平安の時代より語られた言葉〜ソロ箏『朧月夜』 | ちょいダル親父の独り言

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六十路も半ばを過ぎ、子育ても卒業し、かわいい孫達にも恵まれ、だいぶお疲れが出て来たダルい年代の親父です。
60の手習でソロギターを始め妻のKeikoさんの箏演奏と共に曲の紹介と日々の出来事を書き綴ります。
頑張り過ぎない、そんな親父の独り言にお付き合い下さい。

「照りもせず曇りもはてぬ春の夜の 朧(おぼろ)月夜にしくものぞなき」

この和歌は平安時代前期の歌人大江千里の和歌ですが、その時代から朧月夜という言葉があり源氏物語の中でも朧月夜という美しくとても魅力的な女性が登場し光源氏と恋仲になります。

 

実際には昔から2月〜3月は中国大陸の黄河流域に発生した黄砂が日本列島に舞い降り日本は春がすみで視界が悪くなり遠くが霞んでよく見えず、夜は月や星も霞みます。

霞月夜では無く朧月夜と言う表現がとても良いですよねぇ…

 

今ではPM2.5なる物まで一緒にやって来て毎年天気予報で話題になります。

屋外に駐車されている車はよく見ると粉をまぶした様に汚れ、洗車しても洗車してもキリがありませんよね。

目立たぬ様に白い車がいいかも…白でもダメか。

 

こんな厄介な自然現象も古人は朧月夜と言う言葉を冒頭の和歌の季語や源氏物語の美しい登場人物に例えたんですねぇ…

 

なんとも情緒がありますよねぇ…

 

現代でも「菜の花畠に入り日薄れ 見わたす山の端霞ふかし〜」と歌う朧月夜という曲があります。

 

子供の時からよく聴き、よく歌った曲です。

今日はお箏のソロ演奏で『朧月夜〜祈り』を紹介させて戴きますが、お箏ならではの音色というか和音というか平安の世の風情が目に浮かびます。

 

この曲は文部省唱歌の『朧月夜』をバイオリニストの葉加瀬太郎さんがアレンジし中島美嘉さんがアルバムにした曲でオリジナルと違ったメロディーも含まれています。

また違った雰囲気もあってとても良い曲です。