私の友人で、

介護の仕事を

している子がいます。



彼女はずっと

介護の現場で

活躍してきた

元気でやさしい子です。




その子があるとき、

「詩」を読んでくれました。



その詩が

とても胸に響いたので、

ご紹介しますね。







「フレディの遺言

~私を介護してくれるあなたへのメッセージ~」


という本にある言葉です。






この本は医学博士で

湘南長寿園病院長の

フレディ松川さんという方が




実際の経験をもとに、

書かれたものだそうです。




認知症の方々の気持ちを

忠実につづり、

介護する側へのヒントが

たくさんつまっています。





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もし、私が

痴呆性老人になったら…




その時、

私を介護してくれるあなたに

次のようなことを

お願いしておきたいと思います。





これらのお願いは、

決してむずかしいことでもなければ…




あなたを精神的に

あるいは金銭的に

苦しめることでもありません。



ほんのささやかなお願いですので、

是非、聞き届けてください。



どうぞ、よろしくお願いいたします。



私にあなたは

静かに話しかけてくださいね。



決して大きな声で

私に話さないでください




あなたが大きな声で話すと、

たとえあなたが怒っていなくても…



私はあなたになんだかとても

強く叱られたように感じて

怖くなってしまいます。


本来、やさしいと思っていたあなたに…


「えっ、なに?おじいちゃん」


「なに、やってるのよ」


などといわれるたびに 

私は恐怖におののくのです。





あなたが何か

私にさせたいのであれば、

静かにゆっくりと話してくださいね。



また、わたしは

変なことをいうかもしれません。




たとえば、「蛇がいる」 と私が言ったら、


「なに言ってるの、蛇なんかいないわよ」と

大声でいうのではなく…



「どうしたの?蛇はどこにいるの?」


「どうしたいの?」


「じゃあ、蛇をどかしましょうね」



とやさしく尋ねてください。




そして、私が何を要求しても…


その要求を

まず受け入れて欲しいのです。




私が「ごはん、まだか」と聞いた時も…



「さっき、食べたでしょ!」


と大声で叱るのではなく、



「おなかすいたの? じゃ、これ食べる?」


と言って、

クッキーの1枚でも

私に与えてくださいね。




そして、しばしば、

私は自分の感情のコントロールが

うまくできません。



ですから、

大変に気むずかしくなって…


その日の気分によって

意地悪なことを

あなたに言ってしまうかもしれません。





実はその時の私の気分は最悪で、

私自身もその気分が

嫌で嫌でしかたがないのです。



でもどうしようもできない。



そこで、つい、

あなたに言うことに反発したり、

意地悪をしてみたりしてしまうのです。



そんな私の心の内を理解してください。



その理解が

ボケた老人には

一番必要なものなのです。




そして、私の最大の特徴は

とても忘れっぽくなっていることです。



なんで怒られているか

忘れてしまいますし、

あなたが怒ったこと自体も

忘れてしまいます。





ですから、あなたが怒ったこと、

大声をだしたことを

「なんであんなに怒ってしまったのだろう…」


などといつまでも

後悔しないでくださいね。 





わたしは、とうに、

そんなことも忘れているのですから。




私に何かさせたかったら、

ひとつずつ、させてください。




短い言葉で「ごはんよ」と

やさしくいうだけでいいのです。




私に何か話しかけようと思ったら、

私を見て、

私のからだに触れながら、

微笑みながら話してくださいね。





私が痴呆性老人になった時、

私はやさしい人に囲まれて、

残りの人生を

ごく自然に過ごしたいと思っています。






ですから、たとえ 

アリババと四十人の盗賊の中でも、

一番やさしそうな人のそばにいたいのです。



どうか、

私を介護してくれるあなたが、

「ボケた心」を理解している

やさしい人であることを願っています。



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私の大好きだった祖父も、

最後は「認知症」になりました。




しっかりもので、

気配り上手で

書道家だった祖父。




その祖父が、

私たち家族にとったら

「わけのわからない行動」を

突然するので、

家族はショックを受けました。




そして、ついつい

「何をやってるの」

「しっかりしてよ」と

きつい言い方をしてしまうのですよね。




そのときに、

このフレディさんの「詩」を

読んでいたらなあ…と思います。




祖父はきっと天国で

私やみんなの気持ちを

わかってくれているかな?




介護をされている方、

そして、それ以外の方にも…



ぜひ読んでいただきたい

言葉だと思いました。





あなたとあなたの周りの人が

ますます幸せで心地よくあることを

私はいつも応援しています(*^_^*)





今日も、ありがとう。

いつも、ありがとう。



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