HEADWAY HD-106を手にしたことが運命?
もう30年以上も前だ。
その時勤めていた職場でバンドを組んだ時、僕が持ち込んだHEADWAY HD-106を見て、
「私も同じブランドのギターを使っている」という女性がいた。
それがきっかけとなり、おいらの嫁になった、そう・・・「るりんこ」さんとの馴れ初めである。
彼女のギターはHEADWAY HD-110。
オール単板で、トップはスブルース、サイド&バックはローズ。指板とブリッジはエボニー、ネックはマホガニー。ポジションマークはドットのみで目立った装飾はなく、とてもスタンダードなギターである。
ただ、現代でこの仕様のギター、しかも国産かつビルダーが百瀬さんともなればかなり高価なギターになると思った。価値は金額と必ずしも合致するものではないが、それでも指標にはなると思いちょっとしらべてみた。なんと・・・HEADWAYの復活間もない2001年のカタログによると、同じ型番のHD-110は仕様も似ていて\230,000-との表記である。当時10万円だったので倍以上の値がついているということだ。
今は百瀬さんの手がけるギターはすべてオーダーメイドのみとなり、価格は60万以上だ。なんとも貴重なギターが我が家にあるものだと思った。
あまり好みの音ではなかった。
るりんこはストローク派であったから、僕が手にした時はとにかく生音のボリュームが半端ない状態だった。しかしローズらしく深みがあるといえば聞こえはいいが、正直なところ低音が響きすぎて中音から高音が引っ込んでしまうようで、合板とはいえマホガニーを使っている106のライトな音質の方が僕の好みであった。
HEADWAY トリオ。
そんな訳でHD-110は長くケースの中で眠っていた。もちろん「るりんこ」の所有物というのもあって遠慮していたのも事実だが、やはり弾いてあげなければギターの意味がないからケースに閉じ込めておくのはかわいそうに思うようになった。
そこで「ツイキャス配信」時に使うギターとして引っ張り出した。当初は特に定めていなかったが、手にしたHEADWAY HD-311も加えて、「HEADWAYトリオ」を構成してメインで活躍してもらうことになったのだ。
つまり、311はノーマルチューニング、106はノーマルチューニングでカポタスト使用、110は1音♭のチューニングという明確な役割をあてて、使い分けている。
ミディアム弦の活用が印象を変えた。
1音下げるということは弦のテンションが落ちるわけで、ハリの無い更にボケた音になってしまうと考えて常用のライトゲージではなくミディアムゲージを使ってみることに・・・これが大正解となる。
使ったのはエリクサーのミディアムで、もともとシャリ感のあるエリクサーとミディアムが出す固めの音によって、低音が補正されてバランスの良いサウンドに変貌してとても印象が良くなったのである。
そんなわけで、現行のツイキャス配信はこのHEADWAYトリオにYAMAHAの12弦を加えた構成である。
あれこれ持ち替えてもそれぞれの特性も踏まえたストレスのない心地よい音が心を満たしてくれるのだ。
おいらと音楽「アコギ編」④ HEADWAY HD-110 [完]