かわいそうな猫を保護して
ピカピカにして譲渡する、
体の半分がコンビニおにぎりの
猫と共に生きる独身のおじさん…
という風にまとめられた
ねこかつのおっちゃんの情熱大陸。

『保護猫カフェ』というくらいだから、
保護して里親さんにつなげる施設であるし、
かわいそうな猫からしあわせな猫への
変貌は確かに感動を呼ぶものでもある。

そんな保護と譲渡をがんばるおじさんの
奮闘を描いていただいたことで
"迎えるなら保護猫を!"という気持ちに
なった視聴者の方がいらしたら
それはそれで意義深いこと。

ただ、誤解しないでいただきたいことが。
このおじさんも周りのボラさんも、
保護と譲渡以上に、
蛇口を締める活動を
がんばっているのです。

蛇口を締めるとは、
殺処分されるほど溢れている"かわいそうな子"の受け皿となる(=保護・譲渡)ばかりではなくて、
そもそも"かわいそうな子"がこれ以上増えないようにするための活動を指します。

例としては、TNR・地域猫・正しい法改正(8週齢規制・数値規制・動物取扱業のライセンス制)・啓蒙啓発…などが挙げられます。

猫ボランティアはむしろこの役割を果たしてこそ活動の意味があります。

保護すべき子を減らし、
保護活動は縮小していかねばなりません。

そこだけ誤解しないでいただきたく思います。

保護猫カフェという名だけれども、
保護・譲渡だけやってるわけじゃない。
その前段階(蛇口を締める)があってこそ。

*

また、誰にでも猫を譲渡できるものでもありません。
お家へは基本2回以上うかがいます。
脱走させないよう工夫していただきますが、
万が一脱走したら見つかるまで一緒に探します。
脱走対策を怠る人には譲渡しません。

*

保護猫カフェは儲かりません🙄
そもそもこの保護活動、医療費・光熱費の権化です 笑

保護猫カフェまでもを
ビジネス愛護、保護ビジネスなどと
呼ぶ方がおりますが、
保護活動に限らず、
活動や仕事に必要な経費は
活動において生み出されるのが
一番健全だと私は考えております。

活動費を活動の中でまわす策として、
保護猫のいる空間を
(ウイルス感染などの)リスクを背負って
カフェとして公開する保護猫カフェは
理にかなった保護活動です。
とはいえ、ねこかつ含め、
私の周りの多くのボラさんが
身銭を切って活動されています。
(実際には足が出るので持ち出しが多い…
というのが保護猫カフェあるある…)


保護犬猫を"使って"
資金集めばかりしている団体や、
ブリーダーなどから
産めなくなった繁殖犬猫や
売れない犬猫を引き取る
生体販売業界の下請け愛護などの
ビジネス愛護・保護ビジネスと
一緒くたにされるべきものではありません。

*

生体販売批判や、
一般の方へ説明するには短時間では
難しいTNRについて、
取り上げられなかったのは悔しいながら
もはや仕方ない😁

もっと掘り下げてくださる、
「次」につながれば!と願ってやみません。

ねこかつじゃなくても。
一生懸命やっている誰かの活動を、
込めた願いを、その効果を。

蛇口を締める活動はTV的には
色々…大人な事情で厳しいことなのだと思う、
それは今までの諸々を見ていても思う。
けれども、活動の柱をこそ知っていただきたい。

"不幸な命"、"かわいそうな子"…などと
いわれる子たちがいない社会を
目指していること。

犬や猫をはじめとするどうぶつたちは
人間への癒しばかりを求められて。
殺処分や生体販売、虐待という残酷な
現実を強いられている。

それを変えること。
そこを変えること。