残っていて、作品に華を飾ってくれました。作品としては味のある映画に仕上がっていて、すべての男性に「マザコン万歳!」と叫んでいるような、そんな印象でした。
⑥パコダテ人
しっぽの生えた女子高生役を演じるのが宮崎あおいです。函館を舞台にした、ほのぼのとしたファンタジックなコメディなのですが、とにかく彼女の沈んだり喜んだりの表情が豊かで可愛らしいのです。家族愛や恋物語も盛り込んで、前向きにさせてくれる作品でした。
⑦NANA
彼女あっての「NANA」であったことは、続編の失敗を見れば明らかです。彼氏を追って上京してきた世間知らずの女の子を好演。夢・恋愛・友情・自立といったテーマが散りばめられ、正統派の青春恋愛映画になっていました。それにしても1作目の男性キャストは、今見てもそうそうたるメンバー。松田龍平、成宮寛貴、玉山鉄二、松山ケンイチ、平岡祐太と、それだけ見ても、日本映画界でも意義のある作品だったように思います。
⑧初恋
3億円強奪事件を架空のストーリーで綴った青春映画です。高校生のヒロインとして宮崎あおいは出演。東大生の彼氏とともに計画を実行するのですが、ラストがとても切なく、不思議な余韻を残してくれました。お兄さんとも共演してます。
⑨サッド ヴァケイション
とにかく血のつながりの濃さというものを感じさせてくれるドラマです。血が繫がっているが故にぶつかりあう憎しみ、嫌悪、それを見事に表現してくれた作品です。青山作品常連の彼女が、ここでも登用されています。
⑩剱岳 点の記
厳しい山岳を舞台にした男の映画の中で、オアシスのようにスクリーンを和ませてくれる役どころ。浅野忠信演じる主人公の奥さんでしたね。ストーリー性は弱いものの、圧倒的な本物の映像で、観る者をひきつけてくれた力作でした。
以上の10作は、私の中でも平均点を大きく上回っているものばかりで、こうして並べると彼女の作品選びの確かさも見えてきますね。
以下11~20位まで記しておきます。
⑪理由
⑫ハブと拳骨
⑬陰日向に咲く
⑭いぬのえいが
⑮富江・最終章-禁断の果実
⑰ソラニン
⑱ギミー・ヘブン
⑲初恋の雪 ヴァージン・スノー
⑳青い車
他の青山作品とか「害虫」はあまり好きでないので圏外です。