まずお断りしておこう。


私はメガバス【X-80SW LBO】で一匹も釣ったことがない。


名作と噂に高い旧モデルも同様。

一度もシーバスが釣れたことはない。

正確に言えば、釣る前に失くなってしまう。

使い込む前にいつも姿を消してしまうのだ。

引っ掛かって帰ってこない。


当然このルアーの事はよく分かってない。

それでも、大のお気に入りなのである。

ハチマルことX-80。

一目惚れと言って良かった。 


ただ、私には縁がない。

くっついては離れ、くっついては離れ。

右肩下がりの不毛なイタチごっこを続けている。

そろそろこの関係に終止符を打つべきだ。

未来に向かって歩き出したい。



だから…「ストップ!ちまちま買い」





4個あれば暫く大丈夫だろう。



物価高やサブスク地獄に悶え苦しむ昨今、これ以上のまとめ買いは不可能だ。

これを元にハチマルの秘密に迫ってみよう。

カラーは決め打ち一色のみ。

あれやこれやと幅広く選ぶより、お気に入りを使い倒すほうが性に合う。

疑って安全を保つより信じて裏切られた方がよい、ってあの傾奇者も言ってたでしょ?



メガバス【X-80SW LBO】

全長 : 82mm

重量 : 12g

仕様 : シンキング

深さ : MAX1.7m

フック : #6 × 2

アクション : タイトローリング



考えれば考えるほど、この「X-80SW LBO」は私の釣りにピッタリだと思う。


私は河川シーバス釣り5年生。

水に浸かる恐怖に打ち勝つことが出来ない、チキンなおかっぱりアングラー。

陸上万歳、大地万歳。

ただ悲しいかなそこは干満差の激しい天下の九州フィールド。護岸からの魚釣りでは干潮廻りは手も足も出ない。

おかっぱりでは釣りにならないのだ。

み、水がない…。

消去法でやむなく満潮廻りを狙う他ないのだが、恐ろしいのはその水深。

3~4メートルならまだマシな方、場所によっては5メートル超えの地獄絵図が待ち構える。

これは辛い。

このレンジからシーバスを探すなんて非効率極まりなく、私の悩みはいつまで経っても尽きることがない。





魚が浮き上がっていれば何の問題もない。

だが、当然そんな日ばかりではない。

中層もしくはボトムに張りついているようなシチュエーションはまさに絶望の淵、攻略には恐ろしく難儀してしまう。

というより無理だ。

私の如きボンクラにはハードルが高過ぎる。


我がつなわたり軍団のボトム要員は、

スイッチヒッター85S

ミニエント57S、レンジバイブ70ES

などが控えている。

彼らへの信頼が揺らぐことはないが、正直少し物足りない。なぜか心許ない。


そう、深いレンジを攻略出来るミノーが必要なのだ。


私はデイゲームの頻度も高く、どちらかと言えば巻きの釣りが好き。

だからブリブリ泳ぐタイプよりタイトなローリング系の出番が俄然多い。

サーフェスワンダーやコスケシリーズを愛してやまないのは、そんな理由からである。

ただ、レンジの深いローリング系ミノーはシーバス用途では意外に種類が少ないようだ。

特に9cmクラス以下。

ない、ない、ない、本当にない。

私の求めるルアーは一体いずこに?

数年に及ぶ探索の旅は未だ続いている。


ここでこれまでの遍歴を少しだけ紹介させて頂く。

私の苦悶の日々をどうぞご賞味あれ。







ダイワ/ベイソールミノー73S DR

旧モデルの低飛距離っぷりには驚きを隠せなかった。

この新モデルは大幅な飛距離UPが実現化され(同モデルとは思えない!)、フックも#6を背負えるようになり、満を持してのアップグレードが窺い知れる。

ただ、深さMAX3mって…さすがに潜り過ぎだろう。川で使えばサヨナラはすぐそこだ。

ブリブリっとした泳ぎはやはり港湾のルアー、「壁打ち」「寄せる釣り」など海の用途に適してそう。







ジップベイツ/ザブラ ウィスパー96S

このルアーは本当にハマった。思いの外よく釣れたし、個人的には大変思い入れのあるミノー。レンジは約1m。

唯一困ったのが重心移動システムだ。

着水する→軽いジャークでウェイトを戻す→激流に流し込む→なぜか頭をぷかぷか浮かべて戻って来る

あの姿を見るたび毎度毎度、本当に死にたくなった。

深めのレンジを泳いでるはずのお前さんがどうして?(泣)

扱いが難しく私のような素人向きではないと判断。







アピア/アグザ80

このルアーを知った時は思わず膝を叩いた。

監修した村岡氏のコメント「水深1mのスーサン」

これだ、私はきっとこれを探してたのだ…。

長い探索の旅が漸く終わりを告げようとしていた。

待ちに待った初登板、思いきってフルキャスト。目の前に落下。あれ?おかしいな…。ライントラブルを疑いリールを二度見。異常はない。

気を取り直し再度フルキャスト。やはり目の前に落下。「水深1mのスーサン」は飛距離もスーサンだった…。


※スーサンはそもそも大好きなルアーなのだけど飛ばないのが唯一の難点。アグザ80は14gってなってたから飛距離の方は完全ノーマーク、まさかこんなことに…(泣)







「X-80SW LBO」のキャスタビリティは素晴らしい。

初キャストで私は驚いてしまった。

旧モデルですら「古いルアーなのに結構飛ぶなぁ」なんて思ってたくらいだから、それを大きく上回る飛距離には脱帽しかなかった。

メガバス新重心移動システムLBO恐るべし。


しかも安定している。

これはカゲロウ124Fを使ってみた時の感想と同じで、とにかくキャストにムラが出ない。

似たサイズのアイマ/コスケ85F(11.5g)。

私の使用頻度はかなり高い。

こちらもよく飛ぶ優秀なルアーであるが、安定感も最大飛距離も「X-80SW LBO」は勝るとも劣らない出色の仕上がりとなっている。

LBOによる立ち上がりの良さは、素人の私にはQUOカード5,000円分より有難いギフトだ。





リップの強度が改良された点も嬉しい。

一度旧モデルのリップを折ってしまった経験があるので、このあたりはメーカーも課題だったのだろう。

くぼみが失くなった理由は知る由もないが。


高名なジャーキングミノーとしての用途はそもそも考えていない。

残念だが四十肩の悪化でそれどころじゃない。

こんな長リップのミノーでジャークなんて…。

3キャストもこなせば呆気なく肩が破壊されると思う。


ただ巻き1本、コレでゆく。

私が好きな感じのアクションだし、巻きの釣りに滅法強そうだ。

コスケに比べれば少し波動が強そうなので、場合によってはフックの番手を上げ、泳ぎを抑えてみるのも面白いかもしれない。

色々妄想を膨らませるのもまた楽しい。

あとは釣るだけだ。(失くさずに)


メガバス【X-80SW LBO】はすぐにでも一軍入りを果たしてくれるはずだ。

軍団の中心的存在になってくれるだろう。

活躍の姿が目に浮かび、私の心も踊る。

このブログでも進捗をご報告していければと思う。

万が一、あくまで万が一の話ではあるが、いつまで経ってもハチマルに触れる気配がなければ…その時はお察しを。