以前、私は

あるパーティに

呼ばれたことがありました。



そのとき、突然、

司会の人から


「ぜひ、みなさんの前でお話ください」


と指名されたのです。



通常、

パーティでお話をするときは

何日か前に


「パーティで指名しますから

お話することを

考えておいてくださいね」


という連絡が入るものです。



しかし、

その事前連絡は

なにもなかったので…


突然のことに

私は頭がまっしろに。


「ど、ど、ど、どうしよう…」



ヒザががくがくして、

足がふるえました。



そして、走馬灯のように

私の頭の中には

ある物語のストーリーが

思いされました。




それは…


「氷点」(三浦綾子さん著)という

名作の中のお話です。




その小説の主人公、

陽子は

(偶然にも私と同じ名前です!)…


聡明で、素直で、慈悲深く、

誰からも愛される女の子でした。



しかし、

複雑な出生の事情があって


義理の母から、

そうぜつな意地悪を

受けているのです。



中学の卒業式で

陽子は、全校生徒の前で

卒業生を代表し

「答辞」を読むことになっていました。




その「答辞」の文章を書いた紙を

なんと義理の母が

白紙とすりかえてしまうのです。



(陽子がみんなの前で

恥をかいて

困るようにとの意地悪で

…すごいでしょ!)




全校生徒の前で

「白紙」に気がついた陽子は…



泣き出すどころか

こんなふうに思って、

心をたてなおすのです。




「どんなに意地悪をされても

人を憎んで、

心を汚すようなことをしたくない。


私は、神さまに

与えられた状況に

素直にしたがって、最善を尽くそう」




そして、即興で、

いままでの思い出や

恩師への恩を

「自分のことば」で語ります。



そのスピーチが

とても感動的ですばらしくて

全校生徒は拍手の嵐。



陽子は、

みんなから絶賛されました。




そして一方。


自分の計画が

「誤算」におわった

義母は陰で

ハンカチをキーッと噛んだのです…


…と、最後は

私のジョークですが(笑)



とにかくそうやって

陽子は危機を切り抜けたのです。





私はこの「氷点」の

エピソードを思い出して

心を立て直しました。



そして

なんとか即興で

パーティのスピーチをきりぬけました。



スピーチを終えて

舞台を降りるとき、こう思ったのです。




「私は、『氷点の陽子ちゃん』のように

デキた女性ではないけれど…


ちょっとずつでも、

陽子ちゃんを見習っていきたいな」




いまも私は、そう思っています。




人を憎むと、自分の心が汚れます。



自分の心が汚れると、

人を助けることも、

人をやさしくすることも…


そして、

自分を好きになることも

難しくなります。




ひどいなあ、意地悪だなあ

と思うことがあっても…



「私をきたえてくださっている!」



そう思って、

なるべく悪くとらないように

したいのです。




そうやって「美化」することが…


実は一番、

自分のために

なるような気がするのです。





あなたが

ますます愛されて

しあわせで豊かになることを

私はいつも応援しています(*^_^*)




今日も、ありがとう。

いつも、ありがとう。




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