2019年8月下旬。

ここまでの私のシーバスキャリアをざっくり説明させて頂くと…



【2019選手名鑑  つなわたり】

登録 (デビュー)  /  2019年6月
打数 (釣行回数)  /  37
安打 (40cm~)  /  1
二塁打 (60cm~)  /  0
本塁打 (ランカー)  /  0
打率  /  .027
三振 (ノーバイト)  /  35
死球 (怪我)  /  1  ※腱鞘炎
失策 (ルアーロスト)  /  1




なかなかひどい。
セのピッチャーの打撃記録みたい。









さて。

私は地元のメジャーポイントである大規模河川をホームと定め、リバーシーバスの世界へ足を踏み入れた。

1回目の釣行では本命からの反応はなかったものの、人生初のブラックバスを手にすることができた。

すっかり気を良くした私は、この後も同ポイントで4回ほどトライする。

身も心も溶けそうになる真夏のデイゲーム。
迸る汗を拭いつつキャストを続けるも、この間またしてもノーバイトで終わってしまった。
しかもVJ16のロスト×2…。

ホゲ散らかしハゲ散らかし、いつも通りの散らかし三昧の有り様だった。






暦はとうとう9月に移り、私は6回目となるチャレンジに向かっていた。

安定の連続ボーズを喰らい内心穏やかでない。
かつての60時間ノーバイトの記憶が徐々に蘇り、少し辛く感じ始めていた。

憂鬱な面持ちで駐車場に到着。

あ、あれ?

もしかして?



…なんということだ。

ルアーマンがいるではないか。


9月に入った途端これだ。

この数日間、釣りの下見らしき人は見かけたもののアングラーには全く出会っていない。
ノーバイトも重なり、ここがメジャーポイントであることも忘れかけていた。

とうとうライバルが現れてしまったか…。

格好を見るにかなりの上級者であろう。

ひのきのぼうでドラキーに立ち向かう私が敵う相手ではない。

こんなアングラーと肩を並べて釣らねばならないのか…。

私は暗雲たる気持ちになった。








しかし、ここはメジャーポイントである。

こんなことは百も承知だ。

来るべきときが来たと腹を括れば良い。





ルアーマンは準備中のようだ。

流石に堂々としている。
30代前半のお若い方のようだが、シーバスに精通しているだろうことはすぐに分かる。

本当は挨拶してお話ししてみたい。
釣りを見させてもらい勉強させて欲しい。

しかしコミュ障中年の草分け的存在である私、そうは問屋が卸してくれない。

せめてお邪魔にならぬよう気をつけよう…。



私は平静を装いルアーマンの動向を待つ。

ここは駐車場のすぐ傍に川が流れている。
準備が済めば10秒で釣りを開始出来る。
幸い人気のない遊歩道は長く続く。
キャストポイントが被る心配はない。

へ?
あれ?

何処いくん?


ルアーマンは下流側へと歩みを進める。


え?

ここで投げんの?

下流のほうに良いポイントがあるのだろうか。

私はこの場所はまだ6回目。
そういえば下流側には行ったことがない。
これまで全て駐車場の真横で釣りをしていた。

怪しまれない程度の適度な距離感を保ちながら私はルアーマンについていく。

くねくね曲がったカーブ状の道をひたすら歩く。

200~300mは歩いただろうか。




へ?

なにこれ?

見慣れない風景が出てきた。





なんだっけコレ?

なんて言うんだっけ?









堰だ。











しかもアングラーわんさか。





















ああ…。

ああ…。



…やっと理解できた。




私はずっと河口堰の上流側でシーバス釣りをしていたようだ。

まさに愚か者である。

初日にブラックバスを釣った時点で気づくべきだった。

炎天下の丸5日間、シーバスがいない場所でシーバス釣りに励んでいた。

セブンイレブンにファミチキを買いにいくかの如き愚行。

初めての場所でろくに調べもせず、駐車場の真横で固定砲台と化す愚行。

この釣れない時間が血となり肉となる、と自分を鼓舞し続けた愚行。


顔から火が出そうだ。




メジャーポイントなのに誰も居ない状況にどうして違和感を持てなかったのだろう。

あろうことか私は優越感に浸ってしまった。
暑い中ひとり頑張る私、というお涙演出に酔いしれてしまった。

みんなぬるいなってdisっていたが一番ぬるいのは私だった。






人生初のブラックバスを釣ってキャッキャ騒いだ自分が恥ずかしい。

シーバスとバスは同じところにいるんだねって笑顔で勘違いしてた自分が恥ずかしい。

シーバスいないところでシーバスルアーを投げ倒して本当に恥ずかしい。

シーバスいないところでコアマンVJ16をロストして本当に恥ずかしい。

シーバスいないところでガチのライジャケ姿さらして本当に恥ずかしい。

シーバスいないところでわざわざタモを新調して本当に恥ずかしい。

ずっとエキスパートのふりしてたのに、素人丸出しの凡ミスを冒してて本当に恥ずかしい。



私の全てが恥ずかしい。










堰下ではざっと見渡すだけでも10人以上のアングラーたちがひしめき合っていた。

なんという光景だろう。

僅かなスペースに立ち並ぶ人、人、人…。

あるものはミノーをひき、あるものはバイブを巻く。
ウェーディングで入水しているものまでいる。

皆一様に終始無言だ。
誰ひとり笑顔はない。
一帯は重苦しい空気に包まれ、シュッシュッとキャスト音だけが無情に連なる。
虚ろな目つきでただひたすらシーバスを追いかけ、その動作には一切の無駄がない。
全員が規則性を伴いロボットかのように映る。


まるで銀河鉄道999の世界だ。


アングラーたちは【生身のころ釣り人だった機械化人】に見えなくもない。




そう思うとこのストレスフルな光景も多少微笑ましくなる。












さてと。

だだ下がりのテンションも、思いもよらないギフトのお陰でほんの少しだけ回復。

でも帰ろう。
とても釣りができる状況ではない。
自分の落ち度とは言え、やはり私にはメジャーポイントは向いていないようだ。

この日以来、1年以上このメジャーポイント(惑星と命名)に足を運ぶことはなかった。



私のホーム河川、変更します☆














もしこれからシーバスをはじめようとする方が見ていらっしゃれば。

私にはシーバス釣りの師匠がおらず完全な独学でやってきたため、こういう失敗を山ほどしている。

本当にどれだけの無駄をしてきたことか。

いまは堰上でも釣れるシーバスがいることを知ったものの、初心者は効率的な釣りをしたほうが当然結果が早いわけで…。

やはり最初のうちは経験者に同行する形が望ましいと思う。

こういった余計な遠回りをせずに済む。

勿論いつまでもおんぶにだっこでは成長もないだろうが、マナーも含めベースは経験者に師事するのがてっとり早い。

私も現時点でキャリアわずか1年半。

初心者の域を抜けるには早く、まだまだ未熟で常に勉強の日々。

シーバス釣りは奥深いですぞ。

一緒に楽しんでまいりましょう。

どうぞ良きフィッシングライフを。








あ、私の場合、釣り友達どころかリアル友達もほぼゼロなのでその辺は察してほしい。








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