農業を始めたい! 農地を手に入れるには? | 橋本治子の弁護士日記~仙台より~

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仙台弁護士会所属。

前回

農地を集約する事業

についてご紹介しました。

 

 

 

 

宮城県は米どころ🌾

 

前回の記事を書きながら

 

宮城県はどんな農作物が

多いのかな?
 

と思い調べてみました。

 

以下

「みやぎの農業」

令和55月宮城県農政部

からの引用です。

 


 

産出額上位10品目(令和3年)

 

1 米 36.1% おにぎり

2 肉用牛 15.0% 牛

3 鶏卵 8.9% 🥚

4 豚 7.4% 豚

5 生乳 7.0% 牛

6 いちご 3.6% 🍓

7 ブロイラー 3.3

8 大豆 1.8

9 トマト 1.8% 🍅

10 ねぎ 1.8

 

 

1位、やっぱりね。

 

畜産合計すると40%超。

牛が品評会で賞を取っている

ことは知っていましたが

畜産盛んなのですねえ。


 

続きまして

生産量が全国上位の品目

 

せり・パプリカ 1

つるむらさき、大豆 2

米 そらまめ 5

肉用牛 8

乳用牛 9

いちご 10

 
 

せりは、そうだよね!ですが

パプリカが全国で生産量1

というのは、知らなかったキョロキョロ

 

大豆2位というのは

転作なのでしょうかね?


 

 

 

 

 

さて、本日書きたかったのは

宮城県の農業の実情ではなく
 

農地の取引の特殊性

 

自宅を建てるために

宅地を購入するとき。

 

購入するのに

普通、何か資格が必要だったり

役所で許可を得なければならない

ということはないですよね。

 

 

ところが、農地は

農地法という法律で

農地の取引(賃貸、売買)

に関して制限を設けています。

 

 



 

何故、制限をしているか。

 

農地を守るため。

 

農地は耕作することによって

農作物が生み出される

耕作者にとっても国民にとっても

大事な大事な資源です。

 

耕作放棄地が広がったり

造成されて

農地ではなくなってしまうと

安定した食料供給が難しくなります。

 

農地を守っていくために

農地の取引に関して

ルールを設けたのが農地法です。

 

 

農地を農地として

貸し借り・売買する

方法は次の2

 
 

 

1 農業委員会の許可を受ける
(農地法3条)

 

 

農地の貸し借り、売買は

原則として

農業委員会の許可が必要。

許可の要件はおおむね

次のような感じです。

 
 

(個人の場合)

1 農地のすべてを効率的に利用する

  (機械や労働力等を

   適切に利用するための営農計画)

2 必要な農作業に常時従事

  (原則、年間150日以上)

3 周辺の農地利用に支障がないこと

 


 

(法人の場合)

所有は農地所有適格法人(※)のみ

※主たる事業が農業であること

 農業関係者が総議決権の過半を占めること

 といった要件があります。

 

貸し借りであれば

農地所有適格法人でなくてもOKですが

地域における

適切な役割分担のもとに

農業を行うこと

といった要件があります。

 


耕作する意思・能力のある

/法人に取得してもらう

ための要件ですね。

 

 

 

2 農地中間管理機構が作成する
「農用地利用集積等促進計画」による方法
(農地中間管理事業の推進に関する法律)

 

これは、出し手、受け手の

相対の取引ではなく

前回ご紹介した

農地中間管理機構が

間に入る取引です。

 
 

※この2つのほかに

農用地利用集積計画

に基づく利用権設定

という方法もありますが

2023年の法改正で廃止

となったので省略

 

 

 

 

 

農地が競売にかかることもあります。

 

農地を落札したい人は

農業委員会から

買受適格証明書

を発行してもらって

裁判所に提出し入札に参加。

 

その後、

最高価買受申出人となった際には

農地法上の許可を申請。
 

許可が出たら

それを裁判所に提出して

晴れて売却決定が出る

という流れ。

 

買い受け資格がない人が

入札・取得するのを防ぐため

このような手続きになっています。

 

 

 

農業を始めたい!という方は

各地に新規就農者の

相談窓口ありますので

そちらで

農地の取得も含めて

就農体験や

技術的なことや

資金的なこと

いろいろと相談するのが

よいと思います。

 

 

以上は農地を農地として

使用することを

前提とする取引の話でしたが
 

農地を宅地化することを前提に

取引することもあります。

 

農地を農地ではなくすることを

農地転用

と言います。

 

農地転用には、

原則、県知事の許可が必要です。

許可の要件は

農地の性質によって

細かく異なるので

ここで深入りは致しません。

ご参考まで。

 

 

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