「作家の食卓」/食卓に見る作家たち | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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コロナブックス編集部
作家の食卓  

目次
作家の食卓
立原正秋/石川淳/永井荷風/壇一雄/円地文子/色川武大/森瑤子/寺山修司/
澁澤龍彦
(コメント 立原潮/石川活/永井永光/壇太郎/冨家素子/色川孝子/伊集院静/
加藤タキ/九條今日子/澁澤龍子)
好きな場所、愛した味
内田百閒/織田作之助/谷崎潤一郎/白洲正子/吉田健一/池波正太郎/森茉莉/開高健
作家のおやつ
林芙美子/岡本太郎/獅子文六/吉行淳之介/宇野千代/山口瞳
食卓をめぐるエッセイ
食卓のポルトレ
ことばの御馳走帖
食いしん坊作家たちのアラカルト事典

料理に関する作家本人の小説や文章からの抜粋、ゆかりの料理の写真、それぞれゆかりの人々のコメントで構成される、満足、満腹の一冊(ゆかりの人によるコメントは、「作家の食卓」の章のみだけれど)。

色川武大さんちの、大きなクマのぬいぐるみとか(一体、ナぜ??)、「大きな体を伸ばしてくつろいだ、とっておきの場所」であるソファーなど、作家のプライベートが薄っすら透ける。色川さんの本は、このブログでは全然書いてないけど、沢山読んだ時期もあって、好きな作家さんなのです♪(それらの本は、実家なんです・・・)

食卓をめぐるエッセイ」では、「マドレーヌ菓子に蘇る<失われた時>」なども素敵。これ自体、有名なエピソードのようだけれど、マルセル・プルースト「失われた時を求めて」におけるマドレーヌ菓子のエピソードが紹介される。紅茶にひたしたマドレーヌを口に入れた時、忘れていた幼き日々があふれ出すように蘇る。匂いや音、記憶を連れ戻すものは数あれど、食による記憶は結構根強い。無条件に幸せになるメニューを沢山持ってる方が、何だか幸せに生きていけそう。あの長さに恐れをなして、一度も手にした事はないんだけど、「失われた時を求めて」にもちょっぴり興味が沸きました。