つんく♂プロデュース作品となっての第2弾シングル。 

彼女らとも出会って1年以上があっという間に経ってしまいました。 

 この企画が始まった頃に彼女たちの過去の作品もたくさん観ましたが、その頃の映像の中の彼女たちは、とてもピュアで、ある種幼さがたくさん残ってる無邪気さも売りの一つだったわけですが、3人ともほぼ大人の年齢になり、いえ、年齢だけでなく、心の中も、ビジュアルとしても、まさにLADY。 

 

 素敵なグループになりました。

 そんな時期にプロデュース出来たことを心より感謝します。 

 

 前作「あしたに向かうダイアリー」の時から比べてもぐぐぐっと大人になったのも感じます。  

 

「あしたに向かうダイアリー」当時のライナーノーツはこちら   

 

「あしたに向かうダイアリー」の時は、深呼吸のごとく、レコーディングに対する姿勢というか、歌い方にはいろんな方法があるんだよ。

 みたいなこと知ってもらうという意味含めて、日本語でいうところの「しおらしく歌う」というようなことを意識して歌ってもらったけど、今回はその真反対で、とにかく強く、フォルテシモで行こう!と熱く歌ってもらってます。

 

 やはり、第2弾ってことで、ライブで爆盛り上がりする曲を作っておかないと、つんく♂が参戦した意味ないでしょ〜!

 って感じで。 

 

 とにかく強い強い作品作りを目指しました。 

 

 とはいえ、下品な荒くれるパンク系でもヘビメタ系でもなく、ビートが強いアッパーな感じ。 

 

 ライブハウスでもでっかいホールでも、この曲がかかったらこの曲を知らない人でもつい踵やつま先でリズム取っちゃうようなそんなイメージです。 

 

 やっぱ、こういう時、アレンジャーの大久保薫氏の腕が光ります。

 ここまでくると「阿吽」っていうんでしょうか。

 この曲はメロディがそもそも濃いので、耳を引っ張っていくんですが、アレンジ次第で、どんどんダサく出来るんです。ドロ〜っとさせる感じですかね。

 

 最近はこのドロ〜っとが出来無いアレンジャーも多いんですが、でも、やっぱりドロドロすぎては今のTask have Funにはあいません。

 「強さ」がテーマなんですが、「濃さ」に直結するととJK等が入りづらいラーメン屋さんになってしまいます。 

 

 その辺のワビサビを理解してくれるんですよね〜。感謝。 

 

 昨今、こういう濃いメロディを書く作家もいないので、それに対するアレンジをする人も少ないんだとは思いますが、大久保氏とも長いので、彼もいろんな経験を踏まえ、それらを噛み砕いた上でバックトラック作りに徹してくれます。 

 

 『メロディの持ってる「濃さ」にうまく「キラキラな強さ」フレイバーを振りかけアレンジし、JKも入りやすい原宿にある行列の出来るラーメン屋店にした』といったそんな感じです。 

 

 で、歌ですが、前作のレコーディングでは、本人らも初めてのスタッフと仕事するというのもあってか、遠慮がちな面もあったけど、今回は流石に1発目からガツンと歌ってくれました。 

 

 「こういうのは私たちの得意分野だわ!」って感じで。 

 

 で、今回のダンスの先生はモーニング娘。でもお馴染み、YOSHIKO先生。  

 

・曲を聴いてもらって、リズムを常に感じるような振り付け。 

・NOニコパチ(ニコパチ=ニコリしてパチリとシャッターを押すという意味。要するに、意味ない笑顔は必要ないという事) 

・ダンスに必死になっている表情で動きでなく、落ち着いた心境からくる内面の「強さ」を表現したい。 

 

 そういったイメージを伝えました。 

 

 見事にのその心の強さが表現されています。 

 

 きっとそこには昨年からのコロナによるダンスやライブが自由に出来なくなったことも踏まえて、今、歌えるということに対しての「強い想い」からもきていると思います。 

 

 そもそもグループの中でもお姉さん的な立場であった熊澤は今回のMVの中でも「さすが」と言わんばかりの「強さ」「艶」時折みせる「小悪魔的というか悪ガキ感」など、今までも持っていたが、格が一つも二つも上になって、降臨してきた感があります。

 

 歌、表情、ダンス、風格など含めてこのチームの存在感の中心を担っているのも納得いただけると思います。

 普段のトーク力もさすがのサービス力を持っているので、そこがファンにとっても納得の存在感だと思いますね。

 

 MVの中でも観せてくれる強い視線。

 熊澤からの強い強い視線を受け取ってしまったら、合った目線を外すことは不可能かと思います。 

 

 白岡は声がめちゃ出るようになりました。

 最初の歌を聴いた時の印象は、「遠慮」というか、「私の歌、こんなでごめんなさい」みたいな感覚を受けましたが、今回のこの曲のレコーディングでの声の押しの強さには驚きました。 

 

 え?これ白岡!?って。 

 

 MVを観てもらえればわかりますが、今回のシングルの歌い出しは白岡です。

 「愛想笑わない」の部分もどうですか?!

 このちょっと裏返りそうな声質の耳障りの良さ。

 グングン突き刺さってきます。

 この歌声のままMVの中でもダンスやその表情から自信がみなぎってます。

曲をとても理解して、自分なりの今のベストを常に研究しているんじゃないでしょうか。

 この勢いで、自分を信じて攻めてってほしいです! 

 

 そして、里仲。 

 

 これまでもこのグループの中でも最年少の妹的立ち位置でやってきましたが、どうでしょうか。

 今、一番の成長株で、少女より大人感がグググっと強くなって、それでも、いまだ持つ反抗期な表現&表情含めて、伸びシロだらけというか、目下怖いものしらず的な「勢いのある強さ」を感じました。 

 

 そもそも手足も長く、モデルさん的な存在感の上に、話してると少年のような声なのに、歌になるとすごいスピード感と迫力のある声で、圧巻されます。 

 

 一見無表情に見えるかもしれませんが、ひとシーンひとシーン違う顔を見せてくれるし、色っぽさもあるし、実際、頼りがいがあります。

 歌唱力の底力を今後もチームで一番発揮していくのではないでしょうか。   

 

 そんな3人が今回歌ってくれた歌詞の中身ですが、 

 

 あれこれと調整していると思ったより1枚目と2枚目の時間が経ってしまったこと、ファンにも彼女達にもある種心配かけたなぁ〜って思うんですが、やっぱ、自分の高校生大学生の時代を振り返っても、入学式があって夏休みまでにするべきことも、したことも山ほどあって、途中ゴールデンウイークとかながーく休みがあっても、その3ヶ月だけでもいろんな経験とかハプニングに出会います。 

 

 そんな貴重な時間をコロナ社会と共に、全体にスローになり、そして彼女達も本来出会うべき出会いの機会もずいぶん少なくなってしまったんじゃないかなって思うんです。 

 

 そんなこともあって、「1秒は1秒」という出だしで曲は始まります。 

 

 そうです。100億円持つお金持ちでも、現在フリーターであっても、1秒は1秒。

 1秒を10秒に引き伸ばすことはどんなお金持ちでも無理なわけです。 

 

 彼女ら3人においても、今後も歌を続けてくべきか、また違う自分の時間を生きていこうか、常に頭の中で葛藤してるとおもいます。 

 

 そんな彼女らの貴重な時間をどう演出していくか考えてるとこういう歌詞が湧き出てきたわけです。 

 

 彼女らと出会ってから素直にオンラインミーティング等を重ねてる彼女らを見て、得た僕の中の3人の感覚を「当て書き」した歌詞です。 

 

 なので、矛盾するんですが、1秒は1秒って言い切ってるのに、2番では1年は大人の10年以上より価値があるって歌詞にしました。 

 

 確かに思います。

 自分の高校生くらいの時の1年と、今の1年のスピード感が全然違うもんね。 

 

 大人の感覚で「1年後に話そう」って言われても、そんな未来すぎる(なんだったら違う世界に行ってしまうような)先の話は、まったく返事しようがないって、そんな感情です。 

 

 ただ、そんな大人未満の彼女らへのメッセージというか、彼女らに感じて欲しいサビの部分として「私は負けないから黙って付いてきて大丈夫」「どんなことがあっても最後まで戦う、途中でひよっても、最後は勝者になる!」という宣言。 

 

 この2つがこの曲の「強さ」の一番の現れです。 

 

 作家としての僕のこだわりは歌詞の中は「直胸」と書いたけどタイトルは「ちょく胸」 

 

 これは、「直胸」とだけで表記するときっと「ちょっきょう」と読む人も出てくるだろうから、タイトルは「ちょく胸」にしました。

 

 でも、歌詞の中は耳でも「ちょくむね」と聴くので、そこは間違わないと思ったので「直胸」です。 

 

 今の彼女達の情熱そのものを説得とか、説明とか、そんなまどろっこしい方法でなく、重低音のウーハースピーカーから発せられる音のように、胸の真髄にダイレクトで響くようなそんな感覚。 

 

 脳に関しても、理解して感じるのでなく、骨を通じてダイレクトに届いてくる感覚。

 それを文字数の中で伝えようとした際に「直胸」「直脳」という表現になりました。 

 

 ダイレクトに胸(脳)に強く届けたい!って、そんなイメージです。 

 

 あなたの本気を見せてよ!私も直でいくから!と。 

 

 3人の今の強さをまるまる曲にしたイメージです。 

 

 さて、大事なのはアーティストの今を良い意味で表現する大事な要素としてあるMVの話をもう少しだけ。

 

 今回のMV監督は僕の過去の作品もあれこれと映像監督を務めてもらった奥藤祥弘監督。スマイレージやJuice=Juice、極上!!めちゃモテ委員長なんかでもお仕事させていただきました。最近ではL’Arc〜en〜Cielのライブ映像などでも大活躍されてる監督です。

 

 作品がきめ細やかで、かつ、地味でないところにセンスを感じます。 

 

 今回も曲含めて「強さ」をテーマにしているので、映像としても「強さ」を強調したかったのですが、単に映像がガチャガチャうるさい感じになりたくはないので、奥藤監督もその辺にこだわってもらえたと思っています。

 

 アイドルなんで、逆にマニアックにとかロックにとか、映像が重くなったりすることも多いし、逆に予算ないし、とにかく本人のダンスとアップとあとは白バックで、可愛く明るくお願いします!

 

 ってなりがちなんですが、今回の作品には、ダンスやリップシンク以外に、本人達演じるイメージシーンがさりげなく良い量で入っていて、宝箱を開けるシーンや、最後扉を開けて、その先に進んでいくシーンなど、この曲の持つ歌詞の世界観を見事に演出してもらえたと思っています。   

 

 衣装デザイナーの木鋪ミヤコさんと大屋博美(doldol dolani)さんには、ビビッドな色合いでいろんな原色を混ぜたい。

 でも、1970年代のサイケデリックな色合いじゃなく、例えばレディー・ガガの衣装の配色だったらどうなるだろうか。

 

 なんていう謎解きみたいな提案をさせてもらったのに、見事、コレクションに出て来そうなモード感と、エレガントさと、彼女らのスタイルを生かすようなキュートな感もあるデザインをあげていただき、めちゃ似合ってて、昨今の世間がイメージする「アイドル像」とは打って変わっての素敵なデザインになったことに感謝しています! 

 

 昨今はドラマに出て来そうな「アイドルってこうでしょ!」みたいなふりふりメイドカフェ風衣装か、メジャー系の有名アイドルさんたちは、なんとなく「黒」とか「濃い紫」みたいな感じで渋くなって来てる感じがして、せっかくの「アイドル」という職業なのに、もったいないな〜っておもってたので、今回のTask have Funの3人の衣装はなかなかのオシャレ加減だな!って思っています。 

 

 で、そんな衣装を踏まえた上で、奥藤監督にはMVの世界観を作り込んでいただきました。

 実はこれって当たり前のようで、意外に難しいんです。

 

 シャ乱Qの時もそうだったし、モーニング娘。の時にもありましたが、衣装が間に合わ無いとか、ジャケット撮影の衣装とMVの衣装が違うなんことしょっちゅうでした。

 

 ジャケ写はとにかく一番最初なんで、衣装が間に合ってないこと多いんですよ。 

 

 でも、今回のTask have Funは全てが間に合って、みんなに意識を合わせられたので、とてもよかったと思ってます。 

 

 ジャケット&アーティスト写真のカメラマンはKOBA氏。

 彼は僕が長らく付き合ってるSHIN氏からの紹介の弟子。

 まあ、SHIN氏もそもそもは森高さんはじめたくさんのアイドルを撮って来た僕の大好きなカメラマン尾形さんの弟子っ子なんですよね〜。 

 

 思えばみんなシャ乱Q時代からのお付き合いです。 

 

 最後にジャケットデザインの担当ですが、つんく♂オンラインサロンのメンバーの藤田ツキト氏。 

彼は昨今つんく♂サロンの中でも青春映画祭のロゴ、Tシャツ。つんく♂noteではサムネイルのデザインをして、その才能を発揮!

 今後、僕ともたくさんの仕事をしていくんじゃないかとその出会いにもワクワクしています。 

 

 ということで、この作品、

 世の中に強く強く響いてほしいな〜って思います!    

 

 

 

 

 

 

【つん♂タス♀】のデジタル2ndシングル(EP) 「ちょく胸にフォルテシモ」が4曲入り(EP)として配信開始!     

 

 

タイトル:ちょく胸にフォルテシモ 

EP配信日:2021年4月28日 

形態:デジタル配信シングル 

収録曲:「ちょく胸にフォルテシモ」「あしたに向かうダイアリー(2021 Remix)」各カラオケの4曲入り