離婚件数は増えているでしょうか? -統計を見てみましょう- | 橋本治子の弁護士日記~仙台より~

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仙台弁護士会所属。

本日のテーマは離婚です。

 

 

 

 

今月も

 

  • 配偶者の不貞がわかった
  • 家裁から離婚調停の呼出状が届いた

 

などなど相談ありました。

 

 

年末に離婚をテーマにするのは

どうかと若干思いましたが…

 

 

さて

 

離婚は増えているでしょうか?

 

統計資料を見ていきましょう。

 

 

年間離婚件数

 

 

厚生労働省が発表している

2022年人口動態統計

という統計資料を見ていきます。

 

 

統計には明治時代からの

推移が載っていますキョロキョロ

 

 

1900年(明治33年)

 

婚姻346,528組 婚姻率7.9

離婚 63,632組 離婚率1.46(※)

 

※婚姻率・離婚率

人口1000人に対する離婚件数のこと

婚姻夫婦の離婚した割合ではありません

 

 

明治時代の離婚って

どんな感じだったのかなあ??

 

 

その後、戦争が終わるまで

離婚件数は徐々に減少し

戦後は一転増加。

 

離婚件数がピークだったのは右上矢印

 

2002年(平成14年)
 
婚姻757,331組 婚姻率6.0
離婚289,836組 離婚率2.3
 
 
ここから年々、

離婚数も離婚率も減少傾向右下矢印

 
 

昨年2022年

 

婚姻504,930組 婚姻率4.1

離婚179,099組 離婚率1.47
 

 

 
3組のうち1組が離婚している
ということを聞いたこと
ありませんか?
 
離婚率のほかにも
標準化有配偶者離婚率とか
複数統計数字あるのですが
どこをどう見れば
3組に1組となるのか
よく分からず。
 
わかりましたら追記します。 
 
 

 

 

 

 

同居何年で離婚したか

という数字もあります。

 

 

2022年の離婚では

 

  • 5年未満 52,608組(31.6%)
  • 5~10年 33,141組(19.9%)
  • 10~15年 22,572組(13.5%)
  • 15~20年 18,893組(11.3%)
  • 20年以上 38,990組(23.4%)

 

 

 
同居5年未満の短期間で

見切りつける夫婦

 

20年以上にわたって

長年連れ添った後に

離婚する夫婦

 

が多い感じでしょうか。

 

 

同居期間5~20年での離婚は

5年未満、20年以上と比べると

割合少ないですね。

 

 

平均初婚年齢は30歳くらい

という統計とあわせて想像すると

 

子どもができて子育てで手一杯

お互いに仕事が忙しすぎる

 

という状況で

夫婦関係に疑問感じていても

考えるのを先送りにしてしまう

ということかなあ

なんて想像しました。

 

 

 

 

 

離婚の方法

 

離婚したいと考えている側は

 

  • 協議を申し入れる
  • 離婚調停申立
  • 離婚訴訟提起

 

いずれかの方法をとります。

 

 

いずれの手続きで離婚したか。

 

 

国立社会保障・人口問題研究所

(厚労省の研究機関)

が発表している

人口統計資料集2023年版

によりますと
2021年の種類別離婚は次のとおり。
 
 
離婚総数184,384組
 
  • 協議159,241組(86.4%)
  • 調停16,975組(9.2%)
  • 審判3,479組(1.9%)
  • 和解2,737組(1.5%)
  • 認諾8組(0.004%)
  • 判決1,944組(1.1%)
 
※和解、認諾、判決は
離婚訴訟における終わり方の1つです。
 
 
 
ほとんど協議離婚で
お別れしています。
 
離婚調停とか離婚訴訟って
全体から見れば
ごく一部なのです。
 
 
 
弁護士としては
協議離婚に関わることも
あります。
 
交渉で離婚条件を詰め
合意に達したら合意文書を作成し
離婚後に合意内容が
きちんと履行されるようフォローする
 
という仕事です。
 
 
細かい条件を
調整していくこともあり
合意文言をどういうものにするか
結構、頭を悩ませます。
 
 
 
ただ、協議で進めるのが
難しいケースの方が多くて
(相談者ご自身が
 もろもろ頑張った末に
 困り果てて相談に来るので。)
依頼を受けたときは
すぐに調停申立してしまう
ことが私は多いです。
 
 
 

 

昨今の離婚事情

 
20数年弁護士してきて
離婚事件の様相も
変わってきた
という印象があります。
 
 
昔は、男性が未成年の子の親権を
主張することがあっても
本気で争っているのではなく
ポーズでとりあえず主張している
という印象でした。
 
 

いまは、以前と比べれば

共働き夫婦が増えているように思いますし

子育ては女性にお任せではなく

熱心に家事育児に関わっている男性も

(自称イクメンではなく

 ほんもののイクメン)

いるなあと感じます。

 

 

育休制度も変わってきていますし。
ここ数年で、新たにできた
男性育休制度もあります。
 
 
そんな世相の変化か
父母どちらが親権者になるか
し烈に争うケースが増えてきた
と感じることがあります。
 
 
 
 
 
子の引渡請求
という紛争類型
聞いたことありますか?
 
 

離婚を進めることに決めた場合

多くはまずは別居を始めますから

未成年の子がいる場合

夫婦の一方が未成年の子と

一緒に暮らすことになります。
※監護親(かんごしん)と言います
 
 
そうすると
子と一緒に暮らしていない方が
※非監護親(ひかんごしん)と言います
監護親に対して
 
自分の方が
子と一緒にいるのにふさわしいから
子をこちらに戻せ!
 
という審判申立をすることがあります。
 
この手続きを
  • 子の監護者指定審判申立て
  • 子の引渡しの審判申立て
  • 審判前の保全処分申立て
といいます。
 
 
 
 

なかなか難しい手続きなのですけど

ここ数年、代理人として
審判の申し立てをしたこともあれば
申立てされた側の代理人として対応した
こともあります。
 
私が弁護士になった当初は
このような相談依頼は

ありませんでした。

 

いまは、ネットで調べるのでしょう

「引き渡し請求できますか?」

としょっぱなから質問されることもあります。

 
 

 

 

 
 
離婚は
  • そもそも離婚するか否か
    (離婚原因があるか)
     
  • 未成年の子がいるときに
    どちらが親権者になるか
     
  • 養育費の額
     
  • 面会交流の方法
     
  • 財産分与
    (対象となる財産 基準日
     財産の評価 負債の処理)
     
  • 慰謝料
     
  • 年金分割
     
  • 離婚までの生活費の支払い
    (婚姻費用)
など法的な論点が様々ある紛争です。
 
 

また、法的な論点に限らず

関係を清算するに際して

もろもろやること/決めること

たくさんあります。

 

荷物の搬出作業に立ち会ったこともあったなあ...

あのピリピリした空気はなかなかのもの😣

 

 

また、これまでの密度の濃い
人間関係を解消するわけですから
相当の心理的葛藤が起きます。
 
離婚問題を抱えている方々は
男女問わず
精神的に具合が悪くなっている方が
多いと感じています。
 
 
こじれた離婚問題は
1人で対応するのはかなりきつい
と思います。
 
法的な部分については
早めに弁護士に相談していただいて
先々の見通しを立てながら
どうするか決めていくのが
よいだろうと思います。
 
 
 
 
 
 
夫婦間の良好な関係を築くには

コミュニケーションを

意識的にとり続けていく

必要があると私は思います。

 

 
いちいち言わなくたってわかってよ
と相手に超能力を求めるのでもなく
 
私が我慢すればいいやと
自己犠牲するのでもなく
 
自分の言いたい放題やりたい放題で
相手に甘え依存するのでもなく。
 
対等な関係で
言葉による
健全なコミュニケーション
 
 
これができていなくて
正式に離婚手続きは取っていないけれど
夫婦関係破綻している
破綻しかけている方々
相当数いるのではないかな
と想像します。
 
 
そうならないためにも
年末年始
パートナーの方に感謝を伝え
今年1年を振り返ったり
来年のチャレンジについて相談したり。
のんびりした時間を過ごせたらいいですね。
 
 
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