愛あるステキなあなたへ


私が「乳ぽん」で
あることがわかってから…

ある人から
「愛の贈りもの」を
もらったことがあります。


西田さんの次女ちゃんと
三女ちゃんからです。


次女ちゃんは若くして
調理の道を歩むことを決めて…

調理師免許が
とれる学校に通いました。


もともと彼女自身に
いくつかの食物アレルギーがあり…

「アレルギーを持っている方や
食事制限をしている人でも
おいしく食べられるものを作りたい」

と思ったことが
その道に進むきっかけだと
聞いています。



それまで
次女ちゃんに逢ったのは
たった一度だけでした。



「聡明な感じで
しっかりした思慮深い若者」


といった印象を受けたのですが…


ひそかに

「私のことを
どんなふうに思っているのかな?」

と思っていました。




西田さんが私が住む鎌倉に
引っ越すことを決めたとき…

他のお子さんたちは
「鎌倉は海があっていいねえ!」
「遊びにいこうかな」
と盛り上がるなかで…

次女ちゃんはチラッと
「私はちょっとさびしいな…」と
言っていたのだとか。


「きっとお父さんのことが
大好きなのだろう」


そのお父さんの
新たなパートナーとして
突然現れた女性(私)に対して
複雑な思いがあるのかもしれない…。


私は勝手にそう思っていたのです。




そして今回、
私が「乳ぽん」であることがわかったとき…

西田さんは離れて住むお子さんたちと
食事をして…

「田宮さんに乳ぽんが見つかってね」
と伝えたのだそうです。


「いま、二人で
食事療法をしていているんだよね。

田宮さんはお肉とかパスタとか
スイーツとか、
大好きだったけど、
いまはすっかり
食べるのをやめているんだ」と。
 




すると次女ちゃんが

「私、料理を作りに行こうかな」

と言ってくれたそうです。



西田さんが感激して、
食事療法で
小麦粉や乳製品、砂糖、
肉類、揚げ物などを
控えていることを細かく伝えると…


「この食材は食べられる?」

「この食材はどう?」

と具体的な質問票が送られてきて
入念にメニューを
組み立ててくれたそうです。



次女ちゃんは
卒業や入学の準備で忙しいなか
本当に鎌倉にやってきてくれました。


朝早く、次女ちゃんと
その妹さんの三女ちゃんで
調理道具と調味料を

つめたリュックをしょって…

はるばる
鎌倉にやってきてくれた二人。


すべての料理ができあがったら
夕方ごろに私には
呼び出しがかかるということで…

次女ちゃん、三女ちゃんは
西田さんと
スーパーで食材を選び
1日かけて丁寧に料理を作ってくれました。



そして、
その瞬間はやってきました。


「できました! どうぞ~!」と
テーブルに呼ばれて
その食卓を見てびっくり。


鯛のアーモンド焼き、
豆乳のクリームチャウダー、
葉野菜をたっぷり使ったサラダ、
米粉を使ったニョッキ
(ジェノベーゼソース)など…

まるでプロが作ったような
美しい料理たちが並んでいます。



私はもうこのへんから
目に熱いものが
にじんできたのだけど…

ひと口食べて
そのおいしさにもびっくり!


心がこもっていること、
丁寧に作られていること、
食べる人のことを考えていること。


ひと口、ひと口、味わいながら…


「なぜ、ここまでしてくれるのだろう」


そう思ったら泣けてきました。


私と次女ちゃんや三女ちゃんは
血のつながりはありません。


また彼女たちは
私の病気のことに関しては
ひとことも触れてきませんでした。


あたたかい食事と
なにげない会話に
私がどれほど癒されたことか。


「田宮さん、
涙が出るほどおいしいみたいだよ。
うん、本当においしい、ありがとう」
と、西田さん。

次女ちゃんや三女ちゃんは
なにも言わず
にこにこしていました。



そして食事が終わると
お皿をせっせと洗い
調理器具をリュックにつめて
さわやかに帰っていきました。



私はこれからも
「愛」という字を見ると
この日のことを思い出すでしょう。



テーブルに並んだ
「愛の贈りもの」のことを
私は忘れることはないでしょう。




人生のなかでも
かなりの試練にみまわれたときに
わかることがあります。



それは人の本質は
「愛」だということ。



ちょっとこそばゆいような
言葉でさえも
この日のことを思い出すと
私の胸には
愛のあたたかさが
じんわりと沁みてくるのです。





※私はいましばらく入院しているため
ブログは不定期となりますが
また伝えたい…と思うことがでてきたら
少しずつ書いていきたいと思います。




あなたがますます
幸せで心地よくあることを
私はいつも応援しています。


今日も、ありがとう。
いつも、ありがとう。