巡礼1日目~ピレネー山脈に挑む~ | スペイン巡礼

スペイン巡礼

普通のアラサー主婦がちょっと冒険する話。
好奇心だけを武器に勢いで旅立ちます。

5月14日

St.Jean Pied de Port~Roncesvalles 25.1km

巡礼初日。
まだあたりは真っ暗ななか、下のベットで寝ていた人のいびきで目が覚める。
まだだれも起きてない中こそ~っとベットを抜け出して一番乗りで朝食を頂く。美味しい!

慣れないパッキング作業や共有スペースでの準備に手間取りつつ、7時に宿を出発!
そして早速寄り道。


巡礼者の証明、ホタテの貝殻をゲット!
昨日すっかり買い忘れていたんだった。



静かなサン・ジャン・ピエ・ド・ポールの街を後にする。


大切な道しるべ。



市街地を抜けると



二つの道の分岐点。

私は皇帝ナポレオンがスペイン遠征のときに超えたといわれるナポレオンルートを選択。




おお、急に登りだ。。
すぐに暑くなって上着を脱ぐ。
慣れないステッキのせいか腕がだるい。
歩き始めて20分で私の真新しいステッキはただの荷物に。。



どんどん登って行く。


人と同じくらいいる牛。あんたらよーやるねー。


それにしても韓国人の女性が多い。
私も何度か間違われた。(←その後も数えきれないほどコリアン?って聞かれることに。)
この登坂をほとんどのヨーロピアンが信じられないスピードで登って行くなか、唯一私と同じく休み休み歩いているのが韓国の女の子たち。
言葉は通じないけど妙な親近感。笑




なかなかの急勾配の道が続く。
せめて晴れてればな~。

歩き始めて2時間半、オリソンのアルベルゲに到着。



ここでひと休み。
併設されてるバールも大盛況だ。
まだまだ余裕!いくぞー!

出発してしばらくは微妙な天候の中、霧が眼下に広がるのを見ながら歩いていました。
途中一緒になった女の子と、空中を歩いてるみたい~なんて言いながら。


ところがオリソンを出て30分くらい経った頃…



おっ!



おおおっ!



きたーーーー!!





快晴!!
これを待ってたんだ。

前でも後ろでもにわかにカメラを取り出す人達が。
もちろん私もだ。
晴れた空が嬉しくて、どんどんテンションが上がっていくのがわかる。







遠くまで見渡せるのも、小さい花がたくさん咲いてるのも楽しい。



馬さんも発見!


途中に仮設のバールが。日本語の案内も。


私もここで水を買って、ついでにランチタイムに。
こんなにいい景色の中で食事できるなんて幸せ♩

…ちょっと晴れただけでこんなに気分が変わるもんかね。


ここからはスペインとの国境を目指して歩く。



巡礼路も未舗装に。


ボコボコの急斜面なんかがありつつも、マイペースに進む。
私は登山用のごつめのシューズを履いていったけど、なかにはスポーツサンダルで歩いてる人もいる。
すごい。とても私には無理だ。


そしてついにフランス⇔スペインの国境らしき場所に到着。





聞いたところこの辺だけど国旗とかボーダーを示すものは何も無い。
フランスもスペインもシェンゲン加盟国だし、国境といっても日本とは全然感覚が違うんやなぁ。



少し歩いたところにスペイン・ナバーラ州の石板。


よし、完全にスペイン!笑


サン・ジャン・ピエ・ド・ポールを出発してから6時間、スペインに入国。

歩くのが遅い私はここまでに今日同じ場所を出発したであろう大抵の人に追い抜かれた様子。
挨拶を交わす人もかなりまばらになってきた。



ここまでと雰囲気が違う森の道




遠くにはまだ残雪がある山も。
このあたりから恐ろしく風が強くなってきて、ただでさえ遅い歩みが更に遅くなった。
吹き飛ばされそうになりながら先を急ぐ。




この小屋はなんとアルベルゲ!(らしい)
といっても雨風がしのげるだけで設備などはないようだった。
それでも天候の変わりやすい山の中。
一時避難できる場所があるとないでは大違いだろう。

すでに中で寝袋を広げて寛いでいる人もいる。
ここだと星空も最高だろうな。



山並みを眺めつつ歩く。


ふいに現れる雪道。


まさか、だ。
この時期はとっくに雪解けしてるものと思い込んでいたから。
あのスポーツサンダルの人はどうやってここを歩いたのか。

ここですっかり荷物になってたストックの再登場!
転ばないようにストックで足場を確認しながら進む。
もうまったく気が抜けない。
初日で転んで脚を痛めたりでもしたら笑えない。




その後はゆるやかな下りが延々と続く。
スペイン人親子に膝を痛めない下り方を伝授してもらう。
彼らの話している言葉は何ひとつ分からないけど、言わんとしていることはわかる。不思議だ。




やった!

ようやく今日の目的地であるロンセスバリュスの修道院が見えてきた。

そして敷地内に入る直前、観光バスに乗る寸前のスペイン人のおじちゃん、おばちゃんの集団に囲まれた!
どこから来たの?1人!?あらあらー!
日本から来ました、サンティアゴまで歩きます。(唯一言えるスペイン語)

更に盛り上がるおばちゃんたち。
ついに筆談まではじまりちょっとした騒ぎだ。
しかし私が話せるスペイン語は最初の一言で出し尽くしているからもうあとがない。
最後にはなんだかものすごく励まされ、ハグとキスの繰り返し。

凄すぎ!!パワー有りすぎ!!







出発から9時間を超える午後4時過ぎ、なんとかアルベルゲに入ることができた。


さっそく隣のベットのメキシコ人の親子とご挨拶。
お父さんのトーニョと娘のパロマ。
最初パロマを見た時はちょっとツンとした印象だったけど、話してみるととってもチャーミングで優しい女の子だった。


私の下のベットのマリアーラはオランダ人女性。
オランダといえばミッフィー!!
私も子どものときから随分お世話になっている。

オランダはミッフィーに限らず私にとってはとても興味深い国。
規制はあるにせよ安楽死やドラッグが合法であること、飾り窓やS○Xミュージアムなどの日本では考えられない観光スポットがあること。
ああ、私にもっとコミュニケーション能力があれば。。
せっかくのチャンスだったのに私が彼女と話せたのはミッフィーのことだけだ。





夜は教会で行われる巡礼者のためのミサに出席。
ここでなんと同じく1人で来ている日本人女性に会った。
ミサの流れなどを教えてもらいながら話を聞いていたところカミーノはもう3回目というから驚きだ。

アルベルゲに戻って寝袋に入っても一日の興奮が残っているのか寝付けなかった。
明日はどんな景色が見れるかな。



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