上司がキレたのが水曜日↓
「木曜日は俺も出社するからな」との言葉通り、私の出社後1時間半して来ました。ウチの会社はフレックスタイムを導入しているので、10時半前までなら何時でも好きな時に来て良いのです。
今年中は他社のビルの一角を借りて出勤しているウチの社員達は、デスクでの昼食は禁止されてます(そのビル会社の規約)。
しょうがないから、ビルにある大きな「社員食堂」に行くことになります。銀行やらなんやら大手らしいいろんな会社が入っている近代的なビルで、各入口は真っ黒い壁と真っ黒いドアで統一されており、全てのドアは専用デジタルコードが無いと入れません。
そのドアの傍で元モデル上司は「水樹もレストラン行くよな?」と、既に自分のお弁当らしき食事をお盆の上に載せています。
「オレンジ色は人参入りマッシュポテトなの?奥さんが作ったの?」と、まぁ、当たり障りのない事を言いましたら。
「いや、これは義母が作ったんだ。少し食べてみる?」
なんというか、この上司はいつもこうやって誰かに自分のモノを分けようとする人です。全部はくれないけど、ほんの一部が定番。
レストランにはウチの会社の社員も既に料理の行列にいました。私は直ぐに自分の料理を取って、どこに座ろうかと空席を探していたら、上司が手を振ります。当然、無視出来ません。
しゃーないんで、横に座り(前に座ると上司と壁しか見えないから)、「義母の作った」オレンジ色マッシュポテトをどーしても味見してみたく、一口もらいました、もちろん自分のスプーンで、ですよ。
ウチの国のお歳を召した人達って、たいてい料理が上手なんですね。
オレンジ色マッシュポテトはやっぱり美味しかった~!
もちろん、キレた上司とその義母は血が繋がってませんから、見たこともない人が作った料理です
私達のテープルの周りは沢山空席があるのに、他の社員達は隣の大部屋で食事をしているのでしょう、誰も傍に座りません。
そりゃぁそーだよなぁ、なんで昼まで上司のお相手しなきゃいけないわけー?ですよ。
上司は「みんな向こう側の部屋に行っちゃったのかぁ」と言ってます。まぁ、そんなもんでしょう。
「昨日は、俺はあんな風にすっごく荒れてただろ。だから夜にな、友達と〇〇という街の美味しい店で、俺はウィスキー(のなんとか)割を飲んだんだ。それで気が晴れたよ。」
「(聞いたことがない地方の)〇〇という街まで電車で行ったんですか?」
「いや、車だよ。」
「だって、ウィスキー飲んでるって、それで運転して帰ったんですか!」
「最近のアプリでは飲酒運転で捕まらない程度に飲んでるかどうかを知らせてくれるのがあるんだ。それを使ってたら、OKの判定が出たんでね」
「私は過去に物凄く飲んで運転して捕まったことがあり、それ以来絶対飲酒運転はしません。」
「捕まったって!!」
「でもその時の警察の飲酒を調べる機器が壊れていたんです。だからお咎めもなく釈放ですよ。」
「どのくらい飲んだんだ?」
「手始めにシャンパン、次に白や赤のワイン、仕上げに強いリキュールでした。完全に飲酒運転でしたよ。」
「誰か横に乗ってたのか?」
「元夫です。でもいつもいつも私が運転しなきゃならない。だから離婚しました。」
「そっかぁ・・・」
と、こんな風に大人な水樹は、怒り狂った上司さえにもやさしいんですのよ・・・