つんく♂コメント 『時空を超え 宇宙を超え/Password is 0』

モーニング娘。'14となっての2枚目のシングル
通算56枚目のシングルですね。

今回も2曲共がA面シングルです。

「時空を超え 宇宙を超え」
まずはバラードという呼び方をされている方も多いですが、
僕はバラードを作る気で作ったわけではないので、不思議です。
歌の譜割もしっかりしてるし、リズムもあるし、それでもバラードに
聴こえるのはなぜなんでしょうね。

ま、それはそれぞれの受け方。

このシングルは
まだ会えない誰かを過去からずっと待っている人の歌。
運命なんて言葉があり、赤い糸なのか、縁なのか、
人は出会うべくして出会うというのだからいつかきっと出会う。

そんな気持ちで待っている人の歌です。

まだ産まれてもいない女の子がいつか産まれてくる未来の恋人の出現を待っている。
いつか母になるだろう少女がいつか出会うべく赤ん坊を待っている。
これは少年だって同じ。独身者だっていつか出会うべき家族や子供を待っている。
今も愛し合っている恋人が一生の伴侶であると確信する時を待っている。
仕事上で運命を共にする人を待っている。
モーニング娘。'14のメンバーが新メンバーを待っている。

いろんな出会いを想像しながら曲を仕上げました。

大きな未来は「きっとこんな風になってるんだろうなぁ」
「こんな生活が送れたらなぁ」なんて思うだろうけど、
だからそのために「明日すべき事が明確に分かっているか」
となるとほとんどの人が「何をすれば幸せに近づく!?」って思うわけです。

途中主語がHeになりますが、これもHeでもSheでもItでも正解なのかもしれません。

いろんな場面を想像しながらメンバーも歌ってくれるとこの曲のスケール感がさらに出てくれますね。

ダンスフォーメーションもスケール感を損なわないようにしながらも
全員でしか成立しない感覚と、表情に力を入れてもらいました。
そしてビデオの中では裸足で踊ってもらっていますように、
クラシカルなダンス要素も少々取り入れました。
その筋のプロからすれば「なに!これ?!」って感じであることは
重々承知ですが、平にご容赦くださいませ!

メンバーの成長とともにこういう曲が唄えるようになるのもまた出会いの一つだと思います。

サウンド的にはピアノのフレーズを切り刻んでリフレインさせたり、
ストリングスのフレーズを切り刻んでリフレインさせたりと、
クラシック要素も取り入れたEDMに仕上げました。
それでも最初に言いましたように、かなり細かいリズムがふんだんに入っているので、
決してどんくさいスローバラードで無い事は聴いていただけるとわかると思います。


「Password is 0」
「Password」にもいろんな意味がありますが「合言葉」と和訳。
なので「合言葉はゼロ」というテーマを掲げ作曲し始めました。

Aメロの部分のメロディが浮かんでから、
作曲自体はかなりスムーズに進んで行きました。
そのAメロの「ゼロゼロゼロPassword isゼロ」の部分の「ゼロ」の所は
メロとともに「ゼロ」が入るつもりで書いたので
曲と同時に歌詞が出来て行った感じでした。

ただ一般的には「ゼロ」とか「無し」って
なにかネガティブな印象もありますよね。
「ゼロ」というテーマの中、
歌詞全体の意味をポジティブに持って行くのに苦労しました。
でも、「生まれてくるのに理由なんてゼロ」という言葉に気がついてからは
作詞もサクサクと進んで行きました。

自分の中で「良い!」「いける!」って作品は、
ヒントを掴んでから短時間で仕上がるもので、
実際そういう作品程結果が良いものが多いです!
なので、今回は「心配ゼロ!」です!

auのCMソングとしても依頼されていたのですが、
「明るく元気な学割曲!」ではなく、
つんく♂らしく「クールでスピード感があって少々ハラハラドキドキするスリリング感」
みたいなのを重視してサウンドを固めて行きました。

その方が今のモーニング娘。'14にとっても
パフォーマンスそのものがかっこ良くなり、
実際のライブででも盛り上がる事、間違い無しになると思ったからです。

実際に上がって来たパフォーマンスもかなり激しく、クールでスリリングです。

10名のダンスのシンクロ率もかなり良いですね。


道重:風格も出て来ました。発言一つ一つも重いですね。
唄下手を売りにしてきてましたが、ここに来てググっと上手くなってきました。
ダンスも大人な色気も出て来ています。成長ですねぇ。
今はメンバーにするどく突っ込んだり、「なんで、こんなことも出来ないの!」
って言ってますが、10数年前の本人に伝えてあげたいですね。

譜久村:ダンスもパワフルになって来ました。エッグだった頃はどんくさそうに
見えたんですが、最近はキレもあります。歌も表情が付いてきました。
エッグ時代のどんくさ感は無くなってきました。とはいえ、アドリブ振られたり、
ハプニングに一人パニクって焦ったりする顔はやっぱふくちゃんやなぁ~って思い、萌えです。

生田:出たっ。っていっつも思う。この子が視界に入ってくるとなんかしらんけど、嬉しくなります。
何かが起こりそうな気がするからです。ダンスも歌もいっつも練習してるんですが、
「え?!どこを練習してた!?」って思う程、とんちんかんな事もあります。でも、おもろいです。
「時空を超え 宇宙を超え」に関して言うと、ビデオの中の表情を見てあげてください。
彼女なりの表現なんです。とてもいいですよね。

鞘師:この子は本当にいい子ちゃんなのか、単なるくそ真面目なのか、
いやいや、まだまだ腹に一物二物も持ってる子なのか、謎です。
ただ単にいつもまっすぐぶつかってくる子です。集中してると何度でも同じ事を
繰り返し、自分のものにしていく能力が高いです。その分スイッチをOFFると
どんくさいです。つまずきます。転びます。

鈴木:最近はちょっと自分のキャラを掴み始めましたね。
まだ迷ってる時、こっちが少々ドギマギするんですが、それでも、何かが動き出したような気がします。
この子がブレイクした時、モーニング娘。'14がお茶の間に認知される時だと思います。
もともと歌もダンスもある程度の力を持ってる子なんで、自信がつけば一気にはねるはずです。

飯窪:ぐんぐん伸びてます。やはり入った頃になんの素養も無い子って、後からグングンくるよね。
年齢的には道重の次やけど、素朴感で言うとメンバー1かもしれん程真っ白でした。
そんな子がメンバーになっていろんな事を吸収してくのってすごい加速度です。
カラカラに乾いていた砂漠の地面みたいな感じでどんどん水分を吸収して行きます。

石田:どんどん悪キャラが成長してますねぇ。こんなに小悪魔に成長してくれるとは。
とはいえもう17歳なんで、世間の女の子からすればまだまだかわいいもんか。
身長が小さめなんで、幼くも見えますが、キリっとした表情はなかなか鋭いもんがありますよ。
歌を丁寧に歌えるようになってくれば説得力も増しますね。
楽しみです。

佐藤:う~ん、どうしますか?!この子は。ってくらいすごいです。
過去の辻や加護もハチャメチャやったけど、それとはまた違う。
ちゃんとしてる面もあるのに、音楽の事も良くわかってるのに、
でも、ガシャーン、パリーンって効果音が聞こえるようなそんな一挙一動です。
さっきも言ったように音楽の事も分かってるので、理屈を越えて自分でカラダで歌なんかを
掴めばかなり伸びます。

工藤:おもろい子です。ほんま天然です。自分ではしっかりしてる子な面が
またかわいいです。そしてめちゃ美人になってきました。ダンスに迫力が出るには
後1~2年。もう少し大人体系になるとこの子のダンスは急にキレが出てくると思います。
その頃でも今のように天然で居てさえくれればかなりの頼もしいメンバーになってくれると思います。

小田:落ちついて来ましたね。やっとなじんで来たかな。
30歳以上の「おかん」的要素も持った子なのに、時に3歳児みたいな顔もする。
歌声は大人びている。しっかりした音も出る。
だからこそ小手先だけでなくしっかり歌えるように、心から発声出きるようになれば、
かなりの確率ですごい歌手になれる可能性を持ってます。
もう高校生になったんだから「歌うま中学生」で終わらないように努力したいですね。


ここに新しいメンバーが入ってくるのがとても楽しみです。
期待ですね。