DVD「サイダーハウス・ルール」 | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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角川エンタテインメント
サイダーハウス・ルール DTS特別版

孤児院「セント・クラウズ」で育った青年、ホーマー・ウェルズ。

私は彼を”永遠の孤児”にしたのだろうか
だが惜しみない愛情が―
孤児院を家庭に変えた

養子縁組に二度失敗したホーマーは、孤児院の老医師の右腕として仕込まれ育つ。彼は高校にすら行っていないのに、分娩から堕胎まで、産婦人科医としての確かな腕を持つ。舞台は1940年代のメイン州。孤児たちが寝る前の、老医師の挨拶の言葉は、「おやすみ、メインの王子、ニュー・イングランドの王」

どんな人生でも、人の役に立て

こう言われて育ったホーマー。老医師は彼を自分の跡継ぎとして考えるが、彼は外の世界へ出て行ってしまう。「サイダーハウス・ルール」は、このホーマーの「行きて帰りて」の物語。

ジョン・アーヴィングの原作で、脚色も彼が行ったとのこと。人間の汚い面、弱い面が、あくまで明るく描かれる。アーヴィングを読んだのは随分昔で、覚えていることはとても少ないのだけれど、混沌とした人間を、明るい筆致で書いていたイメージが残っている。映画に戻るけれど、決して嫌いではないし、いい映画だとは思うのだけれど、こういう描き方は少し苦手だ。amazonなんかを見ると、これ、文句なしの「感動作」なんだけれど。ミスター・ローズのエピソードなどはかなりな痛さ。そういえば、ずーっと前に見た、同じ監督の「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」も駄目だったのだよなぁ(「サイダー~」の方が良かったけど)。情緒で見るせいか、自分は淡々とした表現から、何かを汲み取ることが下手なようだ。

自然の美しさと、人間の弱さ、汚さが印象的な映画だった。「行きて帰りて」だから、青年ホーマーの成長もいいのだけれどね。老医師が良かったな。しかし、あんなにエーテル吸っちゃあいかんだろう。舌、痺れますぜ。