神は実在した。




今月6月、私はとうとう爆発した。

例年通りなら特筆すべきことはない。
昼は仕事で汗にまみれ、夜はシーバス釣りで雨に打たれ、ただただ頭をハゲ散らかす。
魚などろくに釣れやしない。
ハゲ散らかしホゲ散らかしの散らかし三昧。
そんな無味乾燥な1ヶ月のはずだった。

今年は違った。
この水無月を私は一生忘れないだろう。


8回行って7回釣れた。


ほぼ釣れた。
特に前半の潮回り。
デイもナイトも。
ホームでもアウェーでも。
打率に直せば.875。
…嘘だろう?
これまで「知的でない釣行」を散々繰り返してきただけに、未だ信じられない。
あり得ないレベルの大快挙だ。

九蓮宝燈?
アカデミー賞8部門総ナメ?
コロッケのディナーショー神席?

生ぬるい。
そんなものじゃ全然足りない。
この喜びを伝えることが出来ない。

1年8ヶ月ぶりの70upが1本。
スズキクラスが3本。
しめてトータル13本。

エキスパートならダサダサの貧果でも、シーバスお豆さんの私にとっては驚異的な数字。
これまでの不甲斐ない道のりを思えば、考えられない大金星なのだ。
増水パターンなんてよくわからない。
わからないが雨の恩恵を受けたのは間違いないだろう。

本当に嬉しい。
嘘でもいい、まぐれでもいい。
とにかく信じてやってきて良かった。








記事は重要だ。
つなわたりのシーバス概念が大きく変わる可能性がある、とウォール街は観る。





この幸運を私なりに分析した。
神の御心で片付けてはならない。

まずは弱点の改善に取り組んだこと。
これが一番大きい。
河川シーバス釣りを3年やり込んで、はっきりわかったことがある。

どうやら私の集中力は60分が限度らしい。

残念だ。
1時間で電池切れとは情けない限りだが、まずはこの現実をしっかり受け止めたい。

最初はいい。
ナイトシーバスの基本であるスローリトリーブがしっかり出来ていると思う。
いわゆる流しの釣りだ。
糸ふけを取る程度にミノーやシンペンをゆっくりと流し込む。

しかし幸せは長く続かない。
巻きはどんどん早くなる。
日頃の運動不足のせいかしらん?
早く巻くの気持ちいい。
60分を過ぎた頃にはシャローでバイブを引っ張るくらいの速度になっている。
ダウンに差し掛かったミノーは雄叫びを上げてうねり狂う。

これだ。
これがマズイのだ。


以前からわかっていた。
わかっちゃいるけどやめられない。
私は早巻きを止めれない。

長丁場でうまくいった試しがないのは、きっとこのせいだ。
静寂に包まれた深夜。
そして青物狙いの如きパワフル波動。
水中の魚たちもルアー開発者も、きっとパニックに陥っているだろう。

なにがしたい?
一体なにがしたいのだ?
あれだけ勉強したドリフトはどこいった?
私は自分が嫌いになる。

よし。
それなら決めごとをしよう。
絶対的なルールで自らを縛りつけよう。

そこで今月から実践したのが以下の通り。

「60分ごとのインターバル義務付け (要着席)」


これが効いた。
急激に魚の反応が良くなった。
今まで何やったん?
暗黒時代は、終わった。

私はとにかく徹底した。
時合だろうがボイルが出ようが、必ず1時間ごとに休息を入れた。
雨でびしょびしょの草っぱらでも、必ず座って体力の回復に努めた。

シーバス4期生となり私は生まれ変わった。
眠眠打破がプラスされれば、半永久的にスローリトリーブができる体になった。


また最近覚えた縦の釣りが大きく貢献した。

私なりの新メソッドだ。
(世間ではありふれたテクニックだろうが)
これをローテーションに加えるだけで釣果が劇的にアップした。
プラグを使った巻きの釣り、つまりは横の釣りしか知らない私にとって、この釣法はまさに目から鱗だった。
やっぱり手数の多さって大事なんだなぁ。

船のシーバス釣りなどで耳にするバーチカルジギング。
ちょんちょんとロッドをあおりジグを軽くダートさせ、その後ひらひらフォールさせる。
おそらくそのイメージに近いはずだ。

それを川の流れの中でやるだけ。
ジグの代わりにフォールの遅いシンペンを使っているだけ。

このメソッドで大活躍中なのが、

DUEL / ヘビーショット85mm

もう泣きたくなるくらい愛している。
このルアーのお陰でシーバス釣りが3倍楽しくなった。
ありがとうデュエル。
このルアーについてはもう少し使い込んで、改めて記事にしてみたいと思っている。


私にとって夢のような6月が終わった。
正直、未だ興奮は覚めやらない。

改めて感じたこと。
シーバス釣りってホントいい。
楽しくて仕方ない。
ゼロから始めただけに道のりは険しいのだが、こうやって答えが返ってきてくれるのが何とも堪らない。
少しずつ少しずつ、力をつけていきたい。




最後に…

今年は梅雨明けが早かった。
すでに来年の梅雨が待ち遠しくて仕方ない、未来の私へ自戒の言葉を。

安全第一、釣果は二の次

増水って本当に怖い。
梅雨の釣りをやってつくづく痛感した。
増水パターンなんて聞くけれど何のことはない、ただ危ないだけだ。
くれぐれも自分を見失わないように。
目先の釣果に眩み、危険に身を晒す馬鹿な真似など決してしないように。

私よ、しっかり!