別れの…卵? | おともだちのきつね

おともだちのきつね

加藤シゲアキは私のヒーロー

吉本ばななさんのTSUGUMIを思い出した。
 
「小学校の高学年頃、私とつぐみと陽子ちゃんは、あるTV番組に熱病のように夢中になった。
それは主人公が実の妹を捜し求めて冒険をする話で、ふだんそういう「子供だまし」にはひっかからなかったつぐみでさえ、いっしょになって毎回欠かさずに見た。
おかしなものだ、番組の印象は今や淡くかすみ、そのわくわくした面影のようなものだけがよみがえってくる。
TVを見ていた部屋の明度や、その時のんでいたカルピスの味、せんぷうきの生ぬるい風の具合だけが生々しくよみがえってくる。
毎週、そうして楽しみにしていたが、ある夜、最終回を見終わってしまった。
夕食の間は、みんな無口だった。
政子おばさんが笑いながら「あんたたちの好きなの、今日、終わっちゃたんだわね」
というと、いつでも反抗期のつぐみが
「むだ口をたたくんじゃない」と、言った。
がっくりきていた私と陽子ちゃんは、反抗期でもないのにその時ばかりは何となくつぐみ寄りの気分になった。
それくらい熱中していたということだろう。
 夜中、ひとりでふとんに入り、私は子供心にも何かと別れたような切ない気分になった。
ひとりで天井をみつめ、さらさら固いシーツの感触の中で、それは別れの卵だった。」
 
その後、寝付かれずに私と陽子ちゃんは夜の海に散歩に出て、そこでつぐみも会ってしまう。

TSUMIの中の大好きなシーン。
 

「ゼロが終わるのが嫌だ」
の、拗らせぶりが子供の頃以来じゃないかって思って、困惑しています。
 
で、子供の頃以来かぁ…遠い目になりかけたんだけど、肝心なドラマが全然思い浮かばなくって…
 
あったような、無かったような・・・。
 
結局い出すのは、
浴衣着て近所のお友達と近くで花火をして、8時が近くなると「ドリフ、ドリフ」といって走って帰った記憶のみ(古っ)。
しかもドラマじゃない・・・。
 

随分長い間毎週TVドラマを楽しみにする事なんて無かったように思う。
ここ何年かは犬猫とNEWSとお笑いのネタ番組以外はそもそもみていない。
 
そんな私が「ゼロ一獲千金ゲーム」の、まだ最終回の放送前だっていうのに、こんなに情緒が乱れちゃって一体何なんだろう。
最初の頃は、結構辛口な感想だった筈なのに…
 
チーム零のひとりひとりが大好きで、特にヒロシには自分を重ねて・・・
 
何なら、今の零を作ったミツルに嫉妬したり、自分何歳だっけ????
 
次々クランクアップで花束を持った写真とツイートに寂しさを覚え、
次のキャラクターでの写真に「いいね」を押せない自分・・・。
 

それはTSUGUMIで言うところの「別れの卵」なのに、
もっと辛い別れも経験しているのに、どういう感情なんだ?

自分、現実を見られないピーターパン症候群だったっけ?
遅れてきた青春⁉️
 
困惑してる。
「ロスが怖~い」ってもっと暢気だった頃に戻りたい位だ。