2016年夏。
妻の首にしこりを見つけた後のこと。
風邪ならじきに治まるだろうと思ったが、なかなか治らない。
病院に行くのを勧め続けるけど、妻はなかなか行こうとしない。
やっと重い腰を上げて近くの内科に行くと、
「一度詳しく診てもらってください」と大きな病院への紹介状を渡された。
そこで首のしこりから細胞をとり、病理に回す検査を行い、
数日後、その結果を聞きに行く日。
どちらからともなく、
一緒に行って、帰りについでに夕飯の買い物をしよう、という話になった。
「まあ、何もないと思うけどね!今日何食べよっかねー」
道中も、妻はいつもの笑顔で、明るかった。
病院に着く。
まだ妻の番までかかりそうだったので、僕は先にトイレに入った。
すると、すぐに妻からメッセージが届く。
「なんか、もう呼ばれちゃったから行ってくるね!」という。
変だなと思いつつ待合室に戻ると、先に来ていた人たちはやっぱりまだたくさんいた。
妻は、順番を飛ばして先に呼ばれたようだった。
