ひと昔前、パリーグ・西武ライオンズにデストラーデという外国人選手がいた。

秋山、清原、デストラーデのAKD砲。

野球ファンならずとも名前を覚えている方は多いのではないだろうか。

一世を風靡したあの弓矢を引くガッツポーズのおじさんである。

アスリートらしからぬ銀縁の眼鏡をかけ、良く言えば商談を抱えた営業マン、悪く言えば萬田銀次郎寄りの金融屋さん。

そんな雰囲気を醸し出していた。

私は近鉄バファローズ/ブライアントが大好きだったのだが、まさに向こうを張る強敵でありライバルだったのがこのデストラーデだ。





彼は強打者のひしめくパリーグの中で、3年連続の本塁打王を達成した超のつくスラッガーなのだが、なんとびっくり「スイッチヒッター=両打ち」だった。

私は初めてその事実を知ったとき、ひっくり返ってしまった。

なんじゃそら。

スイッチヒッター自体かなり珍しいことなのに、外国人選手で、しかもホームランバッターだなんてこれまで聞いたことがなかった。

ひときわ異彩を放つ男。

デストラーデ=規格外だった。


当時のファミスタでさえ彼の功績には一目置かざるを得なかったようだ。

阪神/フィルダー  →  おひるだ

広島/ランス  →  たんす

ヤクルト/パリッシュ  →  ぱあやん

大洋/ポンセ  →  ぽんち

惨劇の数々。

目も当てられない。

西武/デストラーデの【ですとれ】には制作スタッフの尊敬の念が窺い知れる。(もしくは単にパ・ファン?)


西武黄金時代を築き上げた立役者の一人で、パリーグの華であり、パリーグをこよなく愛すマイノリティの誇りでもあった。

西武を離れた数年後に突如舞い戻ったが、まさかの離婚問題でレギュラーシーズン中にも関わらずお国へ帰った。

最期までデストラーデを貫き通した。


記憶にも記録にも残る、唯一無二の存在。

それがデストラーデ。










今年の河川シーバス釣りがとうとう終わった。


一年間たくさん楽しませて貰った。

その中で一番の活躍を見せたのは、


ダイワ / スイッチヒッター65S & 85S


小沼正弥氏監修のあの人気シンペンである。


初めてその名を耳にしたとき、野球好きの私は体が反応した。

まず思い出したのが冒頭のデストラーデだったわけだ。

「デイ&ナイト、いつでもどこでも」のキラーフレーズで完全に前のめりになった。

これは上手いネーミングだ。

私はつくづく感心してしまった。


デビューは昨年2020年秋。

スイッチヒッター85S。

遠征先のナイトゲームでいきなりスズキクラスを連れてきた。

過去数回の挑戦に悉く破れてきた、私にとって難攻不落になりつつある河川だった。


コレはヤバいやつかも知れない。


しかし、私にとって一番の真価を発揮したのはデイゲームだった。





主にプラグをメインとした河川デイゲームをやっている私は、いつもルアー選定に苦労している。

陸っぱりであることや個人的なスキル不足が一番の要因だろうが、昼間に使えるプラグは夜に比べてどうしても限られてしまう。

一軍面子を探す旅は未だ終わりが見えない。


①ブリブリ動くミノーで釣れたことがない。


→夜に比べて巻き速度が早くなりがちな昼間、やはりウォブリング強めのアクションは厳しい気がする。

クロスウェイクやリッパーなどのウェイク系では何度か釣れたことがあるのだが、レンジの入るものは何故か全然ダメ。


②ナイトゲームのエース「スタスイ」が通用しない


→夜の帝王スタッガリングスイマー。私がナイトゲームで一番信頼し多用するシンペン。

2年もの間ずっと昼間にも投げてきたが、結局一度もバイトを得ることはなかった。

時間を返して欲しい…とも思う。

表層へなへな系のシンペンはやはりデイゲームには不向きなのかも知れない。


しかしこのスイッチヒッター65S & 85S。


昼間に魚を連れてくる超貴重なシンペン。

どれだけ助けられたことだろう。

しかも両方ぶっ飛び系。

私のデイゲームルアー群の中では今年ぶっちぎりの打率をマークしている。

万年補欠の私レベルでも充分釣れる。

それなりのスキルを備えたアングラーなら、きっと私の3倍は釣るだろう。





チヌだってよく釣れる



昼間においては、ただ巻きよりフォールの釣りが断然強いようだ。

正直に言うと、デイゲームのただ巻きでは一度も釣れたことがない。

全てちょんちょんフォール。


竿を上げて軽くトゥイッチ、その後ラインスラックを取る程度にトゥイッチを繰り返す。

トゥイッチの回数は控えめに、流れに当てながらフォールでゆっくり見せる。

ジギングのワンピッチジャークをマイルド且つスローにした感じ。


表層でも良いのだが、昼間はしっかりボトムを取るほうがバイトは圧倒的に多い。

85Sを投げ倒した後に65Sでもう1本。

こんな恩恵にも何度か与った。


一番のメリットはひとつのポイントをじっくり狙えることだろうか。

ここぞという場面でルアーを長く見せることが出来るのは大きい。

縦の釣りだけに回収までが長い。

ルアーを何度も投げるよりワンキャストの時間を延ばした方がスレに強いのではないか?と最近感じている。

私の代名詞「キャスト過多でスレて自滅」

もうこのサイクルには心底飽きた。


私は最早スイッチヒッターなしのデイゲームは考えられない。


もちろんナイトにも欠かせない。

スタスイよりレンジが入り、且つ異なるアクション。

こんなシンペンをずっと探していた。

頼もしい二枚看板が出揃い、私はますます血気盛んとなる。


メルカリ、ヤフオク、クソ高い。

欠点はそれくらいか。


素晴らしいルアーに出会えて嬉しい。

あのデストラーデの名に相応しい、まさにスイッチヒッター。

デイ&ナイトは本当だった。

名前は伊達じゃない。






長尺お付き合い頂きながら恐縮だが、最後にひとつ謝らなければならない。


私の本年度シーバス打率 .179


当ブログ内容は1割7分9厘の戯れ言であることを心よりお詫び申し上げたい。