先日ネットニュースで久方ぶりに現代のベートーベンこと佐村河内さんを見た。

元ゴーストライターさんとマンツーマンでの対談を望んでいるらしい。

実を言うと、非常に安堵した。

氏の安否ではなく神奈川在住とあったから。


ずっと言えなかった秘密。

ご近所に佐村河内さんらしき人がいる。

正確に言えば同じ駐車場を借りている、名前も家も知らない中年男性。

初めて見たときは言葉を失ってしまった。

あの会見時の短髪佐村河内さん。

死ぬほど似ていた。

…まさか?

まさか?

その日は仕事が手につかなかった。

笑い話で済ませられないレベルだったので、今後の対処について家人に相談した。

一蹴されてしまったがすっきりはしない。

そういえばあの騒動の後からだ、駐車場でお見かけするようになったのは。

これは…やはりご本人かも知れない。


ここは地方だしそんなバカな…という思いと、何かのツテがありこちらへ潜伏されてらっしゃるのかも…という思いが交錯して、以後お姿を拝見してもまともに正視出来なかった。

声をかけたところで果たして聞こえてらっしゃるかどうか…よからぬ心配もした。


神奈川在住。

人違いで良かった。

長いことご無礼を働いたので、今後はきちんと挨拶しようと思う。

あの仕上がり具合だ、きっと周りから散々騒がれてきたに違いない。

事情を説明すれば笑って許してくれそうな気もする。


何はともあれ、本物の佐村河内さんの今後のご活躍を願うばかりである。






それはそうと、タモの柄を新調した。


シマノ/ランディングシャフト Gフリー550




全長  :  5.5m
仕舞寸法  :  約65cm
自重  :  410g  

着想から入手までにかなりの時間を要した。
なんせ高い…実売価格で3万円前後。
私の愛用ロッド「ラテオ96M」より高い。
竿より高いタモの柄なんぞ、こげん馬鹿な話があるか!
垂涎ものの商品概要を眺める度に、私はひとり憤慨した。
しかし欲しい…。
長さの割りに驚異的に軽い。
仕舞寸法だってそこそこ短い。
インプレなどで確認してみても、機能面や耐久性に対して高評価の声がずらり並ぶ。
くっ…。
欲しくて仕方ない。
価格面の折り合いがつかず長らく指をくわえるだけの日々だったが、この先続くであろうシーバスライフを見越し覚悟を決めた。

私は河川シーバスのおかっぱりスタイル。
護岸からの釣りではタモ携帯は必須となる。
これまで2つのタモの柄を使い分けてきた。

メインはオリムピック/ステーザ390
全長  :  3.9m
仕舞寸法  :  約57cm
自重  :  335g

これは良い買い物をしたと思っている。
1万6~7千円くらいで購入したはずだ。
今もまだ市場在庫は残っている様子。
軽いわ短いわ。
本当に便利が良かった。
長さも程よく4m弱、河川シーバスのおかっぱりなら殆どこれで事足りる。
心配していた耐久性に関しても、2年間のフル活用で全く支障をきたさなかった。

サブはダイワ/ランディングポールⅡ500
全長  :  5.0m
仕舞寸法  :  約70cm
自重  :  587g

もともとはエギング用として購入した。
実売1万2~3千円でリーズナブル、そのくせ造りはしっかりしていて安物特有のグニャっとしたたわみもない。
ただ、なかなかの重さ。(泣)
夏場のランガンなどでは命に関わりそう。
足場の高い護岸や港湾で使用してきた。

手前  :  オリムピック/ステーザ390
中央  :  ダイワ/ランディングポールⅡ500
奥  :  シマノ/ランディングシャフトGフリー550


ライジャケ姿では背中掛け、ポーチ姿では腰掛けスタイルでタモを利用している。
ランガンがメインとなるシーバス釣りでは、タモの柄の自重には拘るべきだ。
枯れかけた中年なら尚のこと。
たかだか数百グラムの差は意外に大きい。
毒に冒されたドラクエを思い出して欲しい。
数歩毎に喰らう1ダメージは、時間の経過と共にやがて大惨事となる。
私たち非タフガイのライフゲージは信じられないほど少ない。
確実に肩や腰にくる。

また、腰掛けタモはズボンをずり落とす。
重いタモほどズボンの落下が早いのは言うまでもない。
集中している時、疲れた時。
下手をすればパンツにまで被害は及び、尻の割れ目まで晒してしまうことになるだろう。
中年の半ケツ腰パン姿は実に痛々しい。
写真を撮られ強請られでもしたら大変だ。


短ければ軽い、長ければ重いのは当たり前。
要はそれぞれの使い分けだろう。
自分の釣りスタイルに適したタモの柄を使えば良いのだ。
私は疲れてしまった。
2本のタモの柄を常備することに、ほとほと疲れてしまった。

虚弱体質のこの身を恨む。
少し悩む局面でも、結局は短くて軽いタモの柄「ステーザ390」をチョイスしてしまう。

①水位の高い満潮帯では無反応
②水位が下がり流れが効き始める
③ついに待望の時合到来
④頑張って待った甲斐あった
⑤でもタモはもう届かない

粘った遠征先で予想外のアクシデント。
ここは干満差が激しいんだっけ…とすごすご現場を後にする、あの虚しさ、情けなさ。
こんな経験は二度としたくない。


そんな私のもとへやってきたのが「シマノ/ランディングシャフトGフリー550」なのだ。

私のタモの柄二刀流。
短くて軽い「オリムピック/ステーザ390」
長くて重い「ダイワ/ランディングポールⅡ500」
Gフリーのお陰でもう必要なくなった。
たった一つで二つの役目を果たす奇跡。
長いこと、軽いこと。
高値を張っただけあった。
ただこの二つのタモの柄を合算すると、めでたく3万円前後になる現実は見逃せない。
最初からGフリー買っときゃ…なんて女々しく思うのはよそう。
ここに辿り着くまでの過程が大切なのだ。
と言い聞かす。

ひゃあ、本当に軽いや。
伸ばしてみたらとても滑らか。
網はスルスルと落ちて行く。
こいつはいいぞ。
まだ魚は掬っていないが、これから先きっと活躍してくれるだろう。
さあ、今シーズンも頑張るとしよう。


新作スタスイ100ES、これも来たことだし