お名前なんと読みますか?-戸籍の氏名に振り仮名が記載されます(戸籍法改正2025年5月頃)- | 橋本治子の弁護士日記~仙台より~

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私の氏名は
橋本治子(はしもとはるこ)
と言います。
 
橋本 右矢印 はしもと
 
これを読み間違えられるという経験は
今のところありません。
 
 
しかし
 
治子 右矢印 はるこ
 
は、時折、なおこ
と読まれることがあります。
 
 
はあ?なおこ?
と思いつつ
仕方ないかなとも思いますし
どうでもいい場面では
訂正せずスルーしています。
 
 
 
 

 
さて、氏名に関して
2024年6月
戸籍法等の改正がありました。
 
戸籍には氏名が記載されていますが
新たに
 
戸籍に氏名の振り仮名が記載される
 
ことになりました。
 
改正法が施行されるのは
2025年5月頃
まだ施行日決まっていません。
 
 
 
 

どうやって
振り仮名が載るの?

 

 

氏名が初めて
戸籍に記載される人

 

改正法施行後に
生まれた人帰化した人などは
出生届や帰化届のときに
合わせて振り仮名を届け出ます。
 
 

 

既に戸籍に
記載されている人

 

改正法施行した後に

自ら届出をすることができます。

 

 は戸籍の筆頭者が
 は各自が届出をします。
 
届出できるのは
改正法施行日から1年以内
 
 
 
 
届出せずに1年経過したら
どうなっちゃうの??
 
 
本籍地の市町村が
管轄法務局長の許可を得て
職権で記載します。
 
 
その前準備として

 

本籍地の市町村からみなさんに
戸籍に記載される予定の
振り仮名が通知される
 
ことになっています。
 
 
この通知は
改正法施行後遅滞なく行う
となっていますから
ちょうど1年後くらいに
みなさまのもとに届くかと。
 

放っておくと

通知のとおりの振り仮名が記載されます。

 

もし、いま現に使用している読み方と
違う振り仮名であった場合は、自ら届出をして
望む振り仮名が記載されるようにしましょう。
 
 
 
 
 

 

どんな読み方でもいいの?

 

 

改正戸籍法13条2項に
氏名として用いられる
文字の読み方として
 
一般に認められている
ものでなければならない
 
という条項が入りました。
 
 
何をもって
一般に認められている
と言えるのか??
 
これは今後、通達等で
明らかになっていくようです。
 
 
法務省のHPを見ますと
認められない例として
次の記載があります。
 
(1)
漢字の持つ意味とは
反対の意味による読み方
(例:高をヒクシ)
 
 (2)
読み違い、書き違いかどうか
判然としない読み方
(例:太郎をジロウ、サブロウ)
 
(3)
漢字の意味や読み方との関連性を
およそ又は全く認めることができない読み方
(例:太郎をジョージ、マイケル)
(法務省HPより引用)
 
 
上記例は
普通の感覚の人であれば
それはないよなあ
というものばかりかと。
 
 
 
それよりも
キラキラネームというのでしょうか
なんと読むのかさっぱり分からない
名はどうなるのか?
 
(離婚事件等で
 お子さんの名前確認しますが
 ほんと読めない☹️
 けど、読み方を聞くと
 そう読みますか!
 と膝打ちしたくなる面白さあり😆)
 
 
最近、この戸籍法改正に関して
法務省民事局の方が
法律雑誌へ寄稿しているのを読みましたが
方向性としては
これまでの命名文化を尊重し
幅広く、柔軟に運用していくことになりそう。
 
...とはいえ
実際に法施行されたときどうなるのか
現段階ではよくわかりません。
 
 
 
 
 
 

それでは

既に戸籍に記載されている人が

一般の読み方以外の読み方を

現にしている場合、どうなるのか?

 

この場合は、現状を尊重し

現に使用している読み方で

届出ることができると

改正法の附則で定められています。

 

ただし、その読み方が

通用していることを証する書面

を提出しなければなりません。

 

法務省のHPによれば

通用していることを証する書面とは

旅券(パスポート)

預貯金通帳

等が想定されるとのこと。

 

一般的な読み方でない方は

このあたり意識していただければと思います。

 
 
(戸籍法)
第13条

 戸籍には、本籍のほか、

戸籍内の各人について、

次に掲げる事項を

記載しなければならない。

 氏名
 氏名の振り仮名
(略)
 前項第二号の読み方は、
氏名として用いられる文字の読み方として
一般に認められているものでなければならない。
 氏名の振り仮名に用いることができる
仮名及び記号の範囲は、法務省令で定める。
 
 
 

 

改正の目的は?

 

そもそも、なぜ
戸籍に振り仮名を載せることに
なったのか?
 
 
法務省のHPを見ますと
振り仮名記載のメリットとして
 
  1. 行政のデジタル化の推進のための基盤整備
     
  2. 本人確認資料としての利用
     
  3. 各種規制の潜脱防止
 
と書いてあります。
 
 
漢字だと字体が様々、外字もあって
データベース化の作業が大変だけど
振り仮名が記載されることで
データベースの検索処理が楽になる
 
とか

 

戸籍に振り仮名が記載されることで
マイナンバーカードにも
振り仮名が記載されることになって
マイナンバーカード利用が促進される
 
ということのようです。

 

 

行政の利便性のための改正ですね。
 
振り仮名が登録されれば
私たちの生活に便利な面もあるでしょう。
行政の事務作業が効率化されれば
迅速なサービスを受けられることに
つながるでしょうし。
 
ただ、一方で、
国に管理されることに息苦しさも感じます。

 

 

 
 
さて、一度、届け出た振り仮名は
そうそう簡単には変えられません。
原則、家庭裁判所での手続きが
必要になります。
 
次回は
  • 氏の変更
  • 名の変更
  • 振り仮名の変更
について書きたいと考えています。
 
また読みに来ていただけましたら幸いです。
 
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