家族から電話がありました。


相手は20分くらい、

自分の気持ちをしゃべり

そして「うん、うん」と聴く私。


ただ聴くだけです。


以前は私、

こういうこと

できなかったです。


子どものころから

痛切に感じてきたこと。


「なぜ私の家族は

こんなにも

ネガティブな考え方なんだろう」


家族がネガティブなことを

話すのを聞いていると

私のこころもずーんと沈む。


家族が辛いと思って

生きているのかと思うと

私も辛くなる。



家族から離れて独立して生活していても、

家族からの

ネガティブな内容の電話が入ると、

楽しい気持ちは、とだえる。



その電話が、たまらなく嫌だった。



「また始まった…」

「なんでいつもそうなの?」

「なんで物事の悪いところばかり見るの?」

「なんでずっと変わらないの?」


相手が話しだすと、

話をちゃんと聞く前に怒ったり。


悲しみがこみあげて

電話を切った後に

泣いたこともありました。


いつも明るく

楽しい話をしている家族を見ると

うらやましかった。


いつもそばにあった

ネガティブな考え方から

逃げたくて、逃げたくて

私は、ポジティブな世界に走りました。


前向きなことが何より大切で

明るい人、強い人しか、入れない世界。


でも、そこで待っていたのは、

競争意識と「まだまだ足りない…」

という不足の意識。


やっぱりポジティブだけの世界も

大変でした。



最近、わかったこと。


どんなに

ネガティブな内容であっても

相手の話を、ただ話を聴くだけでいい…

ということ。


「うん、うん」

「そうなんだね」。



昨日も、家族からの電話。

「うん、うん」と聴いていて

「また不安になったら、いつでも電話してね」

と伝えました。


そうしたら。


はじめて相手が

「ありがとう」だって。



うれしかった。




これは、こういう家族がいたから、

気づけたことかもしれない。



あなたがいるから、私も気づけた。

私も、あなたに、ありがとうね。




今日も、ありがとう。

いつも、ありがとう。