そんな類いのブログ、雑誌や動画などをこれまでくさるほど見てきた。


膨大な時間を費やしたと言っていい。

勤勉な性格上、ありとあらゆる情報を入念にチェックした。

薄っぺらいものから重厚なものまで。

そして現場で忠実に実行してきた。

楽をしたいわけじゃない。

少しでも上達したい、シーバスに近づきたい、そんな純粋な思いから。


だからこそ言える。


「シーバス初心者が海や川でルアーを使って簡単に釣る方法」


そんなのないやん。

嘘やん。

シーバス全然釣れんし。

本当にあるならこっそり教えて欲しい。

10万くらいなら全然出す。





1年7ヶ月ほど「いい釣り」をしていない。


長い冬が続いている。

私は少し疲れてしまった。

精神的ダメージのせいだろうか、5月はエギングへ逃げてしまった。

良型シーバスなど他人の写真以外では随分見ていない。

不毛な時間があまりにも長過ぎて、シーバス釣りで笑った日すら思い出せない。


こりゃいかんな。

気分転換でもしよう。

時間を見つけ釣行記録を掘り起こし、この一年をゆっくり振り返ってみることにする。



【R3年6月~R4年5月  年間記録】


打数 (釣行回数) / 63

安打 (40cm~) / 9

二塁打 (60cm~) / 2

本塁打 (80cm~) / 0

打率 / .174



週間記録ではない。

安打も殆どが40前半のポテンヒット。

失策(ルアーロスト)は恐ろしくて数えてない。

全く気分転換にならない。





今月を以てキャリア4年目を迎えた。

それで1割台?
悲惨な数字に我ながら驚いてしまう。
しかも私は橋脚専門。
ほぼバッティングセンター。
それでコレ(.174)とは開いた口が塞がらない。
まだ伸びしろだらけだから、とオデコ続きの自分を慰めてきたが、最近は掛ける言葉も見つからない。
考えもしなかったが、私は既にピークアウトに向かっているのかも知れない。

ウソ?
まだ何もしてないのに?
魚、全然釣ってないのに?

私のシーバスライフ。
明るい未来を夢見てきたが、ここへきて旗色が変わったようだ。

【積み重ねた実績、自信みなぎる円熟期】
【突如釣れなくなった大スランプの暗黒期】

そんな山も谷も一切なく、フラットなまま静かにエンディングを迎える可能性が高まった。

そういえば。
前職の顧客にJRA調教師がいらっしゃった。
第一線でバリバリ活躍されていて、競馬ファンなら誰もが知る著名な先生だ。
その先生が口癖のように仰っていた。

「走る馬は8割方、血で決まる」

その話を思い出して背筋が冷たくなった。
アングラーも同じ…なのだろうか?




シーバス初心者のブログにお邪魔する。
うんうん、分かる分かる。
そうそう、私もそこで躓いた。
始めたころのあるある失敗談を思い出し、懐かしい思いに駆られる。
初心忘るべからず。
こちらも良い時間となった。
どうかめげずに頑張って欲しい、と心からのエールを贈る。

そしてまた忙しい日々に戻る。

ふう。毎日慌ただしいなあ。
そういえば彼はどうしてるかな?
…ふと気になった。
少しは釣れるようになっただろうか。
挫折して辞めたりしてないだろうか。
心配になって久々訪問。



釣果にサイズ、そして理解度。

全て私を上回っている。
しかも圧勝。

言っていることも半分くらい分からない。
理論武装がえげつない。
もう私の知ってる彼じゃなくなった。
私は黙ってその場から離れる。

自然とこんな経験が増えていった。
そのうち、どんな初心者にもだいたい半年程度のキャリアで追い抜かれることがわかった。




私は今、いちアングラーとして身も心もどん底にあることを認めようと思う。
正直行き詰まりを感じている。
シーバス釣りを始めて以来ずっと行き詰まっているが、現在、過去イチ悩んでいる。

これまで独自のリサーチを重ねた結果、
【一定以上の時間・情熱を有しシーバスと対峙する者 = それなりに釣りをやっている者】
という土俵内において、謙遜抜きで、私は国内最下位者であることが判明した。
恐ろしいことだが多分間違いない。

願いはひとつ。

下が欲しい。

ブービー賞でいい。
とにかく下に誰か欲しい。
出来れば理解力や応用力に乏しい人がいい。
センスの欠片もないような人がいい。

アングラーとして私より低レベルな抜作先生を見つけ出し、とにかく安心したい。
勇気づけられたい。
そしてモチベーションをキープしたい。

そんな下衆な思いを胸に抱き、web検索に励む毎日を送っている。
私は堕ちるところまで堕ちた。
もうダメだ。